From 師範代Shinya(新村真也)
日曜の朝6時。まだあたりが薄暗い。ロータリーの前に止まっているバスに乗り込むと、すでにたくさんの人たちが座っている。
ここは、カナダのバンクーバー。
留学中の僕は、毎週日曜日に開催されている「日帰りバスツアー」に初めて申し込みました。
僕の通っている語学学校は、旅行会社と連携していて、学校のビルの中に、トラベルエージェントがいる部屋があります。
そこでは、放課後のちょっとしたバスツアーや、週末の日帰りツアーにいつでも申し込むことができます。
今日は、丸1日かけてバンクーバーのエリア内の観光地を巡る、バスツアーに参加しました。
僕が一緒に参加したのは、南米系のクラスメイト。
ここには、
僕の隣の席に座ったのは、同じクラスメイトでブラジル出身の19才の女性です。名前は、アマンダ。
アマンダの外見は、金髪で、ハッキリした目鼻立ちに、目の色は青みがかった薄いグレー。まるでカラコンをしているみたいに見えます。
後ろの席で大騒ぎしているブラジル男性陣とは対照的に、アマンダはすごく落ち着いた雰囲気で、ゆっくりしゃべります。その大人っぽい雰囲気と風貌からは、とても19才には見えません。
そのルックスと落ち着きっぷりから、海外生活初体験の田舎者の僕にとっては、声をかけづらく、これまであまり話したことがありませんでした。
でも、バスの中で隣に座った以上、話さないわけにはいきません。
実際に話し始めてみると、アマンダは小さな声でゆっくりしゃべるので、日本人的だなと感じました。僕にとっても彼女の話す英語は聞き取りやすく、ひと安心です。
19才ということが分かっていたので、てっきり大学生かと思いきや・・・なんと銀行員でした!!
ブラジルで一番大きな銀行に勤めているらしく、おそらく頭の良いエリートっぽいです。
異文化
ブラジルでは、日本のように、
「高校を出たらみんなで大学へ行き、みんな同じタイミングで就活して、新卒で大企業の正社員になるのが正解」
というような、典型的な一般モデルというのはないらしいです。
高校を出たら、まず社会へ出て、自分が何に向いているのか?を働きながら確かめていくそうです。
そこで興味が持てるジャンルが見えたら、働きながら大学へ通ったり、長期休暇を利用して留学したりするらしいのです。
長期休暇は、年に1ヶ月~3ヶ月間くらい取れるらく、仕事をやめなくても留学できると言っていました。
いいなぁ・・・俺なんて、3ヶ月の留学のために、7年勤めた会社を一大決心で辞めてここに来たってのに・・・ずいぶん違う世界があったもんだ!これが、文化の違いってやつか!!
でもまあ、きっと「隣の芝は青い」状態なんだろうな・・・
と、しみじみ思っていたら、バスが止まりました。
バスから降りて気づいたこと
最初の観光地に到着したようです。みんなバスからゾロゾロと降りていきます。席は満員なので、ものすごい人数です。
どうやら、みんな同じ学校というわけではないようで、バンクーバー内の色んな学校の生徒が混じったバスツアーのようです。
外へ出ると、その中に日本人女性らしき人を発見しました。たぶん、大学生くらいでしょうか。日本人女性は、その人ひとりだけでした。
僕は最近、アジア人の中でも日本人を見分けることができるようになっていました。手の込んだメイクや、ファッションのテイストなどから、日本人ぽさがわかるようになってきたのです。
異国の男子から大人気!!
バスから降りると、おもしろい光景が広がりました。同じバスにいた留学生の男子たちが、次々とその日本人の女性に話しかけに行ったのです。
その女性は、どうやら女友達と一緒に来ているようでしたが、その友達は見た感じはヨーロッパ系の人でした。
そのヨーロッパ系の女性も、僕から見たらモデル級のルックスでしたが、男たちはこぞって、その日本人女性に群がっていたのです!!
アイドル
その後、バスが観光地スポットに止まって降りるたびに、男性陣はこぞって、その日本人女性と一緒にツーショット写真を撮りに行っていました。
バスに乗っている他の留学生の中には、モデル級のルックスを持つヨーロッパ系やブラジル系のブロンド髪の女性たちがゴロゴロいました。
でも、男性陣は彼女たちを無視して、日本人女性の周りに群がっていたのです。
観光スポットの前では、何人か「写真待ち」の男子たちが列をなしていました。まるで、アイドルの記念撮影会です!!
僕はこのとき、日本人女性の世界でのモテっぷりを、目の当たりにしました。
その後、写真を撮って大満足の男性陣と話したら、「日本人女性と一緒に写った写真を母国に持って帰れば、友達に自慢できる!留学のいい思い出ができた!」とうれしそうに言っていました。
スゴい!!なんという人気なんでしょう!!
