From 師範代Shinya(新村真也)
前回に引き続き、スマホの発音トレーニング用アプリをレビューします。
前回は日本製でしたが、今回は海外製です。
英語学習アプリは、世界中の人たちが学ぶ海外製の方がクオリティーが高いのか?
それとも日本人向けに特化した日本製が良いのか?
ひとつのジャッジ基準になる気がします。
このELSA Speakは、ベトナム出身の女性がアメリカに渡った時に、英語の習得に苦労した体験を元にして、アメリカで作ったアプリのようです。(登録したら創業者本人のVu Vanさんから、自身のストーリーを綴った英語のメールが来ました)
世界中の「ノン・ネイティブ」の人たちが、正しいアメリカ発音を学べるように作ってあるそうです。
前回レビューした「発音博士」はいかにも純日本製という雰囲気でしたが、今回はデザインからしてグローバルな雰囲気です。
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ホーム画面は、地球の上にいる宇宙飛行士の絵で、
「自分は今、地球規模で活躍できる人間になるために
英語を勉強しているんだ!」
という気分にさせてくれます。テンションアップです!
最初にアカウント登録が必要
このアプリを使い始めるには、最初にアカウント登録する必要があります。
前回の「発音博士」のように、ダウンロードしてすぐに使い始めることはできません。
そこがちょっと面倒です。しかも、使い続けるためには有料コースに登録する必要があるようで、最初の7日間がフリートライアル期間になっています。
最初の登録作業が少しハードルを感じました。とはいえ、Facebookのアカウントを持っていれば、すぐに登録できます。
最初に自分の国を「日本」で登録すると、フィードバックが日本向けにカスタマイズされると書いてありました。
本当か??まさか、和製英語やカタカナ発音などを考慮したフィードバックが来るとか?
いや、さすがにそこまでは無理でしょう。なぜなら、選べる国がものすごい数だからです。
英語圏以外の国はほとんどすべて入っているのではないか?というくらい、選択肢が多いです!
最初のテスト
登録が終わると、まず一番最初に、あなた自身の今の英語力(発音スキル)がどのくらいか?をジャッジするためのテストがあります。
これが、思った以上にハードで時間がかかりました。
5分程度で終わると書いてありましたが、問題数が多く、単語を読み間違えたり、読み飛ばしたりした時には録音し直したので、トータル10分以上かかりました。
最後は、テスト結果が出てきます。
練習スタート!
テスト結果が出て今のレベルが分かると、いよいよトレーニングが開始されます。
ここまでがけっこう長いです。
トレーニング自体は、「発音博士」と大きく変わりません。
出てくる英単語を読み上げて、録音された音声をコンピューターが分析して評価してくれます。
ただ、細かい点数は出ません。良く出来た時には、
Excellet!!
と出るだけです。
うまく発音出来なかったときには、赤文字で修正すべき箇所が表示されます。
「発音博士」との違いは、こっちはある程度まとまりのある文章の中での発音もジャッジしてくれることです。
この辺りは、カシオの電子辞書の「発音トレーニング」と同じ機能です。
わざとカタカナ発音をしてみると・・・
本当に日本人向けにカスタマイズされているのか?を試すために、わざとカタカナ語で発音してジャッジさせてみました。
前回の記事でお伝えしたように、カタカナ語発音は、母音を多めに入れて発音します。
「てーぶる」
すると・・・
Excellent!!
になりました。あれ??
続けてみます。
また
Excellent!!
が出ます。
おかしいな・・・
明らかに日本語っぽい発音にしているのに・・・
色々試して分かったのですが、どうやら発音ジャッジしている部分は、英単語全体の発音ではなく、色が変わっている部分のみのようです。
なので、たとえ他の部分が思い切り日本語発音だったとしても、ちゃんとそこの部分だけが言えていれば、Excelletが出てしまうようです。
う~ん・・・この辺りのジャッジ基準は微妙ですね。
日本人用 VS 世界基準
僕は今回、このあたりに「世界基準」の限界を感じました。
どうしても、世界基準でテキストや教材を作ると、目が粗くなります。世界中の英語学習者に向けて教材を作る以上、どうしても「最大公約数」を取るしかありません。
「すべての国の英語学習者に向けて作られた教材」
と、
「日本の英語学習者に向けて作られた教材」
を比べた場合、日本人にとって学びやすいのは、日本人向けの教材になるのは当たり前です。
僕は、カナダに留学していたときに、英語で書かれた世界向け教材を使って学んでいたので、その違いがよく分かりました。
今回のスマホアプリでも、そのことを実感しました。
僕個人の意見としては、「カタカナ発音をExcellentと評価してしまう」という一点が、かなりのマイナスポイントでした。
スマホアプリの持つ可能性
以上、2回に渡ってスマホの発音トレーニングアプリをレビューしてきました。
以前の記事でもお伝えした通り、スマホにはネットやSNSの誘惑が多いため、僕自身は英語学習に集中する環境を作りづらいと感じます。
ただ、スマホにしかできないこともあります。それが、今回のような「発音トレーニングアプリ」です。
昔のスマホ学習アプリは、「音声と文字が同時に流れてリスニングや音読練習や英単語の練習ができる」といったものがメインでした。
ぶっちゃけ、市販のテキストの内容とCDデータをスマホ1台に集約して使うようなイメージでした。
でも、発音トレーニングのような「自分の声を録音してコンピューターにジャッジさせる」みたいな芸当は、スマホにしかできません。
発音トレーニング用アプリは、「音が出る」「音を録音する」という2つの機能があるハードでなければ実現できません。
もちろん、英語学習に特化した電子辞書には及ばないとは思いますが、今後どんどん進化していく可能性という面では、スマホの発音トレーニングアプリは期待できるかもしれません。
また何か良さそうなものを見つけたら、レビューしますね。
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