【小中学校の先生が英語を習う】

 
 
From  師範代Shinya(新村真也)
 
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この写真は、先月の日経新聞の記事です。
 
 
最近、新聞などで、
 
「小中学校の先生が英会話のレッスンを受けて英語力アップを目指している」
 
「英語力と指導力の両方をアップさせるためにネイティブからレッスンを受けている」
 
という記事が目に付くようになりました。
 
2020年から、学校の英語の授業が変わります。
 
小学校の英語の授業時間は今の3倍に増えて、内容も高度になるそうです。
 
小3から英語の授業が始まり、小5、6年では正式科目になります。
 
文科省の発表によると、
 
「発表やグループ活動などを伴う『対話的で深い学び』で思考力や主体性を伸ばす」
 
という方針があるそうです。
 
そこに合わせて中学や高校でも、「英語で英語を教える」タイプの授業が始まるそうです。
 
そうなると、先生の指示語も説明も全部「英語オンリー」になります。
 
その授業スタイルに合わせるために、小学校~高校の先生の英語力そのものを上げるプログラムが増えているそうなのです。
 
 
・先生が英語で英語を教えると、日本人の英語力はアップするのか?
何となく、英語で英語を教えると、英語力がアップするような気がします。
 
僕は、「英語で英語を教えるレッスン」を、8年間やってきました。
 
クラスの中では、ほぼ100%英語のみでやりとりするスタイルです。
 
その経験から、英語で英語のレッスンをするメリット&デメリットが見えました。(あくまで僕個人の感想です)
 
 
 

英語で英語を教えるメリット

・わからない英単語があっても、なんとか英語だけで切り抜けようとする姿勢が養われる。
 
・レッスン中に耳に入る言語が英語のみになるので、脳が英語脳にスイッチする。
 
・英語でコミュニケーションを取るのは、単純に楽しい。
 
 
 
 

英語を英語で教えるデメリット

・まったくの初心者の場合、先生の英語の指示語が理解できないので、途中でちんぷんかんぷんになる。
 
・質問があっても、英語で英語の文法に関して質問するのはかなり難易度が高い。
 
・もし、うまく質問ができても、今度は答えが理解できない。
 
 
たとえば、外国人に、「納豆って何ですか?」と聞かれたと想像してみてください。
 
あなたが納豆を日本語で説明するとしたら、なんて説明しますか?
 
僕だったら、
 
「大豆を発酵させて、ネバネバにした食べ物で、ご飯とかにかけて食べるんだよ。ちょっと臭いけど健康にいいよ。」
 
とか言います。明らかに長くなっています。「納豆」という単語を説明するために、「発酵」や「健康」、「大豆」という新しい単語が登場しています。
 
そして、もし、この次に「発酵って何ですか?」という質問が来たら・・・永遠に続いてしまい、ちっとも会話が先に進みません。
 
 
 

学習効率が悪い

もし日本人の先生が「英語で英語を教えるスタイル」にだけ特化したら、こういう現象が起きます。
 
学習効率がとても落ちるのです。
 
僕が英語で英語を教えていた頃は、このスパイラルにハマるのを防ぐために、緊急策として、難しい質問をされたら、「後で答えるね!」と言って、ホワイトボードの片隅にメモって、レッスンが終わってから日本語で解説していました。
 
日本語で解説すると、レッスン中はポカンとしていた他の生徒さんたちも食いついてきて、熱心にメモを取ったり、新しい質問をしてきました。
 
なので、僕のレッスンの前後は、日本語で質問したい生徒さんが列をなして待っている状態でした。
 
このときから僕は、「英語で英語を教えるスタイル」の効率の悪さと、限界を感じ始めていました。
 
 
 

日本人教師の役割

僕は、すごくもったいない!と思います!!
 
日本人の中学高校の英語の先生が、英語のみの授業をするのは、もったいないです!!
 
