From 師範代Shinya(新村真也)
(※僕がカナダで一人旅していた頃の体験談です)
(→前回のつづき)
朝食を食べ終わった後、ジェフが僕に言いました。
ジェフ:「今は一度帰ってきたけど、実はまたすぐに実家に帰るんだ。
本当はトロント市内を観光に連れて行ってあげるつもりだったんだけど、緊急で葬式が入っちゃったもんで、ゴメン。」
僕:「いやいや、とんでもない!泊めてもらえるだけでもありがたいよ!俺はひとりでも大丈夫!」
ジェフ:「でも、せっかくだからシンヤが自分ひとりでは行けない場所に連れて行ってあげるつもりだったさ。
まあ、それはまた俺が帰ってきてからでもできるんだけどね。
そこで提案なんだけど、良かったらシンヤも一緒に俺の実家に来ない?
もちろん、ひとりでこっちにいてもらってもいいよ。
決めるのはシンヤに任せる。」
僕:「え?!ジェフの実家に俺が行っていいの?」
ジェフ:「もちろん!来るなら家族には伝えるよ。きっとみんな歓迎するよ。」
なんと!!初対面の僕をジェフは実家に連れて行こうとするとは!!なんて信頼度なんだ!!
今日の行動予定をどうするのか?その選択権は僕にあります。
僕は考えました。
トロントに来ること自体は今じゃなくてもまたできます。次回の旅行で観光地を回ることはカンタンにできるでしょう。
でも、ジェフの実家に行くチャンスはおそらく一生で一度きりです!今しかありません!
僕は、5秒考えたあと、返事をしました。
「もちろん!一緒に行くよ!」
ドライブのチャンス!
ジェフ:「よし!決まりだ!じゃあ、午後イチで出発するから、午前中はシンヤはゆっくりしてていいよ。俺の実家はトロントから離れてて、けっこうロングドライブになるから、そのつもりでいてね。」
僕:「了解!」
予想外の展開に、僕はワクワクしてきました!
まさか、トロントに着いていきなり都心部から離れることになるとは!
しかも、ジェフのクルマでドライブできるとは!
僕は運転歴が長く、日本にいたときも毎日通勤で片道1時間は運転していました。
なので、僕にとっては、「異国の地でのドライブ」は文化の違いを強烈に体験できるチャンスです。
たとえ同じ場所を走っていても、バスや電車の窓から見える景色と、乗用車の視点から見える景色は明らかに違います。
自分でハンドルを握らなくても、助手席の視点で道路標識やすれ違うクルマたちを見るのはワクワクします。
ジェフのクルマ
お昼になると、僕はジェフと一緒にクルマに乗り込みました。
大きいサイズですが、けっこう古びています。10年以上は経っていそうなクルマです。
バンクーバーで同僚のデイビッドのクルマに乗った時にも思ったのですが、欧米人は日本人に比べて新車に対するこだわりが薄いようです。
「クルマなんて動けばいい」とか、「自分のライフスタイルに合ったクルマでいい」と考える人が多い気がします。
欧米人は、「モノ」よりも「体験」にお金を使う傾向があるように思います。
日本は、「モノ」に価値を見いだす人が多いような気がします。
10代の思い出
僕が高校を出たばかりの18歳の頃に就職した鉄工場では、2~3年上の先輩達はこぞってピカピカの新車を買っていました。
しかも、大排気量で3ナンバーのスポーツカーをバリバリローンで購入していました。
先輩たちは、背伸びしたクルマに乗ることで、自己表現をしているように見えました。
僕も一時期はその価値観に影響されて、当時人気だった「シルビア」や「ワンエイティー」などのスポーツカーに憧れていました。
毎日クルマ雑誌を眺めて、いつか自分が新車のスポーツカーを買って、先輩たちから「スゲー!カッコいいじゃん!」と言われる日を夢見ていました。(結局、実現しませんでしたが)
価値観の変化
でも今は、あの頃の自分の価値観から大きく変わっていると感じます。
あの頃の自分がジェフのクルマを見たら、
「なんてポンコツのクルマなんだ!もっとピカピカの新車のスポーツカーに乗りたいと思わないのかな?」
と思ったに違いありません。
でも、今の僕の目には、ジェフの古いクルマがカッコよく見えます。
ビンテージジーンズのような味を感じるのです。
それに今は、「新車のスポーツカーに300万円近く使うくらいなら、留学や海外旅行で経験を積んだ方が、一生の財産になるよな」と思うようになっていました。
おそらく、僕の価値観は欧米寄りになっているのかもしれません。(もちろん、欧米人でもクルマ好きな人やお金持ちの人は新車を買うとは思いますが)
そんなことを思いながら、僕はジェフのクルマに乗り込みました。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(英語の達人養成ジム 師範代)
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