From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕がTOEICテストで満点を狙うのをやめて、「自由に英語を使いながら生きる」と決めた頃のストーリーの続きです。
僕は、「英語テストで良い点を取ろう!」とする姿勢を捨てたことで、それまでひたすら走り続けていた状態から、立ち止まることができました。
立ち止まると、色んなことが見えるようになりました。
高い英語力を追い求め続ける心の状態は、「買い物中毒」に似ていると思います。
「買い物中毒」にハマって「もっと良いモノ」を探し求めていると、なかなか充足感を得ることができません。
僕はよく、自分が気になる商品を買うかどうするか?迷っているときに、YouTubeのレビュー動画を参考にしています。
商品名を検索すると、同じ商品をたくさんのユーチューバーが魅力的にレビューしている動画がたくさん見つかります。
特にその中でも熱くレビューされているのは、カメラなどの撮影機材です。
無限ループ
ユーチューバーの方々を見ていると、人間の買い物の心理が分かりやすく見えてきて、面白いです。
たとえば、ある人が3万円のデジカメを買ってレビューしている動画を見たとします。
その人は、画面の中では大満足している様子で、「これからは、これを使ってガンガン動画撮っていきます!」みたいなことを言っています。
ところが、それから1ヶ月もたつと、もう次の新しいカメラを買ってレビュー動画を上げていたりします。
話を聞いていると、「前に買ったカメラの、こことここがイマイチ気に入らなくて、それを解消してくれる最強カメラが、これなんです!!」
と言いながら、今度は5万円のカメラをレビューしています。
その2ヶ月後、今度は10万円のカメラをレビューしていたりします。
さらにその3ヶ月後、今度は30万円のカメラをレビューしたりしているのです!!
まさに無限ループです!!
僕もこのパターンにハマったことがあるので、よく分かります。
「もっと良いもの」を探し求めていると、おそらくいつまでたっても自分に完璧にフィットするアイテムに出会うことはありません。基本的に、どんなモノでも一長一短あるからです。
逆パターンもある!
では、最初から完璧に満足できる「一番高い最高のモノ」を買った場合はどうでしょうか?
それでもやっぱり、この無限ループからは抜け出せないのです!
「最高に値段の高い、最強のカメラ」を買った人が、今度は反対にダウングレードして、安いカメラを買い始めるケースをよく動画で見ます。
理由は、
「高いカメラは機能が多すぎて使いこなせない。自分の身の丈に合ったものが一番良い。」
「機能が良いカメラは、どうしても大きくて重くなる。自分のライフスタイルではもっと軽くて小さくて手頃なカメラの方が良い。」
といったものです。ここでも「無限ループ」が存在します。逆パターンでも同じ現象が起こることがあるようです。
上位モデルにアップグレードしていくパターン、下位モデルにダウングレードしてくパターン、どちらにも共通することがあります。
それは、「足りない部分に目を向け続ける」という姿勢です。
英語力にも無限ループが!
僕は、英語力にもこの「無限ループ」が存在すると思います。
今までの僕が、まさにそうでした。
TOEIC900点を超えた後は、英検1級を取りたい!と思いました。
英検1級を取った後は、TOEIC満点を取りたい!と思いました。
TOEIC975点まで取ったものの、満点まであと15点の差を埋めたくて、多くの時間をTOEIC問題集を解くことに費やしていました。
でも、この「無限ループ」から抜け出さない限り、僕は永遠に満たされることはないだろう、と気付いたのです。
もしここでTOEIC満点を取ったところで、まだまだ上を探させばキリがありません。
・次はTOEIC満点連続○○回を目指そう!
・次は国連英検特A級を目指そう!
・次はTOEIC SWテストで満点を目指そう!
・次はTOEFLで満点を目指そう!
・次は国家資格の通訳ガイド合格を目指そう!
などなど・・・キリがありません。
今、持っているものに目を向ける
これを逆転させると、「今、持っているものに目を向ける」ということになります。
今、持っているものに目を向けると、「これをどう使えば、理想の結果が得られるか?」という方向に頭を使うようになります。
「もっと良いモノを探すこと」に使っていた脳のパワーを、「今持っているモノをどうやって最大限に活かすか?」に変えるだけで、大きな変化があるのです。
僕は自分の英語力に対しても、そう考えるようになりました。
自分が持っている英語力を最大限に活かして、何ができるだろう?
自分の今の英語力で、どんな風に人生を楽しむことができるだろう?
と考えるようになったのです。
・・・つづく。
コメントを残す