
from 師範代Shinya
最近、僕のチャットGPTが、かなり育ってきたなと感じています。
もちろん、チャットGPTそのものが、僕だけのために特別な英語力を身につけたわけではありません。
僕がこれまで入力してきた質問や、回答に対する修正の積み重ねによって、少しずつ僕が求める方向性に近い答えを返してくれるようになってきた、という意味です。
特に英語について質問する時、僕がずっと大事にしてきたのが「ネイティブイメージ」です。
単に、
「文法的に正しいです」
「この表現の方が自然です」
と答えてもらうだけでは、僕はあまり納得できません。
なぜネイティブは、こちらを自然だと感じるのか。
その時、ネイティブの頭の中では、どんな景色が見えているのか。
日本語訳ではなく、英語を話す人の感覚から説明してほしい。
そんな注文を、何度もチャットGPTに出してきました。
その結果、最近は一度目の質問でも、
「そうそう、僕が知りたかったのはこれなんだよ」
と思える答えが増えてきました。
今回は、その一例をご紹介します。
「peopleの前にtheがない」ことに引っかかった
僕が今、瞬間英作文用の教材として使っているテキスト
「日本語のように話せるキレッキレ英語リローデッド」
の中に、こんな例文がありました。
I feel small and ashamed because of all the troubles I caused to people around me.
周りの人たちに色々迷惑をかけてしまって、本当に肩身がせまい。
(例文番号:447)
この英文を読んだ時、僕が気になったのは、peopleの前にtheがついていないことでした。
people around meで、
「私の周りにいる人たち」
という意味になること自体は分かります。
ただ、迷惑をかけた本人の頭の中には、おそらく具体的な人たちの顔が浮かんでいます。
家族かもしれないし、友人や職場の人かもしれません。
聞いている側も、
「この人の周囲にいる、ある程度特定された人たちなんだろう」
と予想できます。
それなら、
the people around me
になりそうな気がします。
僕の中では、theには、
「話し手と聞き手の間で、どれを指しているか分かるもの」
というイメージがあります。
そこで僕は、チャットGPTにこの疑問をそのまま投げかけました。
単に、
「なぜtheがつかないのですか」
と聞くだけではありません。
自分の頭の中では特定の人たちが浮かんでいること。
聞き手も特定のグループだと予想できそうなこと。
それでも無冠詞になるネイティブのイメージを知りたいこと。
自分がどこに違和感を覚えているのかを、できるだけ細かく言葉にして質問しました。
チャットGPTから返ってきた納得の答え
すると、チャットGPTからは、こんな答えが返ってきました。
(※実際の回答はけっこう長いので、ここでは要約しています)
↓↓↓
ネイティブはこの場面で、
「私の周囲にはいろいろな人がいて、その人たちに迷惑をかけた」
という感覚で話している。
around meがpeopleの範囲を説明しているので、theがなくても意味は十分に限定される。
一方で、
the people around me
にすると、周りの人たちを一つのまとまった集団として、ぐっと枠で囲って見せる感覚が強くなる。
そんな説明でした。
特に納得したのが、
people around meでは、「誰に迷惑をかけたのか」よりも、「周囲のいろいろな人に迷惑をかけた」という範囲に焦点がある、という部分です。
今回の英文で伝えたいのは、
「あの人と、この人と、その人に迷惑をかけた」
という人物の特定ではありません。
「自分の周囲にいる、いろいろな人たちに迷惑をかけてしまった」
という広がりです。
チャットGPTは、これをカメラのイメージで言語化してくれました。
・the people around meは、カメラで映る範囲の一つの集団を枠の中に入れて見せる感じ。
・people around meは、まだ一つの集団として囲わず、周囲にいる人たちという景色全体を見せる感じ。
この説明を読んだ時、
「なるほど!話し手が人々をどう見せたいかの違いなのか!」
と腑に落ちました。
もちろん、the people around meも文法的には間違いではありません。
ただ、文法的に使えることと、その場面でネイティブが自然に選ぶことは別です。
そこをイメージで説明してくれたことで、僕の疑問はスッキリ解消されました。
