from 師範代Shinya
(→前回の続き)
※最近新しく発売された「パワー音読トレーニング」シリーズの本のレビューの続きです。
今回出たパワー音読シリーズのテキストは、3種類です。
初級=入門編
中級=英会話編
上級=ビジネス英語編
になっています。
それぞれのテーマに合わせた英文が収録されています。
この表記を見ると、おそらくこんな内容の英文が想像できると思います。
・入門編の英文=シンプルな中学英語
・英会話編=ABのやりとり英会話例文
・ビジネス英語編=ビジネスでよく使うお決まりフレーズ満載の例文
ところが、そんな典型的なイメージを覆す内容になっています。
なぜなら、著者は同時通訳者の横山カズ先生だからです。
カズ先生の著作は、「キレイごと抜きの実戦英会話」をコンセプトにしています。
そのため、一般的な英語テキストより骨太な内容になっているのです。
それぞれの英文の種類を解説していきます。
入門編の英文の特徴
パワー音読入門編のテキストに収録されている英文の特徴は、ひと言で表すと、「こなれている表現が満載」ということです。
英語上級者でも、おそらく日本語訳から再生して英語にした場合、この言い回しは出て来ないだろうな~という内容です。
だからといって、そんなにムズカしい英単語が使われているわけではありません。
「この言い回しは思いつかなかった!」と思わずヒザを打つような言い方が使われているのです。
これが英語で言えますか?
たとえば、以下の日本語を英語にしてみてください。
↓↓↓
結果が出始めたら、やる気はどんどん出てくるものだな。
どうぞ!
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正解は、
When the results set in, I get more and more motivated!!
です。
いかがでしょうか?
使われている英単語は基本レベルですが、この組み合わせで英文が口から出てくる人は、そういないと思います。
set in という熟語は、結果が出始める、何かが始まる時に使います。
でも、こういう使い方をするとは思いつかないのではないでしょうか。
実際に、カズ先生の解説パートにも、このように書いてあります。
↓↓↓
the results set in という表現は、直訳すると「結果が出始める」のようになり、日本語が母語の私たちには結構違和感があります。
この違和感こそが、見逃してはならない英語的な発想の存在を教えてくれています。日本語であれば、「結果が出る」というのが普通ですよね。
このような表現に出くわしたときに面食らわないように、音読して慣れておきましょう。
他の音読教材にはないコンセプト
こういった表現は、なかなか他の音読教材では見かけません。
普通の音読教材は、英単語や決まりフレーズの知識を増やすことを目的に作られているので、あまり凝った言い回しは出てきません。
でもこの本は、他の教材ではカバーしていない「英語的発想」が身に付くような表現を盛り込んであります。
そういう意味では、レベル1の入門編とはいえ、上級者でも学びが多いでしょう。
試しに、僕もこの本の表現を自力で言うことにトライしてみました。
この本をランダムにペラペラめくって、英文を見ないで日本語訳を見て、すばやく瞬間英作文してみたのです。
僕はカズ先生の著書「日本語のように話せるキレッキレ英語」を1周音読と瞬間英作文トレーニングで回しているので、ある程度はカズ先生流の「英語的発想」自体には慣れているつもりでした。
自分で瞬間英作文しながら、
「いや、この言い回しは、絶対違うはずだ。意味は通じても、英語的発想ではない。」
と分かりました。発想が違うのは分かるけど、じゃあ何て言えばいいか?と言われても、思いつかない!
という無念な思いの連続でした。
10文ぐらい試してみましたが、残念ながら全部ハズしました。
「意味として通る言い回し」と、「英語的な発想で自然な言い回し」の違いを、改めて痛感させられました。
正直、かなり手応えがあるテキストです。
パワー音読シリーズの中では入門編であることは間違いないのですが、他流派の人にとっては、レベル1で返り討ちにあう可能性が大です。
僕がやっていた空手の世界に例えると、「型を重視する伝統派の寸止め空手と、ノックアウトを重視するフルコンタクトの極真空手」ぐらいの流派の違いを感じます。(マニアックな例えですみません)
流派が違うと、勝手が違うものです。
ちなみに、カズ先生の英語流派は僕の中では「フルコンタクト空手」です。
・・・つづく。
今回ご紹介したパワー音読シリーズはこちら↓↓↓
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From 師範代Shinya(新村真也)
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