前回の記事では、「モチベーションが落ちるメカニズム」についてお話しました。
キーワードは、
「意志の力」
です。
意志の力は、上限を伸ばすことができません。
でも、消費量を抑えることで、温存することができます。
英語学習が長く続く人、結果の出せる人は、この「意志の力」の消費量をうまく抑えることで、モチベーションを高く保っているのです。
では、人間はどんなときに意志の力を消費するのでしょうか?
研究によると、こんなときに人間は意志の力を消費するようです。
意志の力を消費する3つの状況
① 生理的欲求を抑えているとき
あなたは、朝食を抜くタイプですか?それとも、しっかり食べる派ですか?
実は、朝食を抜く人は、それだけで意志の力を消費するそうです。
たとえ自分では空腹感を感じていなくても、身体がエネルギー補給を求めている状態で仕事をすることは、無意識に「意志の力」を消費するのです。
また、ダイエット中の人が、目の前に甘いお菓子を出されて、それをガマンするのも、意志の力を消費します。
はじめからお菓子に近づかなければ、意志の力は消費されません。
おそらく、この「欲求を抑える」ことが意志を力を使うという事実は、あなたも想像できると思います。でも、ここから先は、意外に思うかもしれません。
② やるか?やらないか?を決断するとき
「今日やろっかなぁ~」
「やっぱ、明日でいっかな~」
こんな風に考えることって、よくありませんか?
実は、この迷っている最中にも、意志のパワーを消費しているらしいのです!・・・
③ 「何をしようか?」を決めるとき
「よし!やるぞ!」
と決めた後も、
「じゃあ、何やろう?」
と考えていると、それだけで意志の力を消費していきます。
「決める」という作業は、僕らが想像している以上に、脳に大きな負担をかけています。
そして、「意志の力」は確実に減っていきます。
つまり・・・
②と③の「迷っている」プロセスが長いと、実際に英語のトレーニングを始めた頃にはもう、「意志の力」を使い果たしている・・・なんてことになりやすいのです!
すると、トレーニングそのものに集中できず、効率の悪い状態になってしまいます!これでは、
「無理してがんばっている感」
があるものの、それに反比例するように、成果はほとんど出ません。
すると、
「こんなにガンバっているのに、効果が出ない」
という不満を感じるようになります。
そして、遅かれ早かれ、
「やっぱり、俺には英語の才能がないんだ・・・」
「やっぱり私は、続ける意志が弱い人間なんだ・・・」
と、自分で結論づけてしまうのです!
本当の問題の原因は、そこじゃないのに!!
これって、もったいないと思いませんか?
じゃあ、どうすればいいのか?
まず、①に関しては、「お腹がすいているときに英語トレーニングをしない」、というのがいいと思います。食後だと眠くなってしまうようなら、眠気をガマンしながら英語をやるより、軽く仮眠を取って身体の欲求を満たしてから英語トレーニングに向かう方が、意志の力を温存できます。
また、英語トレーニングに向かおうとするたびに、毎回②と③を繰り返していては、意志の力を無駄遣いしてしまいます。
そこで、意志の力を温存するための
「科学的なアプローチ」
が必要になってきます。
それが、この手法です。
アメリカでの実験結果
アメリカで、こんな実験が行われました。
Aグループの人たちに、こんな指示を与えます。
「来週中に、少なくとも1度は、20分間の運動をしてください。」
そして、実際に実行した人の数を調べました。
その結果・・・果たして、何パーセントの人が、実行したと思いますか?
少し考えてみてください。
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はい!時間になりました!
答え: 運動を実行したのは、わずか29%でした。
一方、Bグループの人たちには、こんな指示を与えました。
「来週の水曜日の午後8時に、20分間、家の前をジョギングしてください。」
そして、実際に実行した人の数を調べました。
その結果・・・果たして、何パーセントの人が、実行したと思いますか?
また少し考えてみてください。
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はい!時間です!
答え: 実行したのは、なんと91%でした!
この差は、どこから生まれたのでしょうか?
Aグループの人たちは、毎日、
「今日、運動しよっかな~」
「まあ、明日でもいっかな~」
と考えながら、意志の力を消費していました。
そして、
「よし!やろう!」
と決めた日も、
「運動か・・・20分間も何しよう?」
と考えているうちに、意志の力を使い果たし、
「ま、いっか、また明日で!今日はもう遅いし!」
となる状態を、毎日繰り返していたのです。
一方、Bグループの人たちは、やるべきこと&スケジュールすべて事前に決まっていたので、それを実行するための「意志の力」が大幅に引き下げられました。
だから、
「運動を実行すること」
そのものに意志の力を使うことができたのです。
英語トレーニングも同じ
あなたの英語学習でも、同じ手法が使えます。それは、
『あらかじめ決めておく』
ことです。
「あらかじめ、英語トレーニングをやる時間とメニューを、先に決めておく」
だけでいいのです。
そうすれば、英語トレーニングに必要とする意志の力が引き下げられて、続けやすくなります。
次回は、「英語トレーニングメニューを決めるときのちょっとしたコツ」をお伝えしますね。
From Shinya
(英語の達人養成ジム 師範代)
自己紹介は、こちら
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