from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
「短期間で英単語の量が爆伸びするメソッドを使った英語テキストがある」
そんなウワサを聞いて、僕はさっそく手を出してみることにしました。
テキスト名は、
です。略して「刷り単」と呼ばれています。
僕はこの本のタイトルと拍子だけを見た時には、「語源学習法」の本かなと思っていました。
英単語のスペルをパーツに分けて、イラストで覚えるスタイルの学習法です。たとえば、
promotion = 昇進
という英単語を、
pro = 前
mote = 動かす
組織内で人を前へ動かすこと=昇進
というような覚え方です。
より覚えやすくするために、イラストが付いていることが多いです。
違う英単語の中でも、「pro = 前」という意味は変わりません。
一度覚えた語源は、別の英単語を覚えやすくしたり、知らない英単語の意味を推測するのに役立ちます。
僕は語源を覚えることで、ボキャを1万5,000語レベルまで増やして、英検1級に合格することができました。
以前にもご紹介した100万部突破のベストセラー「英単語の語源図鑑」は、イラストが豊富で、一般ウケして売れまくったテキストです。
語源学習法とはまったく違うアプローチの本
でも、今回の「刷り単」は、語源学習法とは全く違うアプローチを取っています。
イラストを使ってはいるものの、コンセプトそのものが違うのです。
本の帯には、
「1単語15秒で覚えられる」
と書いてあります。
さすがに、語源学習法を使っても1単語15秒はムリです。
また、語源学習法はどちらかというと、最初はじっくり時間をかけて語源パーツを覚えることで、後からじわじわレバレッジが効いてきて、ある一定ラインを超えると、急にボキャが増えていきます。
投資の世界で言えば、「複利効果」のような感じです。
そのため、TOEICなどの試験の直前対策には向きません。
でも、この本は複利効果を狙うのではなく、単発の取引で利益を取りに行く「投機」のようなアプローチを取っています。
どちらが良い悪いということはなく、場面と目的の違いです。
今まで僕は、投機的な短期間アプローチを取る英単語帳を見たことがなかったので、これは新鮮です。
記憶術のプロが作った本
この本「刷り単」は、英語の先生が書いた本ではありません。
記憶術の先生が書いた本です。
著者の2人の先生は、吉野邦昭先生と、永井堂元先生です。どちらも「短期間で記憶する手法」を専門にしています。
そして監修は、佐藤文昭先生。コピーライター兼、33社を経営するビジネスオーナーでもあります。持っている会社の中には、TOEICの専門スクールもあるそうです。
コピーライティングは、「文章で伝える技術」を研究する学問なので、本を書くのには最適です。
この3人の先生たちが協力して作り上げた1冊が、「刷り単」なのです。
英語の先生には書けない発想の本
このテキストは、英語の先生にはおそらく書けないと思います。
というのも、「試験対策としてのみ機能する」ように割り切って作られているからです。
試験で求められるのは、「読んで意味が分かる英単語の数をできるだけ増やしておくこと」です。
普通に考えたら、1単語15秒で覚えられるなんてことは起こりません。
たとえ覚えたつもりになっていても、すぐに忘れてしまうでしょう。
でも、記憶術のメソッドを使いつつ、さらに「読んで意味が思い出せるレベルに絞って、その数を増やすこと」だけに特化していれば、実現可能なのです。
英語の先生であれば、どうしても「英会話で使える、本物の語彙力を身につける本」を書きたくなるでしょう。
また、英語の先生なのに、表面的な知識しか得られない本を出すと、批判されてしまうかもしれません。
でも、記憶術の先生が書いた本であれば、業界が違うのでそんなことは関係ありません。
そして、思い切り「試験で成果を出すこと」だけに特化した英単語学習に全振りすることができます。
その思い切りの良さが、この「刷り単」の魅力なのです。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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