From 師範代Shinya(新村真也)
(※僕がカナダに3ヶ月間留学してから帰国後の、日本での体験談です)
(→前回のつづき)
僕がカナダから日本に帰国後に、いろいろな企業が集まって説明会や短い面接をする「就活フェアー」に参加したときのこと。
僕は、地元で有名な大企業のブースに並んで、面接を受けてみることにしました。
その会社は海外との取引があり、支社も海外にいくつか作っている会社で、事前にホームページで調べたら、「国際部門」がいくつかありました。
大企業にしては珍しく、高卒でも採用しているようなことが書いてあったので、僕は試してみることにしたのです。
カナダ式:就活法
僕は、カナダの留学先の学校のビジネスコースで習った方法を試してみることにしました。
まず、事前に会社のホームページを見て、どの部門のどこのポジションで自分の能力を活かせるか?を考えてみました。
高卒で31才という、学歴&年齢のデメリットを考えると、英語力だけを武器にまったく新しい職種にトライするのはハードルが高いのではないか?と考えました。
そこで、「自分の過去の職歴」に、「英語力」を掛け合わせた場所なら、デメリットをカバーしてアピールできるのでは?と思いました。
そこで僕は、自分の中で最も職歴の長い、「ジーンズショップの店長」の仕事の中から、この会社のどこかの部門にヒットするスキルがないかどうか?を考えてみました。
すると、「国際人事部」という場所を見つけました。
僕は、小さな店とはいえ、多いときで9人のスタッフを教育&マネジメントしていた経験があります。
しかも、僕のお店はスタッフが辞めないで長く定着してくれたことで、エリア内では「人事マネジメントのモデル店」みたいに言われて、エリア会議で発表したこともありました。
そんな「自分でも忘れかけていた過去の業績」を見つけて、立派に味付けして、堂々とプレゼンする・・・それがカナダ流の就活でした。
実際、僕がカナダで仕事をゲットしたときにも、この方法をやって、英語での面接でも自分をアピールしました。
こういう自己アピールは、日本人は苦手な人が多いです。僕も最初は違和感がありましたが、今ではすっかり慣れました。
試しにアピール!
僕は、こういった下準備をした上で、その就活フェアーに行きました。
そこで、下調べした大企業のブースに並んだのです。
ついに僕の番が来ました!
用意した履歴書とカバーレター、そしてCASECのテスト結果の用紙を担当者に渡しながら、プレゼンを始めました。
「なぜ、自分がこの会社で働きたいのか?」
「自分が今まで身につけてきたスキルは、人事マネジメントと英語力、そして異文化の壁を越えるコミュニケーション力であること」
「その力を活かすことで、必ず御社の国際人事部門で役に立てること」
を伝えました。また、
「今は国際人事部門は求人をしていないことを知っているが、もし将来に備えて人を入れておく戦略があれば、ぜひ自分を採用候補に入れて欲しい」
ことを伝えました。
そして最後に、
「未経験の仕事やまったく新しい事に対しても、臆せず果敢にチャレンジしていく精神があること」
などを、ハッキリした口調でビシッとプレゼンしてみました。
今まではずっとこういう自己プレゼンを英語でやってきたので、今回日本語でやるのはすごくラクに感じられました。
担当者の反応
僕の欧米式のプレゼンを聞いた担当者の男性2人は、驚いたような表情で目を見開いて、僕の話を聞いていました。
そして、終わった後、一言、こんなセリフが聞こえました。担当者2人の間で顔を見合わせながら、
「いやはや、驚いた!スゴい具体的だねぇ~。やりたいことが明確で、うちの会社のこともしっかり調べてあって・・・」
「ですね。なんか、我々が就職した時とは全然違いますね。我々の時代は、面接では『言われたことは何でもやります!』みたいな感じだったからね。自分が何をやりたいか?なんて考えたことなかった・・・」
というボソボソ声が聞こえました。
おそらく、この就活フェアーのブースでの面接は正式なものではないので、人事担当者もリラックスモードで本音が出たのかも知れません。
2人の担当者は、僕の履歴書や書類を受け取ると、感心した様子で言いました。
「いや、あなたの自己PRはスゴい分かりやすかったですよ。我々は、国際部門とは関係ない部署の人間なんですが、あなたの書類は必ず国際人事部門に届けますね。」
と言ってくれました。
日本の「和」の文化
僕は、内心ホッとしました。
欧米式の自己プレゼンは、日本では文化的にまだ受け入れられないのではないか?
自意識の強い、扱いにくいやつだ!と思われるのではないか?
という不安があったからです。
日本の職場では、「和」を重視します。
いくらスキルが高くても、トガったやつは疎まれるのです。
僕は今までの職場で、そういうシーンを何度も目撃してきました。
でも、せっかく留学したなら、欧米式のプレゼンをして、それを評価してくれる企業で働きたいと思うようになっていました。
とりあえず、その後もいくつかの企業のブースを回って、同じようなスタイルでプレゼンをして様子を見てみましたが、どこも同じようなリアクションでした。
・・・つづく。
コメントを残す