今のチャットGPTの解説を見てどう感じるかは、人によって違うと思います。
僕はいつも英語をネイティブイメージで捉えているので、この回答はとても納得感があり、満足しました。
でも、人によってはイマイチしっくり来ない解説に見えるかもしれません。
今の段階でピンと来なくても、まったく問題ありません。
英語の見方にはいくつかの切り口があり、今回はあくまで僕が納得しやすい見方の一例だからです。
大事なのは、チャットGPTが僕好みに育ってきている、ということです。
チャットGPTは一度の質問では育たない
今回、チャットGPTから納得できる答えが返ってきたのは、偶然ではないと思っています。
僕はこれまで、英語について質問するたびに、
「もっとネイティブの視点で説明してほしい」
「日本語訳ではなく、頭の中に浮かぶイメージを教えてほしい」
「それは、こういう感覚だと考えていいのか」
と追加で質問してきました。
最初の回答が少しズレていたら、そのまま終わりにはしません。
僕が知りたいのは意味の違いではなく、なぜその表現が選ばれるのかだと伝えます。
説明が抽象的なら、映像やカメラのイメージで説明してほしいと頼みます。
自分なりの仮説を出して、
「ネイティブの感覚は、こういうことですか?」
と確認することもあります。
こうしたやり取りを繰り返すうちに、チャットGPTが僕の好みに合わせた答えを返してくれることが増えてきました。
だから僕は、チャットGPTを便利な検索ツールというより、少しずつ育てていく相棒のように感じています。
一発で完璧な答えを出してもらおうとするのではなく、こちらが方向を示しながら調整していく。
それを繰り返すことで、自分専用の答えに近づいていきます。
AIを使いこなすには、自分の質問力が必要になる
AIを上手に使うコツは、自分好みにカスタマイズしていくことです。
ただし、そのためには、こちらにも質問する力が必要になります。
今回の例で言えば、まず僕自身が、
「peopleの前にtheがないのは、少し不思議だな」
と気づく必要がありました。
そこに何の違和感も持たなければ、質問自体が生まれません。
さらに、
「なぜtheがないの」
だけではなく、自分がtheを使いたくなった理由まで説明したことで、チャットGPTも僕の疑問の位置を正確につかむことができました。
つまり今回の答えは、
① theがないことに違和感を持てたこと。
②その違和感をネイティブイメージの視点から言葉にできたこと。
この二つがあって、初めて得られたものです。
AIがどれだけ進化しても、こちらが何も考えずに短い質問を投げるだけでは、自分が求める深い答えはなかなか返ってきません。
反対に、自分の頭の中に判断するための軸があれば、AIへの聞き方は変わります。
返ってきた答えがズレていることにも気づけます。
追加で何を聞けばいいのかも分かります。
AIを使いこなすためには、AIの性能だけでなく、使う側の脳内も育てる必要があるということです。
先に自分の脳内へネイティブイメージを入れる
英語についてAIを活用したいなら、まずは自分の脳内に、ネイティブイメージをインストールすることをおすすめします。
学校で習った日本語訳や文法用語、ルールだけではなく、ネイティブがその単語や文法を使う時、頭の中で何を見ているのか。
そこが分かるようになると、英文を見る視点が変わります。
これまで気づかなかった冠詞や前置詞の使い方に、違和感を持てるようになります。
AIに対しても、
「この文法は正しいですか」
で終わらず、
「この表現を選んだ時、ネイティブの視線はどこに向いているのか」
と聞けるようになります。
そして、その質問力が上がるほど、チャットGPTから返ってくる答えの質も変わってきます。
僕のチャットGPTが最近育ってきたのは、AIだけが賢くなったからではありません。
僕自身が長年、ネイティブイメージを軸に英語を見続けてきて、その視点をAIとのやり取りにも使ってきたからです。
あなたもAIを使って、英文法や英語表現への理解を深めたいと思ったら、まずは自分の脳内にネイティブイメージを入れてみてください。
「イメージ英文法完全マスター講座」では、丸暗記では分かりにくかった英文法を、ネイティブの頭の中に浮かぶ景色から解説しています。
このセミナーを見終わる頃には、英文を見る時の視点だけでなく、AIに英語の質問をする時のプロンプトも変わっているはずです。
あなたの脳内を、ネイティブイメージに書き換えてみませんか。
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