from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
コピーライター達が参考にする「アメリカの伝説セールスレター」の原文が、日本語訳を読んだ時とはまったく違う印象を受けたことに、僕は驚きました。
もちろん、まったくお門違いな内容を言っているわけではありません。
細かい言い回しやニュアンスに差があるだけです。
でも、その細かいニュアンスや言い回しの違いが、読んだ後の読者の心境を大きく左右することが多いのです。
神は細部に宿る
伝説のセールスレターは、実はこうした地味で細かい言い回しまで手を抜かずに、こだわって書かれています。
「紙は細部に宿る」という言葉がある通り、偉大な結果を出した作品は、細かい部分にこそ、力を注いで作られているのです。
でも、日本語翻訳版では、こうした細部が抜け落ちてしまいます。
そのまま日本語にすると意味不明の言い回しになる部分も、そのまま載っていたりします。
そのため、コピーライティングを勉強している日本人は、どうしても表面的な部分だけマネしがちです。
僕が日本語訳版しか知らずに勉強していた時には、
「このセールスレターは世界中のベテランがマネしていると言われているけど、そんなにスゴいものなのか?なんだかよく分からないなぁ・・・」
という違和感がありました。
でも、英語版を読んだら、「確かにこれは欲しくなるわ!これはよく考えて書かれてる!」と納得できました。
なぜ、日本語翻訳版が詳細を訳せていないのか?
ではなぜ、伝説のセールスレターの日本語訳版が原文のニュアンスとここまで違うのでしょうか?
これは僕の予想ですが、英語のセールスレターを翻訳する人は、
①英語ができないベテランコピーライター
②コピーライティングの知識が無い翻訳のプロ
このどちらかになってしまうのでは?と思います。
セールスコピーライティングはとてもニッチな世界なので、日本で勉強している人の人口は、他のジャンルに比べて多くありません。
ただでさえニッチな世界で、さらにベテランのレベルまで突き詰めた人たちの中で、プラスアルファで英語ができる人の数は、相当少ないことが予想できます。
さらに、勉強としての英語を読めるだけでは足りません。
アメリカ文化と日本文化の違いまで読み解いて、日本人にもニュアンスを伝えられるまでかみ砕いて伝える必要があるのです。
そんなことができるセールスコピーライターがいる確率は、かなり低いでしょう。
そうなるとおそらく、英語の自動翻訳に頼るしかなくなります。
僕が今まで見てきた日本語翻訳版は、Google翻訳にかけた文章のように見えました。
ニュアンスが抜け落ちているだけではなく、日本語としても、かなりぎこちないものが多い印象です。
プロの翻訳家でも、専門知識がないと厳しい
また、たとえプロの翻訳家が訳した場合でも、コピーライティングに関する知識がないと、正確に訳すのは難しいと思います。
翻訳家や同時通訳の人たちは、ある程度自分の専門を決めている人が多いです。
僕の知り合いで、企業の中で工業系の技術翻訳をしている人が、こんなことを言っていました。
「翻訳するためには、まず日本語でそのジャンルの本を常に読んで勉強をしないと、ついていけない。元の知識の方が、英語力より重要度が高いかな。」
実際に、人の部屋の本棚には、英語の本よりも工業技術系の本の数の方が多かったのが印象的でした。
このように、英語ができれば何でも翻訳できるというわけではありません。
元の知識を深めることが必要です。
でも、セールスコピーライティングはニッチなジャンルです。
もし、翻訳家になろうとしている人が、「セールスライティングだけに特化した翻訳スキル」を身に付けても、それを職業として成り立たせるのは難しいでしょう。
だから当然、アメリカの伝説セールスレターを正確に訳せる翻訳家の数は少ないことが予想できます。
それが、セールスレターの日本語訳が不完全なままになっている原因だと思うのです。
そして僕はたまたま、10年間セールスライティングを勉強していて、そのことに気付いてしまいました。
そして、いてもたってもいられなくなってしまったのです。
「このままではダメだ!コピーライティングを勉強している仲間に、この事実を伝えないと!」
と強く思いました。
・・・つづく。
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