【幼児が母国語を身に付ける流れ:娘の観察日記③】

from 師範代Shinya

(→前回のつづき)

※2才の娘が日本語を習得する過程を観察した内容のシェアの続きです。

「名詞+だよ。」

「名詞+だね。」

の2パターンが使えるようになった後、娘はついに動詞を含んだSV~の方を覚え始めました。

第一段階として、

「パパがいるよ。」

「花があるよ。」

というように、英語で言うところの 「be動詞」を使えるようになりました。

There is Papa.

There are flowers.

の日本語バージョンです。

ちなみに娘は、僕の前で僕を指さしながら、

「パパがいるよ!」

と大きな声で言います。

「人+いるよ。」の構文は、第三者に対して使う、という部分まではまだ理解していないようです。

このあたりのニュアンスをどうやって教えるのか?
とてもムズカしいです。

自然に覚えていくものなのか?親や先生から指摘されて覚えるものなのか?分かりません。

僕は、今はとりあえずあまり指摘せずに、自由に話させて様子を見るようにしています。

新しい言語表現をどんどん覚えている今の時点で、あまり「それはダメ」「これもダメ」と制限をかけてしまうと、記憶に良くないような気がするからです。

英語学習と同じように、まずは細かいことを気にせず色んな表現を覚えて、後から使い分けを学ぶ方が良いと思っています。

最近は be 動詞が進化してきて、

「なんか落ちてる。」

という表現まで使えるようになりました。

家の床に置いてあるアイテムを片っ端から指さして、「何か落ちてる。」と言いながら拾い上げ、僕の所によちよち歩いてきて、「はい、どーぞ!」と笑顔で渡してきます。

もちろん、断ることはできません。

同じ作業を何度も繰り返すため、僕の机の上にはアイテムが山積みになっていきます。

一般動詞が使えるように

be動詞の次の段階として、一般動詞も使えるようになってきました。

①「バナナ食べる~!」

②「公園行く~!」

③「ブランコやる~!」

といったように、主語+動詞のシンプルな構文です。

英語にすると、

①I want to eat banana!

②I will go to the park!

③I want to go on the swing!

になります。

日本語が便利だなと思うのは、主語をモノにできるため、構文がラクになることです。

英語の場合、

①SVO

②SV

③SV

というように、文型が違います。

でも、日本語の場合はすべて同じ文型っぽく言えてしまうのです。

①「バナナ食べる~!」

Banana eat!

②「公園行く~!」

Park go!

③「ブランコやる~!」

Swing go on!

みたいに、英語に直訳したら通じなさそうな語順で言っても、日本語だと通じます。

しかも、これらは赤ちゃん言葉というわけでもなく、大人でも普通に日常会話で使う構文です。

日本語というのは本当に、英語とまったく共通点がない言語だなぁ~と改めて感じます。

習得の順番が同じ?!

僕は娘の日本語の習得の順番が面白いなと思いました。

他の赤ちゃんはどうか分かりませんが、少なくとも娘は、名詞のみを言うステージを卒業後、英語で言うところの、

①第2文型(be動詞を使った文型:いる&ある等)

↓↓↓

②第1&第3文型(do動詞を使った文型:する&やる等)

という順番で文型を覚えました。

中学校の英語の授業でも、

This is a pen.

から教え始めます。(今はさすがにもう、 pen は使われていないと思いますが)

I am a student.

He is my brother.

これらはすべて、第2文型です。

それから次に、

I have a pen.

I go to school.

などの、do動詞(一般動詞)の構文を教わります。

これはおそらく、日本語の習得の順番と合わせているのかもしれません。
日本人にとってはそれが一番自然だと感じるから、というロジックです。

でも、僕は個人的には英語を be動詞から学び始めるのはあまり良い方法ではないような気がしています。

なぜなら、 be動詞は主語によって is, am, are と3種類も変化します。

しかも、単数複数によっても変わります。

ルール的には、日本語と違ってとても複雑です。

それを中学で一番最初にやったら、みんな「うぇっ!英語ってムズカしい・・・」と感じてしまうのではないでしょうか。

そんなことを感じました。

 

・・・つづく

 

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