from 師範代Shinya
※最近、新しく出た人気本のレビューの続きです。
もう1つ、僕がこの本を読んで「なるほど!」と思ったのは、
「英語の勉強の種類を4つに分けて、それぞれ均等に練習する」
という考え方です。
①インプット(無意識的)
②アウトプット(無意識的)
③知識の勉強(意識的)
④スラスラトレーニング(無意識的)
という4種類に分けて、1日の勉強時間をこの4種類に均等に割り振っていきます。
この種類のネーミングは、おそらく元の第二言語論の世界ではもっとムズカしい用語が使われていると思います。
そこで著者のあゆみ先生が、シンプルな名前にアレンジして書くことで、日本人読者にとって理解しやすく、記憶に残りやすくしているのが、この本の良いところです。
面白いのが、( )内に書いた「無意識的」「意識的」というジャンルの分け方です。
これは、文法や英単語を強く意識しながら勉強するか、あまり意識を持たずに勉強するかの違いだそうです。
普通だったら、インプットも意識的になりそうな気がしますが、ここでは「無意識的」になっています。
ここで言うインプットとは、英単語を覚えたり、文法ルールを知ることではありません。
1つ1つの定義を見てみると、
①インプット(無意識的)
文法や英単語に注目するのではなく、「内容」を理解することに意識を向けながら、聞いたり読んだりすること。
英語レベルを調整した本を読む「多読トレーニング」や、自分が興味のあるジャンルの映画や動画を見るのも、このインプットに含まれる。
②アウトプット(無意識的)
英語で日記を書く、英語で独り言をつぶやく、①の多読トレーニングで読んだ内容を、自分で要約しながら書いてみる、実戦の英会話をするなど。
これらのアウトプット練習中は、「内容を伝えること」にフォーカスしているので、文法や英単語は脳内で無意識的に探っている。
③知識の勉強(意識的)
英単語帳、文法ルール本を読む、構文の分析、発音の練習など。
学校で習う勉強は、このジャンルに分類される。
④スラスラトレーニング(無意識的)
一度読んだ英文を何度も読む、何度も繰り返し聞く、シャドーイング、同じトピックで何度も英会話する、など。
分かっていることを繰り返すことで、フレーズや言い回しが自動化されて、無意識レベルでまとまった英文が理解できたり、口からポンポン出るようになる。
スラスラ状態は、話せるという意味だけではなく、無意識レベルで読める&聞ける状態も入る。
という感じです。
文字数の関係上、上記は本の文章をそのまま引用したのではなく、僕の方で短く要約して書きました。より詳しく知りたい場合は、ぜひ本を読んでみてください。
ジャンルの分け方が面白い
僕が「なるほど!」と思ったのは、このジャンルの分け方です。
多読はインプットで、シャドーイングがスラスラトレーニングに分類されるというのが、目からウロコでした。
この本を読んで、インプットという言葉のイメージが、僕の中で変わりました。
インプット=意識的なトレーニング
というイメージがありましたが、第二言語論の世界では、無意識的なトレーニングに属するというのが、面白いです。
自分が興味のある英文で「内容」にフォーカスして読んだり聞いたりしている時には、確かに無意識レベルで文法や英単語を処理する率が高くなる気がします。
僕はふだんの英語トレーニングとは別に、すきま時間にYouTube動画で新型カメラやマイクなどのガジェットレビューを見るのが趣味です。
同じ製品でも、日本人ユーチューバーのレビューの視点と、海外ユーチューバーのレビューの視点はちょっと違っていたりするので、その違いが面白くて見ています。
たとえば、日本のユーチューバーがカメラのレビューをした場合、「人物撮影をすると、肌が白く透き通るような映りをする」とか、「自撮りをした時に、顔色がピンクがかって健康的に見える」といったフレーズを聞くことがあります。
でも、海外の黒人ユーチューバーからは、当然ながら「肌が白く透き通る」といった言葉は出てきません。
おそらく黒人の方々の間でも、顔色が良い or 悪いといった概念はあるとは思います。
ただ、少なくともカメラレビューの中で、肌の色を重視する発言はあまり聞いたことがありません。
代わりに、車の色がキレイに映るとか、部屋のカベの色が美しく見えるとか、自撮りの場合は、「自分が着ている服の色が鮮やかに映る」といった視点でレビューしている人が多い印象です。
海外ユーチューバーのレビューを見ることで、1つの新型カメラの価値を「世界の視点で多角的に見れる」という面白さがあって、僕は定期的にYouTubeを英語で見ています。
この時には、内容にフォーカスしているので、確かに文法や英単語にはまったく意識が向いていません。
これが、この本で言うところの無意識的なインプット学習になると思います。
・・・つづく。
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