【国際交流の場で役立つスキル】

From  師範代Shinya(新村真也)

前回の記事では、世界の英語人口の78%が、

 

「非ネイティブ=英語を第二言語としている人たち」

 

だとお伝えしました。

 

英語を、

 

「世界中の人たちと話すためのツール」

 

としてとらえたとき、

 

「非ネイティブと話すためのスキル」

 

が必須になります。

 

相手も英語を第二言語として使っている以上、英語力は人によってバラバラです。

 

あなたがどんなに英語力を高めたとしても、その力をフルに出し切れる相手はそう多くないかもしれません。

 

英語の目的

たとえば、僕はカナダに留学していたときに、クラスメイトはスイス、ドイツ、トルコ、インド、ブラジルやスペインなど、バリエーション豊かな国々の出身者が集まっていました。

 

その人たちが英語というひとつの言語でコミュニケーションを取れることに大きなインパクトを受けました!

 

と同時に、みんな英語力にバラつきがあることを実感しました。僕が当時DUO3.0という英単語帳で覚えたばかりの英単語を使ってみても、通じないことがよくありました。

 

反対に、相手が言っていることがまったく分からないということもありました。

 

最初の頃は、

 

「自分の英語力を高めれば、それに比例して世界の人たちとコミュニケーションできる幅もアップする」

 

と考えがちですが、実はそうではないことを身を持って知りました。

 

英語を使った会話は、

 

「自分の英語力の高さを相手に見せつける場」

 

ではありません。

 

会話で英語を使う目的は「意志を伝え合う」ことです。

 

意志を伝えることができなければ、英会話はだたの「勝ち負けを争う戦」になってしまいます。

 

「俺はこんなむずかしい英単語を知ってるぜ!」

 

「おまえはこんなカンタンな文法も使えないのか?」

 

みたいな心持ちで会話をしていては、良いコミュニケーションにはなりません。

 

相手に合わせるスキル

英語を国際共通語として見た場合、自分の英語力を相手に合わせて変えるスキルが必要になってきます。

 

①相手より自分の方が英語力が高い場合

②自分より相手の方が英語力が高い場合

③お互いの英語力が同じくらいの場合

 

③の場合は、特に問題はありません。気兼ねなく会話を楽しむことができます。

 

問題は、①と②です。それぞれで必要とされるスキルが違います。

 

①相手より自分の方が英語力が高い場合

この場合は、あなたの使う英語レベルを相手に合わせて下げる必要があります。

 

たとえば、あなたが会話の中で、

 

「wallet(サイフ)」

 

という言葉を使ったとします。

 

もし、相手がその英単語を知らずにポカンとしている場合は、言い換えやジェスチャーで理解させなければ話が先へ進みません。

 

たとえば、

 

A small flat case.

(小さくて平らな入れ物だよ)

 

You use it for holding paper money.

(紙のお金を入れるのに使うんだ)

 

など、できるだけカンタンな言葉で言い換えをする必要があります。

 

これが、やってみるとけっこう難しかったりします。

 

必死で頭の中にある英単語の中から、類義語や関連語を引っ張り出してくる必要があるからです。

 

そして、負荷が高い分、自分にとっても良い訓練になります。

 

②自分より相手の方が英語力が高い場合

この場合は、まず相手に伝えなければなりません。

 

「自分は今、あなたの英語を理解できていない!」

 

ということを。

 

これは、日本人は文化的に難しく感じやすいです。日本の文化は、「空気を読む」のが美学です。

 

「空気が読めないやつ」

 

という言葉は、ふつう非難の言葉として使われます。

 

なので、日本人にとっては、会話の最中に、

 

「あなたの言っていることが分かりません」

 

面と向かってと言うことは、

 

「空気が読めないやつめ!と思われるのでは?」

 

という恐怖心を刺激するため、なかなか言い出せないのです。

 

ところが、海外へ出たらそういう恥じらい文化を捨てて戦わなければなりません。

 

「わからない時には会話を止めて、わからないとハッキリ言う」

 

ための「勇気」が必要になります。

 

これも、訓練でしか身につきません。

 

でも、これができるようになると、会話に自信がつきます。

 

ネイティブとの会話はラク

ネイティブとの会話では、①の「自分の方が相手より英語力が高い」という状態にはなりません。

 

また、会話の最中も相手が自分に合わせてくれるので、いちいち聞き返さなくても、最初から優しい英単語を使ってしゃべってくれたります。

 

特に英会話スクールの先生は、日本人の苦手な英単語や文法をよく知っているので、あなたが分からない表現を避けて会話を続けてくれます。

 

これは、しゃべる側としては気持ちがいいのですが、快適過ぎて負荷が軽くなります。

 

ネイティブとの会話で英語力を伸ばせるステージは、僕の実感ではスーパーサイヤ人(TOEICで900点レベル)になってからです。

 

スーパーサイヤ人状態の「マックスパワーで戦う相手」としてネイティブを選ぶと、気兼ねなく難しい英単語や高度な文法を使いまくることができます。

 

非ネイティブとの会話の方がむずかしい

以上の点から、僕は「非ネイティブとの会話の方がむずかしい」という結論に達しました。

 

相手の英語力に合わせて、自分の使う英語を柔軟に変化させてコミュニケーションを取れる人こそ、真の「国際人」だと僕は思います。

 

あなたはどう思いますか?

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