英語で英語を教えるスタイルは、日本人の先生の得意領域ではありません。
 
英語で英語を教えるレッスンは、ネイティブや帰国子女の教師の得意領域です。
 
生徒の話す英語が、英語圏で一般的に使われる自然な英語か?そうではないか?をジャッジしたり、
 
「ネイティブだったら、こう言うね!」
 
というフレーズを教えたりするのは、日本人よりネイティブの方が強いに決まっています。
 
でも、日本人の英語教師には、ネイティブの教師にはできないことがあります。
 
日本人の英語教師の最大のメリットは、「日本語で英語を教えられる」ことです。
 
僕ら日本人にとっては、「英語で英語を教わる」よりも、「母国語の日本語で英語を教わる」方が、効率が良いのは当たり前です。
 
理解のスピードと深さがぜんぜん違うからです。これは、僕が英語で英語を教えるレッスンを8年間続けてきたからこそ、実感していることです。
 
 
 

今までのやり方と180度変えても・・・

きっと、学校教育の方向転換の理由はこんな感じだと思います。
 
「今まで、日本語の文法用語ばかり使ってきて、英語力は伸びていない。だったら、もう、英語で英語を教えるしかない!」
 
「英会話を授業にも取り入れて、先生も生徒もクラス内で英語だけをしゃべりまくれば、伸びるっしょ?」
 
という感じです。これまでと真逆の方向にかじを切れば、問題が解決するはずだ!と思っているように見えます。
 
でも、これって、なんだか短絡的すぎます。
 
「右がダメだったから、こんどは左で攻めてみるか!」という、単純で当てずっぽうな図式に見えるのです。
 
 
 

英語が身につく流れ

英語が身につくまでのプロセスは3段階あります。
 
① 知識を入れる。
 
② 知識を技術に変える。
 
③ 磨いた技術を対人の練習試合で試す。
 
上達の流れは、スポーツと全く同じです。
 
今までの学校教育は、①の知識の詰め込みばかりやってきました。
 
そして、これから向かおうとしている先は、③の試合ばかりやる方向です。
 
どちらも両極端ですが、肝心な②の部分が抜け落ちていることに変わりはありません。
 
そして、今までよりもっと悪いのは、「①と②は、自己責任だから家でやってきてね!」という姿勢です。
 
これって、けっこう乱暴な教え方だと思いませんか?
 
もし、スポーツで一流コーチを雇って、そのコーチが
 
「俺は君たちの試合相手になってあげるけど、基礎練習はここではやらん!各自家でやってくるように!以上!!」
 
なんて言ったら・・・
 
その人は名コーチと呼べるでしょうか?
 
それじゃあ名コーチどころか、ヘボコーチですよね?
 
 
 

ある高校生の悩み

僕は以前、いち早くこの「英語で英語を教えるスタイル」を授業に取り入れた高校の生徒と話したことがあります。
 
彼が僕に久しぶりに会うなり言ってきた、第一声はこんなセリフでした。
 
「シンヤ先生!助けてください!英語の文法を日本語で教えてくれませんか?今、学校の授業がヤバいことになってます。
 
授業中に先生も生徒も英語しか使えないんで、会話練習ばっかりで、文法をやらなくなっちゃったんです。
 
進みもめっちゃ遅いんです!
 
その分、文法と英単語は家で各自やってこいって・・・でも、テストでは今まで通りふつうに文法問題が出るし・・・文法を全部家で自習するって、マジでキツいっす!分からないことろを誰にも聞けないし・・・」
 
 
その後、彼はマシンガンのごとく、文法に関する質問を僕に浴びせかけてきました。僕はそれを片っ端から返していきました。
 
僕はこの高校生の言葉を聞いて、日本の中高生がこれから向かおうとしている先が、イバラの道であるような予感がしました。
 
 
 

日本人の英語教師の役割

僕の考える日本人の英語教師の役割は、「コーチ」です。さっきの3ステップの中で言えば、「①知識の伝授」と、「②知識を技術に変えるステージ」です。
 
どんな練習メニューを、家でどのくらいの頻度と量でやってくればいいのか?
 
どのくらいの完成度が合格ラインなのか?
 
それを正確にジャッジして生徒に伝えられるのは、日本人教師にしかできないことです。
 
日本人でありながら英語を後天的に身につけた経験のある英語教師だけが、それを伝えることができるです。
 
ネイティブ講師が力を発揮するのは、その先の「試合」のステージです。
 
この「日本人教師とネイティブ教師の役割分担」がうまく連動してできたとき、初めて日本人の学生の「真の英語力」が底上げされるような気がしています。
 
 

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From  師範代Shinya(新村真也)

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