From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
オーバーラッピングとシャドーイングでCDのモデル音声のリズムとスピードをマスターしたら、次はいよいよ音読に入っていきます。
音読は、CDを使わずに自分だけで声に出していきます。
最初から最後まで、止まらずに一気に声に出していく感じです。
その時、CDのモデル音声と同じイントネーション&発音を再現するように意識します。
音読する時の3つのポイント
音読をするときのポイントは、3つあります。
①気持ちを込める
②発音クオリティーをできるだけCDに近づける
③ミスを気にしない
です。
ひとつひとつ見ていきましょう。
①気持ちを込める
音読するときには、ただ単に、「文字を目で追う」だけにならないようにします。
できるだけ、気持ちを込めて、その文章を書いた人になりきって声に出していきます。
イメージは、「役者」です。
もし、ドラマや映画の役者の話すセリフが、「感情のこもらない棒読み」だったら、つまらないですよね?
プロの役者さんは、セリフを練習して頭の中に入れた後に、こんどはまるで「自分の話す言葉」のように、話します。
だからこそ、見た人を感動させることができるのです。
あなたの音読を見ているお客さんは、「あなた自身」です。
気持ちを込めて英文を音読することで、その中にある「生きた言葉」が、あなた自身の耳から入ってきて、脳内に定着します。
②発音クオリティーをできるだけCDに近づける
自分で自分の発音を聞くのは、最初は恥ずかしいものです。
CDとはかけ離れた発音に聞こえて、ヘコむこともあります。
でも、この経験があるからこそ、「どうやったらネイティブ発音に近づけるか?」を真剣に考えて、意識するようになります。
これは、シャドーイングやオーバーラッピングでは身につかない部分です。
CDをかけながら合わせてしゃべっていると、「何となく言えている気」になります。
でも、実際に音読して自分の声だけ聞いてみると、
「あれ??なんか、ぜんぜん言えてないじゃん!」
「あれ??なんか、俺の発音ぜんぜんイケてないじゃん!」
ということに気づきます。
なかなかうまく言えなくて、もどかしい思いをします。
自分の下手な発音を聞いて、ヘコみます。
でも、このプロセスが大事です。
CDのネイティブ音声と自分の発音の「違いに気づく」ことが、第一ステージだからです。
その違いに気づけないと、そこから先へ進むこともできません。
③ミスを気にしない
これは、一見②と矛盾しているように見えますが、CD音声をマネする一方で、その通りに言えなかったり、途中でつかかってミスしても、あまりそこにこだわり過ぎないようにします。
音読トレーニングは、基本的に毎日やるものです。
なので、最初のうちはうまくできなくても、続けるうちにだんだん上達していきます。
最初はつっかえまくっていた英文も、1週間経って反復回収が30回~50回くらいになる頃には、だいぶスムーズに言えるようになります。
なので、最初のうちはミスをあまり気にしないことです。
もし、どうしても言いづらい場所があったら、そこだけ他の場所より3回くらい多めに声に出してみましょう。
最初のうちはどんなにたくさん間違えてカクカクしたリズムになろうとも、気にしないことです。
続けるうちに、必ずスムーズに言えるようになってきます。それが、「反復の力」です。
英語学習は、「反復の力」を使いこなした人が成功する世界です。
「~ばっかり」にならないように注意!
家でトレーニングする人にとっては、音読はCDなしでも手軽にできるため、そればかりに偏りがちです。
クルマ通勤をする人にとっては、CDだけでできるシャドーイングがやりやすいので、そればかりに偏りがちです。
でも、シャドーイングと音読は、それぞれ欠点を補い合う関係にあります。
どちらが欠けても効果は半減してしまいます。
音読だけだと、自己流の発音やイントネーションになりがちです。
また、マイペースで読み上げていると、ネイティブのスピードについて行けるスタミナを養うことができません。
シャドーイングだけだと、何となく言えた気になってしまい、細かい発音があいまいになりがちです。
また、「a」や「the」などの冠詞や、「on」や「at」などの前置詞など、弱く読まれる言葉が聞こえづらいので、抜けて覚えてしまいがちです。
この2つをコンビネーションで組み合わせることで、初めて学習効果を最大限に高めることができます。
僕自身は、ふだんのトレーニングでは、音読とシャドーイングを交互にやっています。
1回目:シャドーイング
2回目:音読
3回目:シャドーイング
4回目:音読
5回目:シャドーイング
6回目:音読
という感じです。
その後、次の例文に移っています。
同じ例文を1日に何度もやり過ぎると、途中で飽きて集中力がなくなったり、気持ちを込められなくなってくるので、同じ例文は6回までにとどめています。
これを週に6日間繰り返して、シャドーイングと音読のトータル回数が30回を越えたあたりで、次にご紹介する「リピーティング」を使って仕上げています。
次回は、リピーティングのやり方を詳しくお伝えします。
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