From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
前回の記事では、僕が今まで経験した「英語を使うシチュエーション」のうち、最も高い言語処理能力が要求されるのは「日英同時通訳」ということをお伝えしました。
日本語と英語という、まったく文法ルールの違う言語を瞬時に行ったり来たりするのは、ものすごい疲れます。
僕はよく海外のプレゼンター(マジシャンや心理学者、ビジネスリーダーなど)のセミナーに参加することがあります。
たまたま隣り合った席の英語ができない人から、
「英語できるんですか?スゴいですね!じゃあ、このセミナーを同時通訳してください」
みたいに軽く言われることがあります。
でもこれが、日本人の一般的な認識だと思います。
「英語と日本語が話せる人=同時通訳もできる人」
という感じです。
プロの世界のルール
よく、トップのプロの同時通訳の世界では、何人も同時通訳者が待機していて、交代しながら作業していきます。
1人が連続して10分以上同時通訳をすることはないそうです。
僕がこれまで参加した、「海外の各界のリーダーがやって来て登壇する、丸一日セミナー」では、同時通訳者は必ず2人はいました。
そして、30分ごとに交代しながらやっていました。
プロでもそのぐらいの時間がマックスだという証拠です。
スゴい同時通訳者との会話
僕が以前参加したセミナーで、2人のアメリカ人女性のビジネスリーダーがステージ上でやりとりするのを一人の同時通訳者が訳しているのを見ました。
同時通訳者も30分交代で進めるために2人いたのですが、そのうちの一人の若い女性が圧倒的に通訳スピードが速くて、驚きました!
ステージ上のアメリカ人女性が話し終わるとほぼ同時に、日本語の同時通訳を完了していることも何度かあったのです。
ある程度英語をやっている人なら分かると思いますが、英語と日本語は真逆と言っていいほど語順が違うので、同時に完了させるには、絶対に「先読み」が必要です。
その方の通訳があまりにも見事だと感じたので、僕は休憩時間に通訳テーブルに行って、話しかけてみました。
僕:「メチャクチャ速いスピードで通訳していますね!スゴいですね!いったいどうやって先読みしているんですか?」
同時通訳の方:「ありがとうございます。これは、半分は勘ですよ(笑)」
僕:「勘ですか?えーー!?そんなことができるんですね!」
同時通訳の方:「あとは彼女の口の形を見て先読みしたり、これまでの口癖からどういう終わり方をするかを予測しながら通訳している感じです。
彼女の通訳は何度か経験があるんで、口癖とかテッパントークがだいたい分かってきてるってのもあると思います。あ、この流れは次にあの話に行くな、みたいな。」
僕:「それはスゴい!!じゃあ、経験値から来る先読みと、勘をダブルで働かせて同時通訳しているんですか?」
同時通訳の方:「そうですね。でも、たまに勘が外れることがありますよ(笑)え?こっちに来たか!みたいな。」
僕:「いや、それにしてもスゴいです!僕の聞いた限り、かなり正確に訳せていました。」
同時通訳の方:「そうですか、良かったです!」
以上のようなやりとりがありました。
同時通訳できなくてもヘコまない
瞬間英作文や音読トレーニングを続けて英語がある程度身に付いてくると、周りから「英語がデキる人」という目で見られるようになります。
だいたいTOEICで700点を超えたあたりから、周りの人たちから「同時通訳してよ」と気軽に頼まれる機会が出てくることがあります。
でも、おそらくそれを引き受けて同時通訳しようとすると、撃沈することになります。
ここまでお伝えした通り、「同時通訳と英語が使える能力は別物」だからです。
同時通訳のスキルを身につけるには、トレーニングを始める時点で最低TOEIC900点&英検1級が必要と言われています。
つまり、同時通訳の世界ではTOEIC900点&英検1級が「出発点」なのです。気が遠くなりそうな世界ですね。
もし、あなたが同時通訳を頼まれたら、この事実を伝えてやんわり断ることをおススメします。
もちろん、あなた自身が同時通訳に挑戦してみたい!と感じるなら、やってみるべきです。
同時通訳でしか味わえない「頭を高速フル回転させる」感覚は楽しいです。
そして何より、相手に喜ばれます。
次回は、ここまでお話しした8つのステージをもう一度まとめて短くお伝えします。
・・・つづく。
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