From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が24才の時に始めたHIPHOPダンススクールでの体験談の続きです。
前回の記事では、僕がダンススクール時代に出会った高校生、ウッチーが生涯の友になった話をお伝えしました。
今も昔も、ウッチーは恥ずかしがり屋で自信がない部分があります。
でも、自信がない部分を人前に出す勇気があります。
大人になったウッチーが、歌のライブで不完全な自分を皆の前にさらけ出して、回を重ねるごとに成長していく姿を見て、僕は感動しました。
そしてこれは、英語学習にも通じる部分があるのではないか?と感じました。
僕ら日本人は、どうしても「自分ができない部分」に目を向けがちです。
どこがうまくいったか?よりも、どこをミスしたか?を気にしてしまいます。
自分にも他人にも、ジャッジする視点が働いてしまう傾向が強い気がします。
その証拠に、日本のYouTube動画では「芸能人の英語力ランキング」のような企画が人気です。
芸能人がメディア上で英語を話している姿の映像を切り抜いて流しながら、ジャッジしていくのです。
・この芸能人は、文法は上手だけど、発音が日本人ぽい。
・この芸能人は、一見流暢に話しているように見えるけど、よく聞くと文法ミスが目立つ。
といった感じで、細かくジャッジしていきます。
審査員は、バイリンガルの日本人だったり、日本語の話せるネイティブだったりします。
こういう「有名人の英語力判定」系の動画は、日本以外では見かけない、という話を聞いたことがあります。
たとえば、スペイン人ユーチューバーが、同じスペインの芸能人が英語を話している動画を切り取って、英語力を細かくジャッジしたりする姿は、あまり想像できません。
(韓国などは日本と文化が近いので、もしかしたら似た企画の動画があるかもしれませんが)
有名人の英語力ジャッジ系の動画は、単にエンタメとして楽しむのは良いと思います。
でも、英語学習者があまりこの手の動画を見過ぎると、気付かないうちに心に悪影響が出てくる気がします。
他人をジャッジすると、自分に跳ね返ってくる
他人の英語力をジャッジする動画を見ていると、だんだん自分も他人の英語力をジャッジする目になってきます。
そして、他人の英語力をジャッジすることで、無意識に自分で自分をジャッジするようになります。
さらに、他人から自分がジャッジされるのが怖くなってくるのです。
自分がジャッジされる恐怖は、人前で英語を話すことに大きな影響を与えます。
人前で英語を話しているときに、自分がジャッジされていると強く感じるようになると、緊張していつもの力が出せなくなってしまいます。
カリスマ英語講師の安河内哲也先生の本にも、
「他人の英語力をジャッジしてはいけない。他人にしたことは、必ず自分に跳ね返ってくる。
自分が過去に他人に向けた言葉は、自分が英語を話そうと思った時に、自分自身に向けられるようになる。
他人の英語力をジャッジすることは、自分自身の英語力の伸びを妨げてしまう。」
というような内容が書いてありました。
僕もその通りだと思います。
英会話の相手は、こちらをジャッジしない
僕らが英語を話す相手は、誰でしょうか?
僕らは誰と話すために、英語を勉強しているのでしょうか?
少なくとも、日本人と英語で話す確率は低いですよね。(英会話レッスン以外では)
おそらく英会話の相手は、
・海外旅行先で出会った現地人
・仕事の同僚や取引先の外国人
・英会話スクールの先生
・SNSで知り合った外国の友達
などだと思います。
僕らの英会話相手が、僕らの英語力をジャッジしてくる可能性は低いです。
彼らが知りたいのは、僕らの英語力ではありません。
僕らが英語で「何を言うか?」が知りたいのです。
だから、英会話の最中には自分のミスを気にする必要はないのです。
間違っても良いから、とにかく一生懸命伝えようとする姿勢があれば、コミュニケーションは取れます。
自分ではなく、相手に意識を向ける
英会話で恥ずかしいと感じている時は、自分に目が向いています。
英語を話している自分を、もう一人の自分が見ていて、厳しくジャッジしているのです。
自分をジャッジしている時、心の中には相手はいません。
相手のことを考える余裕がなくなってしまうのです。
でも、英会話の最中に相手に心を向ければ、だんだん恥ずかしさがなくなってきます。
・相手を理解しようとして、何度も聞き返す
・相手に伝えようとして、一生懸命身振り手振りを使って話し続ける
そういう時には、自分のミスに目が向きません。そして、会話の相手もあなたに好印象を持つ確率が高いでしょう。
実はウッチーは、この「相手に目を向ける」のが上手なのです。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
※もくじは、こちら
自己紹介は、こちら
英会話スクールに通っていた事ありますが、こんな風に考えた事なかったでが、夢中になっていれば、自分を意識してないですね。
私は知り合いと道を歩いてる時に外国の方に声掛けられると、友人の反応を気にして何も話そうとしないで逃げます。
こういう場面では、自分に意識があるんですね。
勉強になります。
Setsukoさん
英会話スクールに通っていた頃には、夢中になっていて自分を意識しないでいられたんですね。
スクールの場合は周りの人たちもみんな英語学習者なので、仲間意識が芽生えて恥ずかしさを感じづらいというのも、要素としてあると思います。
むしろ日常で接する機会の多い友人、同僚、家族などの前の方が、英語を話しづらいと感じることが多いですよね。
きっとみんな同じだと思います。
だからこそ、気兼ねなく話せる英語学習仲間やコミュニティーの存在は、心のメンテナンスに役立つと思っています。