From 師範代Shinya(新村真也)
(※僕が英会話スクール講師に転職してからの体験談です)
(→前回のつづき)
僕が英会話スクール講師に転職して1年たってから受けたTOEICは、以前よりアップするどころか、ダウンしてました。
「英語を教えてるだけでは、自分の英語力の上限は伸びない」
と気づいた僕は、2つのトレーニングを始めました。
①毎日の音読トレーニングで使うテキストを負荷の高いもの(知らない英単語が40%くらい入っているテキスト)にしました。
②リーディングスピードをアップさせるために、英語学習者用の英字新聞(週間ST&アサヒウィークリー)を定期購読して、スピーディーに流れに乗って読んでいくトレーニングをしました。
その結果、手持ちの英単語の数はかなり増えました。
また、英語がビッシリ書かれた長文を見ても、怖じ気ずかなくなりました。
そして僕は、久しぶりにTOEICを申し込みました。
最後にTOEICを受けてから、ちょうど1年が経っていました。
準備運動
念のため、本番1週間前に「TOEIC公式問題集」を買って、本番の試験時間と同じ2時間をタイマーにセットして計りながら、問題を解いてみました。
僕は、本番前にはこの作業を必ずします。
理由は、2時間の中でのリズムとペース配分をつかむためです。
ボクシングで言えば、スパーリングみたいなものです。
本気でガッツリ戦うというよりも、力を抜いて、軽く流しながらペースを取り戻す感じです。
久しぶりに開いたTOEICの問題集の上で、見える世界が変わっていました。
これまで「長文」だと思っていたパート7のリーディング問題が、実は「短文」だったことに気づきました。
大きめの紙面いっぱいに英語がビッシリ書かれた英字新聞を1年間読み続けた僕の目には、小さなTOEIC問題用紙に書かれた英文など、短文に見えました。
リーディングの最中も、自分の目線が
「いつも英字新聞を流し読みしている時のスピード」
で動きました。
しばらく考えても正解がどれか分からない問題は、「ま、いっか!」と開き直って、テキトーに塗りつぶしてから次へ進みました。
その結果、時間内に最後の問題までたどり着きました。
終わってから採点してみると・・・
795点~925点
という、かなり幅広いレンジの予想点数が出ました。
今までの経験上だと、だいたい本番の結果は公式問題集の予想点数の上の方に一致するので、おそらくギリギリ900点いくかどうか?
という感じだと思われます。
悟り
TOEICテスト本番の日、会場に着いた僕の心は落ち着いていました。
「なんとしても、TOEIC900点を越えてやる!」
といった意気込みみたいなものは、まったくありません。
「とりあえず、1年間の修行の成果を見てみよう。」
という感覚でした。
これは、前回の時とはまったく違う心境です。
前回は、
「よーし!やったるぜ!俺には英語講師として1年間教えてきた経験がある!必ず900点越えるはずだ!」
という、根拠のない自信がありました。
でも今回は、
「やるべきことはやった。あとの結果は、神のみぞ知る」
という心境です。まるで悟りを開いた僧侶になった気分でした。
ちょうど僕の席は一番うしろでした。
ゆったりスペースを取れるし、他の受験者を一望できるので、僕はこの一番後ろの席が気に入りました。
テスト本番スタート!
TOEICテストの本番が始まりました。
1週間前のスパーリングでやった公式問題集と同じペースで淡々と解いていきました。
リスニングは、ほぼ9割以上は聞き取れました。途中で「ん?」と思う部分もありましたが、気にせず進んでいきました。
「6割分かれば良しとして、先へ進む」
という、多読トレーニングの成果が、リスニングでも生きています。
ペースさえ乱されなければ、リスニングはおそらく400点台後半が出るはずです。
#リーディングもスイスイ
リーディングでも、目を素早く動かしながら、止まらずに駆け抜けることができました。
時間内に最後の問題まで行きました。
ちょっと時間が余りましたが、僕は心境的に、
「怪しかったところをもう一度見直しておこう!」
という気にはなりませんでした。
それよりも、
「とりあえず、分かる範囲でやれるだけのことはやった。これが今の俺の実力だ。どんな結果になろうと、悔いはない。」
という気分になりました。まさに、悟りの境地です。
その日は、終わった後も疲れてグッタリすることなく、静かな気分で家へ帰りました。
・・・つづく。
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