
from 師範代Shinya(英語学習のヒントをYouTubeでも発信中)
子どもを見ていると、ときどき「これって学ぶ時にはものすごく強い状態なんじゃないか」と思うことがあります。
うちの娘たちは、何かに興味を持つと、かなりしつこいです。
特に長女は虫が好きなので、外を歩いている時に見慣れない虫を見つけると立ち止まります。
「これ何?」
僕が名前を答えると、しばらく観察して、また別のことを聞いてきます。
家に帰ってから昆虫系YouTubeを見ている時にも、似た虫が出てくれば「あっ、これさっきのやつ?」と反応します。
誰かに「昆虫について勉強しなさい」と言われているわけではありません。
テストもなければ、覚えなかったからといって困ることもありません。
それでも勝手に覚えていきます。
最近、特に驚いたのは、昆虫系ユーチューバーの片田ひよりさんの歌うチャンネルテーマソング「花蝶風月」の難しい歌詞を、かなり正確に覚えていたことです。
歌詞のサビの部分は、こんな感じです。
↓↓↓
————————
私たち終わり見るために始めたの?
愛もつながりもこの命も
始めたらいつかは終わる
君も刹那的
花蝶風月
今を咲き誇れ
花蝶風月
————————
この歌詞のサブ部分を、5歳の娘がいつの間にか、ほぼ正確にアカペラで歌えるようになっていたのです!
一カ所だけ、「始めたらいつかは終わる」の部分を、「始めたのいつかの終わる」と言っていたので、そこだけ僕が訂正しました。
この間違いから、娘は文法や意味を理解して言っているわけではなく、耳コピーだということが分かります。
しかも最近は、サビ以外の部分の歌詞(もっと難しい単語が多い)も覚え始めました。
僕も妻も、覚えるように促したことはありません。
ただ、朝ごはんを食べる時間に、BGMとして花蝶風月の歌をスマホでリピート再生して流しているだけです。
あとは、僕がよく無意識に鼻歌で口ずさんでいます。
それを聞くだけで、娘はいつの間にか覚えたのです。
さらに驚いたことに、最近は次女(3歳になったばかり)も、一緒に歌うようになりました。
発音もけっこう合っています。
先に発音できるようになって、後から僕に「ねえ、刹那的ってどういう意味?」と聞いてきたりします。
この、「先に発音、後から意味チェック」という流れは、僕の音読コースでも実行している部分です。
僕は幼い娘達の姿を見ていて、学ぶ人にとってかなり強い状態というのは「勉強している感覚が薄い状態」なのかもしれないと思うようになりました。
子どもは「覚えよう」としていないのに覚えていく
大人が何かを学ぶ時には、どうしても最初に目標を作りがちです。
英単語を今日は30個覚える。
このテキストを1ヶ月で終わらせる。
TOEICで何点を取る。
もちろん、目標があること自体は悪くありません。
僕も英語学習では、勉強する量を決めたり、同じ教材を何周するか考えたりします。
ただ、子どもを見ていると、それとはまったく違う学び方があることに気づきます。
「知りたいから見る」という状態です。
娘が虫を見ている時には「この虫の名前を暗記して、来月まで忘れないようにしよう」とは考えていません。
ただ気になるから見ています。
動画で知っている虫が出てくれば反応するし、実物を見つければ近づいていきます。
歌に興味を持てば、まずはマネして歌ってみる。
歌うこと自体が楽しいから、歌う。
そうやって何度も触れているうちに、結果として知識が増えていきます。
英語でも、この状態に入れるとかなり強いと思います。
英語が「勉強する対象」だけになると苦しくなる
英語学習を長く続けていると、英語そのものよりも「成果」に意識が向きすぎる時があります。
この教材をやれば伸びるのか。
この勉強法なら効率が良いのか。
何ヶ月やれば話せるようになるのか。
僕自身も英語を20年以上続けていますが、こういうことを考えていた時期はあります。
ただ振り返ってみると、英語が一番楽しかった時には、もう少し違う感覚がありました。
英語を始めた頃、僕はジーンズショップで店長をしていて、仕事では毎月の売上目標やスタッフ育成のプレッシャーがありました。
そんな中で英会話スクールへ行く時間は、僕にとって少し現実から離れられる時間でもありました。
「英語力を効率よく伸ばさなければ」と毎回考えていたわけではありません。
先生と話してみたい。
この表現を使ったら通じるかな。
前に習った言葉が出てきた。
そういう小さな面白さがありました。
今でもオンライン英会話では、基本的にフリートークをしています。
レッスンが始まるまで何の話をするか分からないので、勉強というより、人と話しながら英語を使っている感覚に近いです。
その中で「あれ、今日は前より自然に言えたな」と気づくことがあります。
僕にとっては、こういう瞬間がかなり大きいです。
間違いを気にする前に、知りたい気持ちが動いている
子どもの学び方を見ていて、もう一つ面白いと感じるのが、正解を確認してから動こうとしないことです。
知らなければ聞きます。
間違って覚えていたら、後から直します。
少なくとも最初から「間違えたら恥ずかしいからやめよう」とはあまり考えていません。
大人の英語学習では、この順番が逆になりやすいです。
英語で話してみたいと思っても「文法が間違っているかも」と考えて止まる。
外国人に質問したくても「発音が通じなかったらどうしよう」と考えてやめる。
興味より先に、自分がどう見られるかを気にしてしまいます。
僕も英語を始めたばかりの頃には、英会話スクールで言いたいことが全然出てこない経験を何度もしました。
それでもレッスンに通っていたのは、きれいな英語を話したかったというより、英語で人と話すこと自体が面白かったからだと思います。
子どもが虫に近づいていく時と、少し似ています。
上手に観察できるかどうかを考える前に「何だろう?」が先に動いています。
「やらなきゃ」より「もう少し知りたい」は強い
もちろん、大人が子どもとまったく同じように学ぶことは難しいです。
仕事もあるし、限られた時間の中で勉強する以上、効率を考える必要もあります。
ただ、英語学習が最近ちょっと重く感じる人は、自分の中に「知りたい」が残っているかを一度見てみてもいいかもしれません。
英語を使って、誰と話してみたいのか。
どんな動画を字幕なしで見てみたいのか。
海外に行った時に、何を聞いてみたいのか。
こういうものが一つあるだけでも、同じ英単語や文法を見る時の感覚は変わります。
僕も毎日ほぼ同じ英語学習メニューを繰り返していますが、それを続けられるのは、単純にノルマを消化しているだけではなく、その中で小さな変化を見つけるのが面白いからです。
昨日より英文が少し速く口から出たとか、オンライン英会話で練習した表現が自然に使えたとか、そういう変化を見つけると、またやりたくなります。
娘たちを見ていると、学ぶ人の最強状態というのは、ものすごく意志が強い状態ではないような気がします。
目の前のものに興味が向いていて、気づいたら何度も触れている。
英語でもそんな状態を少し作れたら、勉強を続ける感覚はかなり変わってくると思います。
P.S.
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