バスの中でも
バスの中でも、男性陣はがんばってその日本人女性に話しかけていました。「コンニチハ!」とか、「アリガトウ!」とか、ベタなフレーズを連発して気を引こうとしています。
僕が日本人だと知っているクラスメイトの男子は、僕に、「彼女に日本語で話しかけて、こっちの席に連れて来てよ!」とせがみました。
でも僕はキッパリと断りました。
僕の中には、「鉄のルール」があったからです。
「カナダの地に足をつけている間は、母国語を封印する」
という約束を、自分自身にしていたのです。
こちらから話しかけない限り、むこうも僕が日本人だとは気づきません。
なので、ひたすら距離を置いていました。
最後の撮影会
夜になって、バスがターミナルに帰ってきました。みんなゾロゾロとバスを降ります。
すると・・・なんと!!
その日本人女性の周りに、また男子が群がっていたのです!みんなカメラを手に持っています。
どうやら、最後にもう一度ツーショット写真を撮って帰るつもりらしいです。
しかも、バスに乗っていたほぼ全員の男子(20人くらい)が、彼女の前に列をなしていました。
バスの運転手さんも苦笑いしています。
帰り道でバッタリ
僕はそのまま、バスから離れて家に向かいました。家までもバスです。ずっと座っていて同じ姿勢だったので、しばらく街中を散歩してから帰りのバスに乗ることにしました。
しばらく散歩した後にバスに乗り込むと、さっきの日本人女性が同じバスに乗ってきました。
僕と目が合うと、彼女はコクっと頭を下げて挨拶しながら言いました。
「お疲れ様です!」
(ぬぬっ!な、なぜ、俺が日本人だとバレたのだ?)
と思っていると、彼女が近づいてきて、言いました。
「日本人の方ですよね?さっき、クラスメイトのお友達が、『あそこにいる俺の友達は、日本人なんだ!』って言ってきたんで。」
あ!あの南米の男性陣のクラスメイトか!!おのれぃ!!
さすがに、こうなってしまっては、もう鉄のルールを守り通すことはできません。
日本人に日本語で話しかけられて、英語で返したら、不自然すぎます。しかも、もう自分の素性がバレているのに・・・
僕はあきらめて、明るく返事をしました。
「どうも!今日はお疲れ様でした!」
その後、僕らは少し自己紹介をして、彼女が大学生であることが分かりました。
そこで、僕は言いました。
僕:「それにしても、今日のモテっぷりはスゴかったですね!みんな写真待ちで並んで、芸能人並の人気じゃないですか!」
彼女:「あ、そうですね・・・なんか、本当にビックリしました。私、日本では全然男子にモテたことなくて、あんなことになって、ホントにビックリです!!」
僕:「なんか、南米には『日本人の彼女が欲しい』っていいう有名な歌があるらしいですよ。そのくらい、世界では日本人女性は人気があって、男たちからあこがれの的なんだって!」
彼女:「そうなんですか!いやースゴいですね!日本人女性って人気なんですね!」
僕:「僕のクラスメイトは前からそれは言ってたけど、今日は改めてそのことが証明されましたよ。他の学校の生徒たちも群がってたしね。」
彼女:「あんなにたくさんの男子に囲まれたのは初めてなんで、ちょっと怖くなって、最後の写真撮影は、途中で断って切り上げてきちゃいました。」
その後、僕らは別々のバス停で降りました。お互いに名前を教え合うこともなく、僕らは別れました。
世界で高まる日本人女性の需要
よく、女性向けの婚活戦略本には、
「婚活で行き詰まったら、世界に目を向けるといい」
と書いてあります。(僕はパートナーシップを学んでいるので、女性向けの婚活戦略本もたまに読みます)
実際に、「日本の婚活市場ではなかなか成果が出ていなかった女性が、休暇中の短期留学先で外国人のハンサムな年下男性と出会い、そのまま結婚したケース」などがよくあります。
僕は実際にそういうカップルに日本で何度か会って話したことがあります。
日本人の奥さんに馴れ初めを聞くと、「あんなに積極的に口説かれたのは、生まれて初めてだった」いう人が多いです。
外国人の旦那さんにの馴れ初めを聞くと、「こんなに美しい女性に出会ったは生まれて初めてだった」という人が多いです。
日本人女性は、世界的に見るとものすごいモテるというのは、どうやら事実のようです。
日本人男性の需要は?
じゃあ、日本人男性は世界で需要があるのかというと・・・残念ながら、あまり人気はないようです・・・
日本に住んだことのあるネイティブの女性から聞いた話では、日本人男性は、
・レディーファーストができない人が多い
・恋愛に積極的でない人が多い
・男らしいたくましさを感じる人が少ない
という点で、世界の恋愛の土俵では不利なのではないか?
と分析していました。
あくまで個人の感想でしたが、けっこう当たってる気がしたので、返す言葉はありませんでした・・・(^^;
もちろん、日本人男性で積極的な人もいるし、外国人の奥さんをゲットしている日本人男性もいます。
でも、「外国人男性と結婚する日本人女性」と、「外国人女性と結婚する日本人男性」の比率で言えば、明らかに後者の方が少ないように思えます。
つづく・・・
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