【高卒の40代男性が英単語帳DUOの例文を全文暗記した結果、人生が変わった体験談⑦】

from 師範代Shinya

(→前回の続き)

※DUOセレクトで人生が変わった「藤岡頼光さん」の著書のレビューの続きです。

今回は、頼光さんの本の中にも紹介されていた「反復練習の効果」についてお伝えします。
英語の習得は、スポーツの習得と似ています。

頭で理解したことを、何度も反復練習することによって、無意識に正しいフォームで動けるレベルまで落とし込むのです。

その反復練習は、「英会話」ではなく、「例文の声出し練習」です。

英会話は、スポーツで言えば試合と同じ立ち位置になります。

相手がいて、お互いに技を出し合うのです。

試合中に相手がどんな技を出してくるかは、分かりません。

試合はランダムな要素が強いので、「1つの文型だけを徹底的に練習して刷り込む」ということはできません。

だから、試合だけを繰り返しても、上達は見込めないのです。

一方、例文の声出し練習は、スポーツで言えば「素振り」に相当します。

素振り(音読)を繰り返して、身体に刷り込んでいき、無意識レベルでパッと例文が口から出るところまで持っていけば、試合(英会話)の中で正しいフォームで出すことができます。

つまり、相手に通じる英語が話せるのです。

素振りで意識することは、

①英単語の並び

②発音(個々の英単語のつながり)

の2つです。

この2つのうち、どちらが欠けても相手に通じにくくなります。

そして、この2つを習得するためには、徹底的な反復練習が欠かせないのです。

反復練習のパワー

ちなみに頼光さんは、DUOセレクトの英文を10ヶ月間かけて毎日音読し、377本の英文を暗記したそうです。

1日の素振り時間の平均は2時間。

1ヶ月30日×10ヶ月=300日

1日2時間×300日=600時間

DUOセレクトの例文を覚えるのに、600時間を費やしています。

1例文あたりに費やした時間は、1時間半です。

これを多いと取るか、少ないと取るか?

僕が英語学習を始めたばかりの頃にこれを聞いたら、「多いな~!」という印象を持ったでしょう。

そして今は、「やっぱそのぐらいが妥当な量だよな~」という印象です。

僕自身も、DUO3.0のテキストを仕上げるにあたり、トータルではそのぐらいの時間を投入した記憶があります。

音読(シャドーイング、オーバーラッピング、素読み)で3周回した後、瞬間英作文トレーニングで仕上げました。

瞬間英作文トレーニングをしている時期は、ちょうどカナダにビジネス留学していたタイミングと重なっていたので、例文を丸ごと会話の中で使う機会がたくさんありました。

それもまた良かったんだと思います。

無意識レベルで繰り出せるようになる快感

反復練習を繰り返すなんて、つまらないのでは?と思いがちです。

でも、これが実際にやってみると違います。

徹底的に反復練習していくと、だんだん快感になってくるのです。

例文がスムーズに口から出るのが気持ち良くて、もっとやりたくなってきます。

頼光さんも本の中で、この反復練習の快感について触れています。

そして、英会話の中で無意識レベルで繰り出せるようになると、さらなる快感を味わうことができるのです。

これは、広く浅く色んなテキストをやっていては味わえない感覚です。

1冊を深く何度も繰り返していくからこそ、この領域を体験できるのです。

文法は後から派?先にやる派?

ちなみに、頼光さんは文法学習を後になってからやったそうです。

最初はDUOセレクトの英文をひたすら暗唱していって、文法はほとんど意識していませんでした。

ある程度例文が馴染んで文章全体がスムーズに口から出てくるようになってきたタイミングで、初めて文法を学びながら例文を分析する作業をしたそうです。

この時の先生は、日本人だったそうです。

文法に関しては、日本人の先生に日本語で解説してもらった方が、圧倒的に効率が良いです。

ネイティブの先生に英語で文法解説を聞いて理解するのは、かなりハイレベルにならないとムリだからです。

DUOセレクトの例文をある程度覚えた段階で、日本語で文法を解説してもらったら、スーッと頭の中に入ってきたそうです。

もし、最初から文法を勉強しようとしていたら、挫折していただろう、と頼光さんは振り返っています。

確かに文法は最初から学ぶよりも、例文を口に馴染ませてから学ぶ方が効率が良い、というのはよく分かります。

僕も自分が教える音読レッスンの中では、先にオーバーラッピングやシャドーイングで例文を口に馴染ませてから、その後に意味取り&文法解説の作業に入るという流れを取っています。

その方が、文法の解説が頭に入ってきやすくなるからです。

ただ、僕の経験上、「どうしても先に意味を知りたくなってしまう。また、文法を頭で理解してからでないと、気持ち悪くて音読できない」という人も一定数います。

その場合は、ムリせず例文を先に精読して、意味や文法で分からない部分を調べて、スッキリしてから音読に専念するのもアリだと思います。

反復練習の5ステージ

反復練習で例文を身に付けて、最終的に「自分の言葉」として吸収し、自在にアレンジして使いこなせるようになるためには、4つのステージを通る必要があると感じています。

僕が考える「反復練習の5ステージ」は、この流れです。

ステージ①例文を口に馴染ませる(反復練習)

ステージ②例文を文法的に解析する(頭で理解する)

ステージ③文法を強く意識しながら音読する(反復練習)

ステージ④文法への意識がだんだん薄れてくる。その状態で音読する(反復練習)

ステージ⑤文法を強く意識しなくても、自分の言葉として口から出るようになる。アレンジも自在にできる。

この5つのステージは、実は僕が役者の学校に通っていた頃に学んだステップと同じです。

役者がセリフを覚えて、カンペキに自分の言葉として落とし込むまでには、この5つのステップを通ります。

①まずはセリフを覚える(表面的に暗記する)

②台本を読み込んで、セリフの背景にある状況や感情を読み解く。

③読み解いた感情や状況を強く意識しながら、セリフを読み上げる。

④セリフを思い出しながら話している実感が、だんだん薄れてくる。

⑤本番の時には、まるでそのセリフが自分の言葉として初めて発するような感覚になる。また、この領域になると、自然にアドリブを入れられるようになる。

このセリフ習得の流れと、英語の例文を自分のモノにするまでのステップは、すごく似ています。

同じように反復練習していても、このようにステージが変わるごとに習熟度が変わっていきます。

だからこそ、飽きずに楽しめるのです。

もしあなたが反復練習をしていて飽きてきてしまったら、この記事を読み返して、今自分がどこにいるのか?をジャッジしてみるのもオススメです。

また、頼光さんの本を読むことで、反復練習のパワーを感じることができます。

今回ご紹介した内容は、この本の中に入っているほんの一部分です。

他にも大人の英語学習で役立つ要素がたくさん詰まっています。

特に、タイトルにもある「捨てる」という発想が良いです。

足し算ではなく、引き算で勉強内容を絞っていき、1極集中で結果を出す方法が満載です。

一読の価値アリです。

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(完)

p.s.2024年2月2日に藤岡頼光さんとの対談セミナー(無料)を開催することになりました!ぜひ聞きに来てくださいね↓↓↓

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