From 師範代Shinya(新村真也)
(※僕がカナダにビジネス留学していた頃の体験談の続きです)
僕がカナダのバンクーバーのオフィスで働き始めて、2週間くらいたった頃のこと。
午前中に僕は受付の自分のデスクスペースでパソコン作業をしていました。
すると僕の上司でマーケティング部長のサラが僕に近づいてきて、こそこそ声で話しかけてきました。
何だろう?こそこそ声で話すってことは、何か重要な企業機密情報なのか?
ドキドキしながら耳を傾けると・・・
「今日は、デイビッドの誕生日なの。午後にサプライズパーティーをするから、今日のお昼ご飯はあんまり食べ過ぎないでね。それから、これはサプライズパーティーだから、デイビッドには内緒よ。」
と言われました。
デイビッドは、同じマーケティング部門の社員の先輩です。
欧米では、誕生日パーティーをサプライズでやる文化があります。
手が込んだものだと、本人が仕事から帰るより早く自宅に友人たちが待機して、電気を消して待ちながら、本人が入ってきた瞬間に電気をつけると同時にクラッカーをパンパン!と鳴らして、みんなでバースデーソングを歌い出す・・・
みたいな大がかりなことまでするそうです。
今回は、職場でのサプライズということで、午後3時頃のおやつの時間にやるとのことでした。
僕は、サプライズの誕生日パーティーなんて、やったことはありませんでした。
なので、自分のパーティーじゃないのにドキドキしていました。
にぎやかなパーティー
時間になりました。僕はそわそわしながら、みんなのお動きを観察していました。
サラが部屋から出てきて、無言で僕の方を見ながら目でサインを送ってきました。
僕はうなずくと、広いミーティングルームに向かいました。
ミーティングルームの大きなテーブルの上には、宅配のピザやらケーキや飲み物やらがたくさん置いてありました。
さすがに部屋の飾り付けまではされていませんでしたが、海外のピザやケーキの箱やペットボトルは、派手な柄や色づかいのパッケージが多いので、机の上に並べただけでかなりのデコレーション効果があります。
受付のボスのメリッサや、ふだん僕があまり話す機会のない社員の人たちまで部屋に集まってきました。
僕はテンションが上がってきました。
なんか、この光景は、すごく「西洋文化のパーティー」っぽさがあります。日本の職場では見たことのない光景です。
デイビッド登場!
準備が整うと、サラがデイビッドを呼びに行きました。
そして、何も知らないデイビッドは、仕事の打ち合わせだと思ってミーティングルームにやってきました。
ドアが開いた瞬間!!
みんな一斉に叫びました!
「Happy birthday, David!!」
そして、大きな拍手と共に、みんながひとつずつデイビッドにハグしたり握手したりし始めました。
おぉっ!!これが欧米のノリか!!
僕もデイビッドに近い付いて、おめでとう!を言いながらハグしました。
デイビッドはすごく嬉しそうな表情で、みんなにお礼のスピーチをしました。
「俺の誕生日をこんな風に祝ってくれて、本当にありがとう!今までで最高の誕生日だよ!こんな素敵な同僚に囲まれて、俺は最高にハッピーだ!」
みたいなことを、ジェスチャーと満面の笑顔で大きな声でスピーチしました。
僕はそれを聞きながら、「こういう時に、こういうポジティブなスピーチがとっさにできるのは、普段からそういう場に慣れているからだろうな」と思いました。
もし、自分が同じことをされたら、たとえ日本語でもスムーズに言葉が出てこないでしょう。
原稿を書いて、練習しておけばそれなりに話せるでしょうが、こういうサプライズの場でとっさに流ちょうに堂々と話すことは、できそうにありません。
フレンドリーな職場
パーティー楽しい時間でした。普段は怖い受付のメリッサも、穏やかな笑顔でみんなと話しています。
ワイワイした雰囲気の中、みんな僕にも気さくに話しかけてきてくれました。
あ~なんだろう、このフレンドリーな感じは!
日本の職場で仕事中にこんなことやってたら、きっと上司に怒られるに違いありません。日本では、
「仕事は無駄口を叩かず、マジメにこなすもの」
というイメージがあります。
でも、この会社の人たちは、よく無駄話をしています。ロビーを通るときに鼻歌を口ずさみながら通る人もいます。
彼らを見ていると、「仕事は楽しまなきゃ!」とう姿勢が伝わってきます。
サラもデイビッドも、僕が仕事している時に、よく近づいてきて、「調子はどう?」とか、ノリよく話しかけてくれます。
それは、僕の仕事の「進捗状況をチェック」するといった管理者的な視点ではありません。
単純に「僕が元気かどうか?」を気にしているか、あるいは自分自身のガス抜きとして僕に話しかけているようです。
その証拠に、僕が自分から助けを求めない限り、僕の仕事には一切干渉してきません。進捗状況をチェックされることもありません。
そしてデイビッドは自分の仕事に行き詰まった時に、僕に相談してきてくれることもありました!
入社してわずか2週間の僕にです!(これはかなり嬉しかったです)
また、彼はみんなが通るロビーの受付前で、仕事とはぜんぜん関係ない話をしたりしています。
それに加えて、このバースデーパーティーです!
なんというか、ここでは日本と違って、マジメさを美徳としていない感じです。
ここに来る前、留学先の学校でビジネスクラスの先生が、
「西洋のビジネス文化ではフレンドリーさが重要な要素だ」
と言っていましたが、実際にこうして働いてみると、その価値観を肌身にしみて実感します。
メリハリ
デイビッドの誕生日パーティーは、なんと30分で「お開き」になりました。たしかに、これだけの人数が集まれば、30分あれば飲食物はほとんどなくなります。
30分後、デイビッドがもう一度みんなにお礼を言った後、僕らマーケティング部門の社員で一気に片づけに入りました。
食器は紙コップと紙皿だけなので、全部捨てられます。大きなゴミ袋を広げて、ピザやケーキの箱や食べ残しを全部ぶっ込んで、テーブルの上を拭くだけです。
わずか5分ですべてを片づけると、僕らはそれぞれの仕事に戻っていきました。
そして、その日も全員、きっかり定時の5時で帰りました。
スゲー!!このメリハリ!!
ていうか、仕事時間中にパーティーして派手に飲み食いしても怒られないのか!!(さすがにアルコールはありませんでしたが)
僕は西洋のビジネス文化にますます魅かれていきました。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(英語の達人養成ジム 師範代)
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