From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
英語を仕事で使うシーンの多くは、
・英語で接客する
・英語でメールのやりとりをする
の2パターンです。この2つは文法力や英単語力が十分になるまで待つよりも、「定型文を丸暗記して使う」方が手っ取り早くて実戦的です。
呪文のように丸暗記したフレーズを口から発する(メールで書く)だけで、コミュニケーションは成り立ちます。
メールであれば、相手からの返信をグーグル翻訳にかければ、とりあえず何を言いたいのか?ぐらいは推測できます。
この定型文を丸暗記して使う手法は、英語でプレゼンをする時にも有効です。
プレゼンの英語も、ある程度の型が決まっています。
その型に沿って文章を組み立てて、事前に丸暗記します。(丸暗記する前に、同僚や上司などで英語ができる人に台本をチェックしてもらった方がいいかもしれません)
台本を見ないでも最初から最後まで話せるようになれば、英語初心者であってもある程度相手に伝わるプレゼンをすることができます。
たとえ日本語でも、仕事上でプレゼンをする時には、台本を準備して何度か声に出してスラスラ話せるようになるまで練習する人がほとんどでしょう。
それと同じ練習を英語で行うだけです。
後は、「プレゼンが終わった後にお客さんからどんな質問が来るか?」を想定して、いくつか答えのパターンを用意しておけば大丈夫です。
この質問コーナーは、おそらく一番緊張するパートだと思いますが、プレゼン内容の範囲内での会話になるので、使われる英単語も限定されます。
それに、「事前に何十パターンも質問の答えを準備しておいたら、本番では誰にも質問されなくて拍子抜けしちゃいました」なんていう体験談もよく聞きます。
おそらく、英語でのプレゼンは準備さえしっかりできていれば、英語初心者でも乗り切れる確率は高いと思います。
ごまかしが効かない「ミーティング」
これまで「定型文で乗り切る手法」をお伝えしてきましたが、唯一、定型文手法が使えない場があります。
それが、「英語でミーティングをする場」です。
英語でのミーティングは、「事前の仕込み」がしづらいので、最も難易度が高い分類になります。
もちろん、資料を事前に読み込むなどの準備はできるのですが、本番では誰がどんなトピックで発言するか?が事前に予測できないことが多いです。
日本式の会議の場合は、「議長(上司)が一方的に話して、参加者はそれを黙って聞くだけ」というシーンも多いので、内容があまり分からない新人が参加しても割と乗り切れます。
また、「会議中に何が話し合われて、どんな結論になるか」まで事前にシナリオができている「根回し会議」もあります。
一方で欧米式のミーティングは、「参加者全員を発言させる」ような方向性に持って行くことが多いです。
会議中に一度も発言しない人は「この場にいる意味がない!」と判断されることすらあります。
会議が日本式で行われる場合は、とりあえずその場にいれば何とかしのげますが、欧米式で行われた場合は、初心者にはお手上げです。
ここでは、ごまかしが一切効きません。
僕が今まで見てきた限りでは、TOEIC700点台の中級者であっても、ビジネスミーティングでのやりとりには苦労しています。
たとえTOEIC900点を超えていても、瞬間英作文などのトレーニングを積んでいない場合は、「聞き取れるけどすぐ返せない」という状況になります。
参加者の英語を素早く聞き取って、素早く返すのは本当に大変です。
1対1なら、相手がこちらのペースに合わせてくれる可能性があります。
でも大人数のミーティングに放り込まれたら、初心者はまったくついていけなくなるでしょう。
相手がネイティブでもノンネイティブでもキツい
「周りがネイティブばかりで、日本人は自分だけ」みたいな場合は、かなりキツくなります。
会話がネイティブのペースで進むからです。ネイティブ同士の会話を一発で聞き取るのは、本当に難しい作業です。
では、逆に「周りがノンネイティブばかりのミーティング」はラクなのか?というと、そうでもありません。
それぞれの国の人達が「母国語のアクセント混じりの英語」を話すので、逆に聞き取れないことがあります。
特にインド人やシンガポール人、中国人などの話す英語はスピードが速くてアクセントが強いことが多く、慣れていないとネイティブの英語よりも聞き取りづらいことが多いです。
多国籍の人達が次々に発言するようなミーティングの場では、相当高い英語力と経験値が必要になります。
自動翻訳マシンは使えない
ちなみに、ポケトークのような「自動翻訳マシン」の広告には「英語でのミーティングで使う場面」が出てきます。
そこを期待して買ってしまうのは危険です。
実際の英語ミーティングの現場では、会話の流れのスピードが速すぎて、翻訳マシンではとても追いつきません。
もしあなたが英語初心者のうちに「大勢の参加する英語ミーティング」に参加しなければならなくなった場合は、素直に降参して同時通訳を付けてもらうように会社に交渉した方がいいかもしれません。
・・・つづく。
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