From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と思って「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
 
 
クラスメイトのT君とSさんから「エキストラの現実」を教えてもらったことで、
 
 
エキストラで演技を認められて、役がもらえて大抜擢される・・・
 
 
みたいな流れになる確率は、限りなく低いと気付きました。
 
 
そこで僕は、違う道を探すことにしました。
 
 
やはり「ドラマや映画の役のオーディションの募集を見つけて応募する」というのが、デビューに直結すると思いました。
 
 
そして、そのオーディション情報はスクールの外から見つけてくる心意気がないと、おそらく3年以内に役をゲットすることはできないでしょう。
 
 
実際、スクールの掲示板に張り出される募集告知の9割は、エキストラの仕事ばかりでした。
 
 
そして、ごくたまに張り出されるドラマや映画の役のオーディションは、10才ぐらいまでの子役の募集がほとんどでした。(60代以上のシニアの募集もけっこうありました)
 
 
でも、その中間層の大人の募集はほとんどないのが現状でした。
 
 
たとえ出たとしても、すごい競争率で奪い合いになります。
 
 
スクールには何百人もの大人の生徒がいて、中にはすでに芸能人レベルに見える美男美女も一定数いました。
 
そんな人達と1つのポジションをかけて戦うのは、かなり分が悪いです。
 
 
しかも、僕の通っているようなタレント養成スクールは、他にも東京にたくさんあります。
 
 
1つの役のオーディションに、何百人もの応募者が集まってくるのです。
 
 
明らかに「買い手市場」になっていることは間違いなさそうでした。
 
 
そんな中で、いったいどうやったらアピールできるのか?
 
 
僕は考えました。
 
 

就職の面接と芸能オーディションの違い

若い頃に受ける就職の面接アドバイスではよく、「積極性が大事だ」とか、「やる気を見せろ」とか、「自分の可能性をアピールしろ」と言われます。
 
 
でも、ドラマや映画の役のオーディションでは、その考え方は当てはまらない気がします。
 
 
どんなにやる気を見せられても、自分が探している役の雰囲気に全然合わない人だったら、採用しようがありません。
 
 
もちろん、演技力でカバーできる場合もあるでしょう。
 
たとえば、ふだんは元気いっぱいのキャラだったとしても、演技に入った途端に、誰が見てもネガティブに落ち込みやすい性格の人になることができれば、元の性格は影響しません。
 
 
ただ、外見から出てくる雰囲気だけは変えようがありません。
 
 
もし募集している役が「主人公の恋のライバルで、身長185センチで長髪の似合うイケメン」だった場合、どう転んでも僕ではその役を演じられません。
 
 
もう演技力の問題ではなく、やる気や可能性の問題でもありません。
 
 
ただ「適性」がないだけです。
 
 
ここが、就職の面接と芸能界のオーディションとの違いだと思います。
 
 

もし自分が監督だったら?

「もし自分が映画監督やテレビのディレクターだった場合、どんな人を役に当てはめていくだろうか?」
 
 
僕は考えてみました。
 
 
普通に考えて、いきなり「まだプロとしての経験値のないタレントのタマゴ」の人に大きな役を与えるのは無謀過ぎます。
 
 
重要なポジションは「すでにプロの役者として実績のある人達」の中から選んだ方がラクです。
 
 
経験値の高い役者さんは現場のことも分かっているだろうし、改めて教育したり説明したりする必要ないので、作品の制作だけに集中できます。
 
 
では、一般公募で素人や役者志望の人達の中から選ぶ理由は何か?
 
 
そう考えると、
 
 
①探している役の年齢層が若くて「ルックスの良い中高生×20人」みたいなケース
 
 
②予算があまりなくて、すでに芸能事務所に所属しているタレントから選ぶのは人件費がキビしい時。
 
 
のような気がします。
 
 
こういうケースの場合は、一般公募やタレントスクールに所属している人達の中から、ルックス重視で選んだ方が効率が良さそうです。
 
 
だからこそ、タレント養成スクールの掲示板に貼られるオーディション情報は、子役の募集が多いのかもしれません。
 
 
 

採用の流れ

ということで、僕がもし映画やテレビの監督なら、
 
 
①まずはプロの役者の中から重要な役をやらせる人を選ぶ。
 
 
②まだ空いている役に「タレントスクールに通う生徒たち」の中から選ぶ。
 
 
③広く一般公募する。
 
 
という流れになると思います。もしかして②と③は順番が入れ替わるかもしれません。
 
 
なぜなら、役にピッタリ合った雰囲気の人を見つけることを最優先するなら、「すでにタレント養成スクールに通っている人」の中から探そうとするよりも、一般から広く集めた方が数的に有利だからです。
 
 
 

タレント養成スクール生から選ぶリスク

さらに、タレント養成スクールの生徒の中から選ぼうとすると、K君やその仲間のような「10年以上通っても芽がでていない人達」も応募してくる可能性があります。
 
 
もちろん、芽が出ていない人の中にも実力者が埋もれている可能性はゼロではありません。
 
 
でも確率論で言えば、スクールに長く通っている生徒の中で「ダイヤの原石」に出会える率は低い気がします。
 
 
もしそんなに光る人がいたら、とっくにスクールの事務所が自社プロダクションに所属させているだろうからです。
 
 
となるとタレント養成スクール生徒の中から募集をかけるよりも、「一般公募でたくさん集めてその中からダイヤの原石」を見つける方が効率が良いような気がします。
 
 
そんなことを考えているうちに、僕は「スクールの掲示板の情報だけを頼りにするのは効率悪すぎ」だと改めて気付きました。
 
 
・・・つづく。
 
 
 
 

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