From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
Advanced 1000をリピーティングで仕上げることで、僕はそれまでとはまったく別次元のレベルの英文を読めるようになり、聞いて理解できるようになりました。
もちろん、会話でこのレベルの文章を使いこなすところまでは行けませんが、そもそもネイティブでさえもこのレベルの英文を日常生活で口に出して言うことはないと思います。
リピーティングは、とても奥の深いトレーニング方法です。
テキストを見ながらのリピーティングと、見ないでリピーティングするのとでは、難易度が10倍以上違います。
テキストを見ながらのリピーティングの使い道は、初めて見る英文の「発音チェック」です。
いきなりオーバーラッピングやシャドーイングをやると、発音がむちゃくちゃになりがちなので、リピーティングで「聞く」と「しゃべる」を時間差で分けて丁寧に練習します。
テキスト無しのリピーティングは、さんざんシャドーイングや音読を繰り返した英文の「最後の仕上げ」として使います。
ここまでは、前回の記事でお伝えしました。
でも、実はリピーティングにはもうひとつ、面白い使い方があります。
それは、「レベルジャッジ」です。
レベルジャッジ用のリピーティング
僕が初めてこれを体験したのは、名著「英語完全上達マップ」の著者、森沢洋介先生の教室で開催されている、1日集中レッスンに参加した時のことです。
僕は「英語完全上達マップ」の本に出会ったおかげで高い英語力を手に入れることができたので、その報告とお礼を言いたくて、森沢先生に会うために1日集中レッスンに参加しました。
静岡から千葉に新幹線で行き、初めて森沢先生に会ったときには感動しました!
そして、僕の成果を報告したら、とても喜んでくれました。
当時の僕はTOEIC870点でした。
おそらく、その時に1日セミナーに参加した人たち(20人くらい)の中では、僕が一番英語力が高かったようです。
森沢先生は、セミナーの最中に、僕のことを皆の前で紹介してくれました。
そして、僕の今の英語力を測るために、あるテストをやりました。
それが、「テキスト無しのリピーティング」だったのです!
初見の英文をリピーティング
森沢先生は、おもむろにラジカセを取り出すと、机の上に置きました。
そして、言いました。
森沢先生:「このテープには、高校生向けのテキストのCDを録音してあります。少し加工してあって、1文ずつ流れる度に、音のしないポーズが入れてあります。
その場所で、リピーティングができるようになっています。
これは、音読パッケージの後半でやるために作ったものですが、レベルジャッジとしても使えます。
初めて聞く英文を、テキスト無しでリピーティングできたら、そのレベルはクリアしていることになります。
せっかくなんで、皆さんの前で、新村さんに実演してもらいましょう!」
僕:「マ、マジですか?!」
森沢先生:「大丈夫です。新村さんはTOEIC870点あると聞きましたので、おそらく高校レベルのリスニング教材なら初見の英文でも、テキスト無しで正確にリピーティングできるはずです。」
皆:「おぉーーー!!」
会場内から驚きの声がわき起こりました。
なんてこった!これは責任重大です!!
ここでボロボロだったら、「森沢先生のメソッドで英語力を上げました!」なんて胸を張って言えません・・・
かといって、断るのもカッコ悪いです。
僕は、ドキドキしながらテストを受けることにしました。
テスト開始!
森沢先生が、ラジカセのボタンを押しました。
ラジカセからは、カセットテープ特有の懐かしい音質で英語が流れてきました。
僕は、グッ!と集中して聞きました。
英文の内容は今となってはハッキリ覚えていませんが、たしか女性が「自分の留学経験」か「英語学習経験」を語っている内容だったと思います。
たしかに、レベル的には僕が当時練習していた教材よりもずっとカンタンに聞こえました。
話し言葉だったので、一字一句聞き取れました。
そこで僕は、聞いた内容をそのまま大きな声でリピーティングしていきました。
驚きの反応!!
「正解!」
森沢先生が大きな声で叫びました。
「おぉぉぉーーーー!」
と会場内がどよめきました。
な、なんだこのリアクションは!!
すごくいい気分です!!
森沢先生は、そのまま3~4文くらいを続けて流しました。
僕は1カ所だけ聞き間違えましたが、それ以外の部分はすべて正確にリピーティングができました。
僕がリピーティングをするたびに、周りの人たちは、
「おぉぉぉー!!スゴい!」
と言ってくれるので、僕は嬉しくなりました!
今まで、リピーティングをしているところを人に見せたことがありませんでしたが、こんなに驚かれるとは!!
それにしても、初見の英文でも、けっこういけるもんだな!
とその時、初めて気付きました。
それ以来、僕は自分の生徒さんのレベルジャッジの方法のひとつに、「初見の英文のテキスト無しのリピーティング」を取り入れるようになりました。
英会話スクールによくある「フリー英会話をしながらレベルジャッジする方法」よりも、リピーティングを使ったレベルジャッジの方が、はるかに正確に英語力を測れる方法だと気付きました。
・・・つづく。
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