【TOEIC900点超えの上級者でも、ネイティブ同士の英会話が聞き取れない理由&解決法①】

 from 師範代Shinya

・TOEIC900点を超えて、周りからは上級者だと思われるようになったど、いまだにアメリカのドラマや映画を見てもセリフが聞き取れない・・・
 

・ネイティブと1対1の英会話ならスムーズにできるけど、「ネイティブ同士の英会話」に自分1人だけ放り込まれると、まったくついて行けない・・・

・日本では「英語がデキる人」と思われてたけど、アメリカに来たら現地人の話す英語がぜんぜん聞き取れない・・・

そんな声をよく聞きます。

そうなんです!これは真実です。

僕は自分が初心者の頃は、

「もし自分がTOEIC900点とか、英検1級レベルになったら、きっとネイティブの話す生の英語も聞き取れるようになって、ネイティブ同士の会話にも堂々と入っていけるに違いない!」

と思って、その状態に憧れていました。

でも、実際に自分がそのレベルに達してみると、

「あれ?おかしいぞ??なぜ聞き取れない??そんなバカなぁーーー!!」

という状況になることが、何度もあったのです。

実は上級者になると、

「テレビで流れているニュース英語は聞き取れるけど、カジュアルな会話は聞き取れない」

という現象は、よく起こります。

当時の僕にとって、これはとても不思議でした。

ニュースのレポーターも、けっこうな早口英語です。

カジュアルな英会話とそんなにスピードの違いはありません。

でも、聞き取れ度合に大きな差があるのです。

その後、僕は研究を重ねるうちに、「ネイティブ同士のカジュアルな英会話が聞き取れない理由」が判明しました。

以前の記事で、ネイティブが話す時の「ぞんざい発音」については詳しく深掘りしたので、今回は発音は横に置いておいて、「英語表現だけ」にフォーカスします。

実際に、「ネイティブ同士の会話を文字起こしした台本」を読んでも、理解できないことが多いので、やはり発音だけの問題ではありません。

ネイティブ同士の英会話が聞き取りづらい理由2つ

僕が気付いた理由は、この2つです。

①it を多用し、はしょった表現が多い

②ネイティブ特有の言い回しが連発される

まず、①に関して解説します。

ネイティブ同士の英会話では、文脈から理解できる内容は、 it などを多用して、はしょって言うことが多いです。

たとえば、

Got it!
(分かった!)

は、本来は「あなたが今いったことを理解した」なので、

I got what you said.

が本来の言い回しです。

でも、what you said は長いので it に変えます。

さらに、主語の I まではしょるのです。

他にも、

It runs in the family.
(そういう家系なんです)

という表現もあります。

これは、その前の文脈を受けて言うセリフです。

たとえば、家族メンバーがみんな同じ職業に就いているとか、みんな高学歴とか、みんな人見知りとか、性格や価値観などが共通している時に使えます。

「血は争えない」という日本語にも近いですね。

このように、前後の文脈から判断しないと分からない短い言い回しが、ネイティブ同士の会話ではよく使われます。

この①のパターンの場合は、セリフの一部だけを切り取っても、何を言っているのか分かりません。

文脈全体を判断する必要があるので、前のセリフが聞き取れなかった場合、お手上げ状態になるのです。

ついでに言うと、it が使われすぎて、もはや決まり文句になってしまい、前後の文脈が関係なくなっているフレーズもあります。

たとえば、

I have to hand it to you.

という表現の意味を推測できるでしょうか?

これは、前の文脈で it に相当するものがなくても使えます。

というか、前の文脈では出て来ないことの方が多いです。

直訳すると、

「私は手渡さなければならない、それをあなたに。」

になります。

意味が分かりませんよね?

実はここで言う it は、 「credit =信用、信頼、手柄」のことだそうです。

言い換えると、

I have to give credit to you.
(私はあなたに手柄を与えなければならない)

になります。

自然な日本語にすると、

「スゴいですね!」

「脱帽しました!」

という表現が当てはまります。

相手の優秀さを認める時に使う、ホメ言葉です。

これは、前の文脈で「credit」という言葉が出て来なくても使えます。

というか、出てくることはまずないでしょう。

このように、もはや it 前の文脈に関係なく使われることもあるのです。
これが、1つ目の理由です。

今のは極端な例ですが、 実際の英会話で it を使った表現は、上級者になると何となく雰囲気から予想できることが多いです。

でも、もう1つの②の表現に関しては、予想すらできないことがあります。

これはもう、知っているか知らないか?

その差だけです。

そして僕は以前、自分がTOEIC900点を超えた後に、②の世界を勉強したことがあります。

次回の記事では、この②を深掘り解説していきます。

 

・・・つづく

 

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