
from 師範代Shinya
社会人になってから英語をやり直そうと思ったとき、目に入りやすいのが「スパルタ式」という選択肢です。
1日何時間も勉強して、短期間で一気に英語力を伸ばす。
そんなキャッチコピーに、ちょっと心を動かされた経験が、あなたにもあるかもしれません。
でも、果たしてそれは本当に自分に合っているのでしょうか?
今日は、僕自身の講師としての経年も踏まえながら、スパルタ式のメリットとデメリット、そして僕が提案したい「自然に続く仕組み」の学び方についてお話しします。
スパルタ式のメリット:短期集中では確かに強い
スパルタ式でよくあるパターンは、
・コーチがついて、1日のスケジュール管理をされる。
・1日あたり4〜6時間以上勉強する。
・計画通りできていないと、お尻をたたかれる。
という流れです。
期間は3ヶ月〜6ヶ月ぐらいが多く、長くても1年程度です。
スパルタ式には、魅力的なメリットがあります。
1. 短期間で成果が出やすい
1日4〜6時間以上の英語漬け生活を毎日すれば、文法や単語の知識は一気に蓄積されます。
特に、TOEICなどの「知識を問われる試験」 の対策にも向いています。会社からの命令で、「期限内に決められたTOEICの点数をクリアしないと降格になる」といった、切羽詰まった状況では、スパルタ式は有効です。
僕自身も、こういった切羽詰まった状況にいるビジネスマンの方々に向けて、「短期間でTOEICの点数をアップさせる半年コース」の講師をした経験があるので、よく分かります。
2. 強制力が働く
宿題量や課題の多さ、講師からのフィードバックが強い緊張感を生み、「やらなきゃ」という空気が自然と行動を促します。
僕も上記のTOEICクラスでは、「厳しくして欲しい」という受講生の方々のご要望にお応えして、ビシバシお尻を叩いていたことがあります。
3. 集中環境を作れる
日常の雑音から離れ、英語にどっぷり浸かれる期間は、やる気のある人にとって貴重です。
短距離走のように、一気に走り切ることが得意な人にとっては、スパルタ式は大きな武器になります。
実際にこのスタイルが合っているなんだなぁ〜と感じる人も、一定数見てきました。
スパルタ式のデメリット:長くは続かない落とし穴
一方で、スパルタ式にはやり直し英語組にとって致命的な弱点があります。
1. 生活との両立が難しい
仕事や家庭の用事でペースが乱れると、元のペースに戻れないケースが多いです。中には、最初から割り切って、「目標点数を取れたら、スパッと英語の勉強はやめます」と宣言する人たちもいます。
コースに通っている期間中だけ猛勉強して、しっかり目標を達成したら、宣言通りに英語の勉強から完全に離れるパターンも、僕は何度か見てきました。
でも、短期間で入れた記憶は、その後完全に離れてしまうと、抜けるのも早いです。
その後さらに高得点が必要になって戻ってきた時に、また前のステップに戻ってやり直す必要があるケースも多かったです。
2. 心理的プレッシャーが大きい
「やらなきゃ」という義務感が強く、気持ちが下がると一気にブレーキがかかります。そのブレーキは、燃え尽きのような心理的なものだけではなく、身体にも来ます。
僕の経験では、ストレスから来る体調不良を訴える方もけっこう多かったです。
僕はこれまでに、過度な英語学習が原因で起こる頭痛、腹痛、食欲不振、睡眠障害など、色んな症状を見てきました。
体調が崩れると、勉強の効率も落ちます。
僕は以前は、スパルタ式で勉強している生徒さんたちの身体に症状が出たら、心理的なプレッシャーがどのぐらいたまっているかを確認するために、じっくりカウンセリングていました。
勉強メニューや時間を一時的に減らすなどの調整しながら、毎週症状の変化を報告してもらうことで、経過観察をしていました。
まるで心療内科医になったような気分だったのを覚えています。
3. 止まったら終わりになりやすい
設計が「走り続けること前提」なので、中断からの復帰が難しく、挫折感だけが残ってしまうこともあります。
僕の経験上でも、「最初は頑張れたけど、体調を崩して3週間休んだら、そのまま連絡が取れなくなって、フェードアウトしてやめてしまった」という方が少なくありません。短期集中型は、日常生活との相性が悪いのです。
4.「英会話の力を伸ばす」という点では、成果を感じにくいこともある
TOEICの点数アップが目的ではなく、英会話の力を伸ばしたいという目的の場合、スパルタ式だと成果を感じにくいこともあります。
英会話は身体に刷り込んでいくスキルなので、短期間で一気に詰め込むことで身につくジャンルではありません。
もちろん、すでにある程度の下地になる知識やスキルが備わっている状態から始めた場合は、短期間で英会話力の伸びを経験する方もいます。
ただ、多くの場合はスパルタ式は「知識偏重型」の勉強になりがちです。
大人のやり直し英語に合うのは「自然に続く仕組み」
そんな経験を長年する中で僕がたどり着いたのが、「自然に続く仕組み」です。
これは、やる気や根性に頼らず、日常の流れに溶け込むように英語学習を習慣化する方法です。
・無理のないペース設定
1日15分からでもOK。忙しい日や旅行中でも続けられる学び方。
・やることが決まっていて迷わない
「今日は何をやろう?」と考える時間をゼロにして、すぐ取りかかれる状態にします。
・中断してもすぐ戻れる
復習日やリセット日があるから、ブランクがあってもスムーズに復帰できます。
・学習が楽しい設計
「言ってみたい英文」や「気持ちのいい音読」が自然にやる気を引き出します。
この仕組みがあると、「勉強しなきゃ」ではなく「気づいたらやっていた」という状態が生まれます。
そして、その積み重ねが「続けられる自分」という自己肯定感にもつながります。
英語は走り切るより、歩き続ける方が遠くに行ける
スパルタ式は短期集中で成果を出したい人には向いています。学生のように、受験の期限が決まっている場合も有効です。人は締め切りがあると、多少の無理もききやすい性質があるからです。
ただ、「大人のやり直し英語の視点」で見ると、スパルタ式はリスクも大きいです。
目的が英会話の場合も、ムリした割に成果が感じづらいと、自己嫌悪になってしまうこともあります。
英語学習で本当に大切なのは、「短期間で結果を出す」ことよりも、「続けられる自分になる」こと。
「自然に続く仕組み」を手に入れれば、頑張らなくても日常の中に英語が根づきます。
無理に走り出すより、歩くように、呼吸をするように、自然に英語と付き合っていく。
その方が、気づいたら遠くまでたどり着いていますよ。
p.s.スパルタ式が苦手な方にオススメ!やさしく大人のやり直し英語を始められる方法をお伝えしています↓↓↓
—————————————
※このブログに読者登録をしていただくと、最新の記事を1日1回、メールでお届けします。読者登録はこちらをクリックしてください。
↓↓↓
From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
※もくじは、こちら
自己紹介は、こちら
コメントを残す