from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
前回の記事では、英語初心者がやってしまいがちな間違い勉強法の3つ目として、
③自分の目的に合わない勉強法をやり続ける
を詳しくお伝えしました。
今回は、4つ目を解説します。
④興味がないのにTOEICを受ける
これも、実は意外にけっこう多いパターンなのです。
初心者がTOEICテストを受けるのが、なぜNGなのでしょうか?
まず、僕はTOEICテスト自体はとても良いテストだと思っています。
自分の英語力を数値化して、社会に証明する手段としては、とても良いテストだからです。
10点~990点というかなり幅広い範囲を、5点刻みで表示できるのが大きなメリットです。
TOEICは英語力のモノサシとして活用するには、最高のテストです。
僕自身も、TOEICの楽しさにハマり、一時期は毎回受けていた時期もありました。
ゲーム感覚でTOEIC受験を楽しみながら、最終的には975点まで取りました。
満点の990点まではあと一歩及ばずでしたが、アップダウンを繰り返しながら、だんだん自己ベストの点数が上がっていく過程が楽しかったです。
そんな、慣れ親しんだTOEICテストですが、僕は初心者にはオススメしていません。
なぜなら、初心者の頃に受けると「できない感覚」だけが植え付けられて、挫折感を味わうケースが多いからです。
初心者が受けた時の感覚
やり直し英語を始めたばかりの初心者がTOEICテストを受けると、だいたい200点台後半~300点台前半の点数が出ます。
「全体の3分の1程度ならいいじゃない?3問中、1問は正解できるってことでしょ?」
と思われるかもしれません。
でも、テストを受けている最中には、まったく実感がありません。
3問中1問分かる感覚はないのです。
10問中1問分かるのがあれば良い方です。
それでも、適当にマークシートを塗りつぶせば、最終的には300点前後の点数が出ます。
とはいえ、受けている時には「ダメダメ感」しか感じられないのです。
この感覚が、初心者の心を折るには十分なダメージを与えます。
では、なぜ初心者でもTOEICを受ける機会が多いのでしょうか?
それは、TOEICが日本でかなり広く普及していて、英語力の証明として使われているからです。
みんな受けているから・・・
初心者がTOEICを受ける理由を一言でまとめるなら、「みんな受けているから」だと思います。
英会話スクールに通い始めると、必ずと言っていいほど、TOEICテストの存在を知ることになります。
僕が初めて通った英会話スクールでは、「TOEICの点数別できることリスト」のポスターが、カベに貼ってあって、初心者から上級者まで、定期的にTOEIC受験をオススメされていました。
受けている人の数が多いので、「じゃあ、自分も試しに受けてみるか!」という気分になりやすいです。
僕も英語学習1年目に誘いに乗って受けてみたら、撃沈しました。
あまりにヘコんでしまい、危うく英語学習から完全に離れる寸前まで行きました。
その後、気を持ち直して英語学習を続けると決めた時にも、
「英語学習は続けるけど、TOEICなんて、もう二度とやらないぞ!」
と心に決めました。
でも、その後も何度もTOEICという言葉が、僕の前に現れました。
英語学習者同士の飲み会でも、
「TOEIC受けたことありますか?」
「自己ベストは何点でしたか?」
「目標点数とかあります?」
などと話題になることが多くありました。
また、英語テキストを見ていても、「TOEIC○○点程度」という表記があるものが多いことに気付きました。
TOEICという言葉を避けようとすればするほど、TOEICが目に付くようになったのです。
2種類のTOEICテスト
ちなみに、ここまで僕が言ってきたTOEICとは、正式名称は「LRテスト」のことです。
Listening & Reading を略して、LRテストと呼ばれています。
これが、みんなが受けているものです。
リスニング問題とリーディング問題がセットになっています。
実はTOEICにはもう一種類あって、SWテストと呼ばれるタイプもあります。
これは、Speaking & Writing の略で、スピーキング問題とライティング問題がセットになっています。
スピーキングはコンピューターの前に座って、音声を吹き込むタイプの問題です。
ライティングは同じくコンピューター上でタイピングしていきます。
SWテストは、LRテストに比べると難易度が高いです。
LRテストの方で700点前後取れるようになった人向けにデザインされているため、受験者の層が絞られます。
LRテストの全受験者のうち、700点以上取れる人は35%前後と言われています。
初心者がSWテストを受ける機会はまずないと思うので、この記事では「TOEIC」という表記はLRテスト、という形で書きます。
初心者にはTOEICブリッジ&英検がオススメ
ということで、初心者の方が英語の資格試験に挑戦する時には、僕はTOEICテストはあまりオススメしていません。
それよりも、もっと「できた実感」のあるテストをお伝えしています。
そこでオススメなのが、「TOEICブリッジ」と「英検」です。
TOEICブリッジは、カンタンに言うと「学生向けに作られた、やさしめのTOEICテスト」です。
普通のTOEIC問題はビジネスシーンが多く、英単語もスペルが長くて複雑な英文が多く登場します。
一方、TOEICブリッジのテストでは、学生の日常生活シーンをベースに、英単語も英文もシンプルなものが多く登場します。
初心者が受けるなら、まずはTOEICブリッジからトライしましょう。
また、英検は学生が受けるイメージが強いかもしれませんが、実は大人の初心者にオススメです。
なぜなら、級が細かく別れていて、レベル別になっているからです。
・中学英語を一通り覚えた人には、3級
・高校英語を一通り覚えた人には、準2級
・大学受験英語まで覚えた人には、2級
というように、出題の範囲が決まっているので、受けている時に「できた実感」を感じやすくなります。
特に僕がオススメしているのが、一番やさしい5級から受け始める方法です。
5級~4級だと、受験会場にいるのは小学生ばかりで、大人の自分が混じって受けるのは恥ずかしい・・と感じるかもしれません。
でも、英語学習を始めたばかりの初心者にとっても「できた実感」を味わえるテストが、英検5級なのです。
また、一番やさしい5級から徐々に階段を上がって上の級に行くのは、だんだん快感になってきます。
さらに英検は、もし上を目指そうと思えば、準1級や1級などの威厳のあるレベルまで用意されています。
1級レベルはTOEICの英単語レベルをはるかに上回ります。
TOEICで満点近い点数がコンスタントに取れるようになった人が、次に目指すゴールとして、英検1級は人気があります。
以上の理由から、もしあなたが英語テストに興味がある場合、僕のオススメの流れは、
①初心者の頃は英検5~3級、あるいはTOEICブリッジを受ける
②徐々にステップアップしていき、英検2級が取れたら、TOEICも受けてみる。(おそらく600点前後が取れる)
③TOEICでも「できた実感」を持てるようになってきたら、700点台なかば~後半ぐらいを目指す。
というステップです。
もちろん、英検の方だけで上を狙ってもいいですし、TOEICの方でSWテストに行くのも良いでしょう。
英検2級ぐらいの実力を手に入れれば、後は選択肢が広がります。
9割の人は、選択肢が広がる前の過程で挫折して英語から離れてしまうので、いかにこの初心者ステージを丁寧に進めるか?がコツです。
自分に必要以上に精神的ダメージを与えないように、タイミングを考えながら英語テストを受けてみてください。
ちなみに、もしあなたが英語テストに興味がなければ、受ける必要はありません。
あくまで今回は、テストを受けたい人向けの内容です。
次回は、「英語初心者がやってしまいがちな間違い勉強法」の5つ目を解説していきます。
・・・つづく。
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