From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
「日本語と英語の視点の切り変え方」を教えてくれる本、
「会話もメールも英語は3語で伝わります」
のレビューの続きです。
この本のコンセプトは、タイトルに集約されています。
複雑な構文をやめて、まずは3語(主語、動詞、目的語)で組み立てる」というスキルを身につけよう!
というコンセプトです。
つまり、そのまま日本語を直訳したら複雑な言い回しになりそうな表現を、多少強引にでも「SVOの第3文型で組み立てる」トレーニングを積むための本です。
構文をSVOに縛ることで、言いたいことをシンプルに、力強く伝えられる文章になります。
そして何より、「視点の矯正」に役立ちます。
前回の記事でお伝えした通り、
日本語の視点=プレイヤー視点
英語の視点=誰がどうした視点
です。日本語で頭の中に思い浮かんだ文章や表現をそのまま英語にしようとしても、不自然で複雑な文章になりがちです。
でも、自分が英文を作る時に「SVO縛り」を入れることで、英語の視点である「誰がどうした」の話し方に矯正していくことができるのです。
例文が豊富で具体的
このテキストの特徴は、「超具体的」だということです。
最初にたくさんの「日本人あるある例文」が出てきて、次にそれを「3語で表すとどうなるか?」という正解例が出てきます。
たとえば、この本の表紙にもある通り、
「私の仕事は英語の先生です」と言いたい時に、日本語のニュアンスをそのまま直訳して、
My job is an English teacher.
と言うのではなく、
I teach English.
とシンプルに第三文型で言った方が、伝わりやすくて自分が言うのもラクです。
もちろん、言葉の表現方法に「1つだけの絶対の正解」はありません。
ただ、ここでの正解例というのは、「文法的に正しく、メインのメッセージはしっかり伝わる英語表現」ということです。
日本語で言いたいことが100だとしたら、
・100すべてを伝えようとして言葉につまってしまう・・・
・長い構文で話そうとして、文法ミス連発で結局伝わらない・・・
という状態になるよりも、
・60でもいいから素早く伝える。
・文法ミスしづらい文型で自分の負荷を下げる。
方が、会話は弾みます。
5文型を駆使して話すのが「ダメ」なわけじゃない
もちろん、この本が伝えたいことは「5文型を駆使して話してはダメ」ということではありません。
状況によっては、第3文型以外で伝えた方が、本当に言いたいことがしっかり伝わる場面もあるでしょう。
これは良い?悪い?の問題ではなく、「優先順位」の問題です。
まずは第3文型を駆使して言いたいことの6割ぐらいは素早く伝えられるようになるのが先決です。
第3文型でスピーディーに正確に話せるようになった後、次のステップとして別の文型を織り交ぜて話せるようになればいいのです。
この本のアマゾンレビューには「第3文型で伝えたいニュアンスの全てを伝えるのはムリだ」というような意見がありますが、それは正しいです。
でも、そもそも「日本語で伝えたい全てのニュアンスを英語で伝えようとするのをやめませんか?」という提案が、この本なのです。
そして、僕ら日本人にとって「6割でいっか!」と思って伝えた表現が、英文としては「むしろ100%」だったりします。
ここはとても深くて面白いので、また次回の記事で詳しくお伝えしますね。
・・・つづく。
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