【中学校英語スピーキングテストの問題を解決する糸口⑧英検協会が参加したら最強】

 from 師範代Shinya

(→前回の続き)

※混乱している中学校英語スピーキングテストのニュース分析の続きです。

↓↓↓

英語の「話す力」なぜ必要? スピーキングテストを入試に導入する東京外国語大が「しゃべって初めて分かる」と力説すること (msn.com)

運営のベネッセが撤退が決まり、代わりにブリティッシュ・カウンシル(IELTSなどのテスト主催する団体)が運営に入ることが決まったことを、前回の記事でお伝えしました。

この先どうなるか分かりませんが、個人的に僕は、英検協会が運営協力したら最強では?と思っています。

今のところ、日本の英語教育を変えられる可能性が高いのは、英検協会だと思っているからです。

英検は次の4点で、中学英語スピーキングテストとの相性が良いと感じています。

①英検は2次試験のスピーキングテストを、日本で60年間に渡り実施している経験値とノウハウがある。

②英検の受験生の多くは、日本の中高生。

③英検の試験会場は、公立&私立の中学や高校などと連携して、実施している。

④英検は知名度が高く、保護者や学校教師たちからの信頼が厚い

日本の英語教育の歴史の中で、英検は60年前から「中学英語スピーキングテストの役割を代行してきた」と言っても過言ではないでしょう。

創立以来、60年の間に、きっとたくさんの失敗を経験し、受験者たちからの苦情も乗り越えてきたはずです。

これまで試行錯誤してきたノウハウを駆使すれば、今回の中学英語スピーキングテストの問題点を取り除きながら、うまく運営できると思うのです。

一方で、中学英語スピーキングテストは、去年誕生したばかりです。

ノウハウと実績が積み上がっていません。

最初からうまくいかないのは当然と言えます。

だからこそ、英検協会が参入してノウハウを提供すれば、生徒も保護者も納得するスピーキングテストが完成すると、僕は思うのです。

知名度がけっこう大事

もう1つ大事なのは、やはり知名度でしょう。

親や先生たちに知名度が高く、信頼と実績がある英検が運営に参加するとなれば、みんなの見方も変わる気がするのです。

特に学校組織は歴史が長いので、良い意味でも悪い意味でも、「守りの姿勢」の考え方をする人が多くなります。

これまでの慣習を変えるのが難しい組織の中で新しいことを始めるためには、少しでも逆風を抑える必要があります。

学校が最も恐れるのは、保護者からの苦情です。

保護者からの苦情が殺到すれば、先生達も反対側に回らざるを得なくなるでしょう。

と考えると、保護者からの反対を少しでも抑える必要があります。

そのために、やはり知名度のある英検が大きなメリットになる気がします。

今回、運営への参入が決まった「ブリティッシュ・カウンシル」を知っている保護者や先生は、ごくわずかでしょう。

IELTSを受けたことがある人しか、知らないと思います。

保護者と先生への知名度の点でも、英検の方が有利です。

ただ、中学校スピーキングテストは今すでに炎上している状態なので、わざわざ英検協会が自分から火の中に飛び込むメリットは、少ないと感じるでしょう。

ベンチャー魂が必要

表面的な利益だけを考えると、今回の中学英語スピーキングテストはデメリットが大きすぎます。

この混乱の中に飛び込んで、親や先生達のモーレツな批判を浴びながら、長期戦になることを覚悟で革命に身を捧げる。

それを実行するためには、損得勘定ではなく、「俺たちが世の中を変えるんだ!」という使命感が必要です。

そうなるとはやり、安定期に入っている大企業よりも、若い社員の多いベンチャー企業か、外資系企業が適任なのかもしれません。

西洋文化では日本に比べて、「リスクを取ってチャレンジすることが美学」という風潮があります。

だからこそ、今回の騒動の中で運営に参加したのが、外資系のブリティッシュ・カウンシルなのかもしれませんね。

他にも今回の騒動と外資系の相性が良い理由は、「文化の違い」と「言語のカベ」があるかもしれません。

・西洋文化では、そもそも反対意見があって当然だと想定しているので、日本企業に比べて、苦情の扱いに慣れている。保護者や先生たちの反対を恐れず、グイグイ進める可能性がある。

・運営の母体が海外にある場合、日本語で苦情を言っても、ブリテッシュ・カウンシルのトップ役員たちには、あまり伝わらない。

彼らは翻訳されたバージョンを読むので、日本人の経営者が日本語の苦情文を読む時ほどの精神的ダメージを受けづらい。

以上の点から、もしかしたらブリテッシュ・カウンシルが、この炎上中のテスト運営を引き継いだのかもしれませんね。

(僕が勝手に想像力を膨らませて考えた、超個人的な推測ですが)

日本は変化した後の調整が得意

ただ日本文化では、最初の変革は苦手ですが、その後自分たちにフィットするように調整していくのは得意です。

「最初はブリテッシュ・カウンシルがスピーキングテストを強引に推し進めて革命を起こし、定着した後から日本企業が参入して、より良くなるようにブラッシュアップしていく」

という流れが、日本にとっては一番やりやすいのかもしれません。

今後のスピーキングテストの動向に注目したいと思います。

(完)

—————————————

※このブログに読者登録をしていただくと、最新の記事を1日1回、メールでお届けします。読者登録はこちらをクリックしてください。
    ↓↓↓

 

 

From  師範代Shinya(新村真也)

やり直し英語達成道場 師範代)

※もくじは、こちら

自己紹介は、こちら

こちらですアップ

 

 

 

 

師範代Shinyaの書いた本

↓↓↓

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください