From 師範代Shinya(新村真也)
ボイスレコーダーは、英語学習者にとって自分の発音を客観的にチェックできる便利なツールです。
録音した自分の声を聞くと、
「あれ?こんな声してたっけ?なんか違う人みたい・・・」
と、なんだか恥ずかしくなること、ありませんか?
自分がしゃべっている時にリアルタイムで耳に聞こえてくる自分の声と、録音したものを後から聞く声とでは、少し違います。
そしてそれは、英語の発音でも同じです。
自分では「俺の発音イケてる!」と思っていても、実際にボイスレコーダーに録音した声を聞いてみると、「あれ~?なんかイケてないな・・・」と感じることが多いです。
僕の感覚では、録音した声は自分で思っているよりも「3割減」で聞こえます。
特に、「イントネーションの強弱」は、自分で思っている以上に大げさにしないと、録音した声はネイティブ英語っぽく聞こえません。
自分では英語テキストのCDのネイティブ音声と同じくらい強弱をつけているつもりでも、実際に聞いてみると、日本語っぽく「平らな発音」に聞こえたりします。
僕も最初の頃は、ボイスレコーダーを買って自分の発音を録音した時に、けっこうヘコみました。
当時僕が通っていた英会話スクールのネイティブの先生には、
「Good pronunciation!」
(いい発音だね!)
とホメられることが多かったので、発音には自信があったのですが、実際に録音した自分の声を聞いてみたら、あまりにも「日本語っぽい発音」に聞こえたからです。
「2倍増し狙い」ぐらいがちょうど良い
そこで僕は、当時持っていた英語テキストのCDを何度も再生しながら、マネして発音した自分の声を録音し続けました。
何十回も自分の声を聞きながら、どのポイントになったらCDの発音に最も近づくのか?を研究してみました。
だんだん強弱を大げさにしていって、「こんなのあり得ないでしょ?」と思えるぐらい、わざと大げさに強弱を付けたりしました。
その結果、最初の頃よりも2倍増しぐらいの大げさなイントネーションの強弱をつけて発音した時、ちょうどCDのネイティブ発音と同じぐらいになることが分かりました。
あぁ、今までの発音はぜんぜん足りなかったんだな・・・
と気付きました。その後は、「自分にとって大げさすぎるぐらいが、ネイティブの耳にはちょうど良く聞こえる」という法則を発見しました。
そのことに気付かせてくれたのが、ボイスレコーダーでした。
ボイスレコーダーのメリット
僕が実際に10年間ぐらいボイスレコーダーを使ってみて感じたメリットは、大きく3つあります。
ボイスレコーダーに自分の話す英語を吹き込むことで・・・
①自分の今の英語発音を客観的に聞くことができる。
②自分の発音の上達を記録することで、後から比較できるので、上達実感を得やすい。
③昔の良い思い出になる。
です。①と②は先ほどお伝えしたとおりです。
そして、意外にも③はけっこう後になってから価値を感じます。
「つたない発音の英語を話す自分」を聞くのは、最初は恥ずかしいです。でも、何年も経って発音が上達してから聞き返すと、懐かしさがこみ上げてきます。
一度上達した発音は、元のレベルには戻りません。
自転車の運転と一緒で、最初は転びまくっていたのに、一度乗れるようになったら、こんどは転ぶ方が難しくなります。
発音も同じ感覚なのです。一度上達したら、昔の自分の発音には、戻れません。
だからこそ、昔の自分の「つたない発音」は、後になると懐かしい思い出として貴重な宝物になるのです。
僕の場合は、当時の英会話スクールのレッスンの最中に録音していました。(もちろん先生の許可を取っていました)
自分がクラスメイトと話す時の発音、ネイティブの先生と話すときの発音を録音して、後からチェックすると、色々な気付きがありました。
でも、10年後に振り返って聞いてみると、そこには、当時の「空気」が記録されていることに気付きました。
クラスメイトやネイティブの先生の声を聞いて、
「あぁ、この人たちは今頃、何やってるんだろうなぁ・・・」
と思ったり、
「あの頃は楽しかったなぁ!英語の習得に燃えてた自分の声だ!」
と、懐かしい気分になるのです。
そんな「自分の人生の一部を切り取った記録」が、ボイスレコーダーで記録した声なのです。
・・・つづく。
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