from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
前回の記事では、3級~準2級に新しく追加される「Eメール返信」の作文問題を解説しました。
2級~1級の新作文問題では、まったく方向性が変わって、「長文読解の要約」になります。
ある程度の長さの文章を読んで、内容をしっかり理解してから、何が書いてあるかを要約して作文を書くのです。
つまり、ここで必要とされる力は、
①英文を深く理解する読解力
②理解した内容を簡潔にまとめる文章力
この2つが必要です。
今までの作文問題に必要とされていたのとは、また別の力が必要になります。
今までは、
①自分の意見を素早く思いつくアイデア力
②思いついた意見を決められた型に沿って書く力
の2つが必要でした。
この手の問題も、引き続き残ります。
2024年以降の英検では、これに加えて、「要約する力」が必要になるということです。
要約は得意 or 不得意が出やすい
実はこの要約は、人によって得意な人と苦手な人に分かれます。
そもそも日本語でも要約して文章にまとめるのは、難易度が高いです。
もしあなたが、「自分が見た2時間の映画の内容のすべてを、5分でまとめて友達に伝えるのが得意なタイプ」であれば、要約問題は楽しめるかもしれません。
ただし、英検の問題は「論理的」に要約する必要があります。
ただ単に思いつくままに書いていると、話が飛んでしまい、減点されるかもしれません。
論理的にものごとを考えるのが得意なタイプの人は、英検に要求される種類の要約が得意なことが多いです。
以前ご紹介した性格診断テストの「ウェルスダイナミクス」では、「スチールタイプ(内向型)」の人は、論理的な要約が得意な確率が高いです。
もちろん、他の性格タイプの人も訓練によって要約の力を伸ばすことはできます。
そもそも日本語で要約する力がなければ、英語で行うのは難しいかもしれません。
ちなみに、僕はブログを書き始める前に、3年ぐらいかけてコピーライティングのトレーニングを受けました。
その時にも、文章力を鍛える1メニューとして「要約を書く」というのがありました。
最近読んだ本や、見た映画の内容を簡潔にまとめて書くトレーニングです。
これがやってみると、なかなか難しくて、慣れるまでに時間がかかりました。
また、何のメソッドも知らない状態で書くと、どうしても話が飛び飛びになってしまいがちです。
「初めて聞く人にも分かりやすく、順を追って伝える。でも、長くなりすぎないように」
という絶妙なさじ加減が求められて、要約トレーニングはとても難しいと感じたのを覚えています。
日本語でさえも難易度が高い要約を、英語で行うのはさらにハードルが上がるかもしれません。
全体の内容を3分の1に縮める
英検協会の出しているサンプル問題を分析して文字数を数えてみたら、こんな結果になりました。
↓↓↓
・2級の読解文=152語で、作文では45~55語に縮める。
・準1級の読解文=187語で、作文では60~70語に縮める。
・1級の読解文=304語で、作文では90~110語に縮める。
すべて3分の1の長さに縮める形です。
作文の語数は指定されているので、あまり大幅に超えるとおそらく減点されます。(枠外にはみ出した英文は、採点されません)
短すぎてもダメだし、長すぎてもダメです。
要約問題で点数を取るためには、自分がアウトプットする時の語数を身体で覚える必要があります。
今までの「自分の意見を言うタイプの作文」であれば、自分が言いたいことを少し削ったりして、文字数を調整できました。
でも、要約タイプの作文では「言わなければならない内容」がすでに決まっています。
文字数が足りなくて後半の内容を削ってしまうと、減点につながる確率が高そうです。
その点では、自由度が低いと言えるかもしれません。
ゼロから自分の意見を思いつくのが苦手なタイプの人なら、要約問題の方が嬉しいでしょう。
でも自由度が低い作文が苦手なタイプの人にとっては、事前に相当練習しないと、点数が取れないでしょう。
どちらにしても、文章を書く量が増えるので、もともと作文問題が苦手な人は、リニューアル前に目的の級を受験して合格を狙うのが良いと思います。
次回の記事では、リニューアル時期を詳しくお伝えします。
・・・つづく。
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