【3年ぶりの服の買い物体験②様変わりしたリアル店舗】

（→前回のつづき）

マジックショーで着るための衣装のテーラードジャケットが痛んで着れなくなったことに気付いた僕は、すぐに新しい服を探しに行かなければなりませんでした。

マジックショー自体はまだ1ヶ月以上先ですが、服はできるだけ早めに手に入れておく必要があります。

なぜなら、練習する時に、「ジャケットに付いているポケットの位置や深さ」などを身体に覚え込ませる必要があるからです。

マジシャンは、手元を見ないでお客さんとアイコンタクトを取りながら、ポケットからアイテムを出したり隠したりする動きをします。

その時に、ちょっとでもモタついてしまうと、怪しく見えてしまうのです。

そのため、新しいジャケットを買った時には、できるだけ早めにそのジャケットを着て練習して、身体にポケットの位置を覚え込ませる必要があります。

試着しないと分からない

マジックショー用の服は、実際に試着してみないと、使いやすさが分かりません。

オンラインで買うのは難しいです。

そこで、久しぶりに新宿のマルイに行って、テーラードジャケットを探すことにしました。

「販売員のいるリアル店舗」で、服の買い物をするのは3年ぶりです。

僕は、妻のサヤと一緒に、マルイのビル内のお店を片っ端から回ることにしました。

このビルは、メンズ服のみ扱っているという、珍しいお店です。

その分、メンズ服がたくさんあり、欲しいタイプの服が見つかりやすいというメリットがあります。

この店に行って、自分が欲しいタイプの服が見つからないことなど、ないと思っていました。

しかも今回の目的は、ベロアのテーラードジャケットをゲットすることです。

スタンダードな素材と、スタンダードな種類のアイテムなので、見つからないなんてことはまずない！と信じていました。

ところが・・・

ベロアのジャケットが全然ない！！

１階と2階のフロアを見てみましたが、ベロアのジャケットを売っている店は見つかりませんでした。

さらに、３階のお店を全部見ました。

それでも見つかりません。

さらに４階へ登って、全フロアのお店をチェックしました。

一着もありません！！

な・・・なにぃ～！！

もしやベロア素材のテーラードは、今は流行ではないのかもしれません・・・

それにしても、本当に一着も売っていないとは驚きです！

その代わりに、「革素材のライダースジャケット」がたくさん売っていました。

ライダースジャケットは、僕が３年前に同じマルイに来たときに、いくら探してもなかなか見つからなかった記憶があります。

あの時には、僕はお手頃価格の合皮素材のライダースが欲しかったのです。

でも、ライダース自体が１つも見つかりませんでした。

それが今ではどのブランドも、ライダース！ライダース！

年によって、売っているものがものすごく違います。

着る人が作る流行 VS メーカーに作り出される流行

僕が今まで見てきた限りでは、洋服の流行は、大きく２パターンあります。

①最初にオシャレな人々が自分で自由に選んで着始めた服を、マネする人の数が増えて、だんだん広まって流行になっていくパターン

②服のメーカーが「今年の流行素材＆アイテム」を決めて、色んなブランドが同じ素材とアイテムを一斉に作って、流行らせるパターン。

予測しづらいのは①のパターンなので、ビジネスとしてはやりづらくなります。

メーカーとしては、自分たちで主導権を握れる②のパターンの方が便利です。

たとえば今回の僕のショッピングのように、どの店に行っても、ラーダースジャケットばかり！という状況になれば、当然、お客さんたちは、

「今年はライダースがトレンドなのか！」

と認識します。

そして、店員さんもたくさん在庫を抱えているライダースを強くオススメするはずです。

「今年はライダースがトレンドなんですよ！」と。

でも、僕の感覚としては、「ライダースは３年前に欲しかった！！」という気分でした。

今はもう、ライダースには興味がありません。

今、僕が欲しいは、ベロアのテーラードなのです！

でも、ベロアのテーラードは、どのブランドも作っていないようです。

3年前には、ベロアのテーラードはたくさん見かけたのに・・・

なんてタイミングが合わないんだ・・・

しかも、もう1つの変化として、服の価格帯が全体的に上がっていることに気付きました。

僕が以前ベロアのテーラードを買った時には、素材にかかわらずテーラードの価格帯はだいたい1万5,000円～2万5,000円ぐらいの幅に収まっていました。

でも今は、素材にかかわらずテーラードの価格は最低３万円台～平均で５万円弱ぐらいになっていたのです！

これも円安の影響かもしれません。

材料費がかさんで、服が高くなっているのです。

しかも、自分が探しているベロアジャケットは一着も見つかりません。

せっかく久しぶりに新宿まで来たのに、何も成果を得られないまま帰る確率が濃厚になってきました。

暗雲が立ちこめたその時、救世主が現れました！

 

・・・つづく。