from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
英検は日本で最も歴史の長い英語試験ですが、その歴史の中で、何度も改訂や級の新設を繰り返してきています。
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・1963年に創設(当時は「3級、2級、1級」の3階級のみしかなかった)
・1966年=4級を新設
・1987年=準1級&5級を新設
・1994年=準2級を新設
(2016年=2級にラインティング追加:4&5級にスピーキング追加)
(2017年=準2級&3級にライティング追加)
(2024年=ラインティング問題の改訂予定)
・2025年=準々2級?(名称未定)を追加予定
この歴史を分析しながら、未来を予測してみたいと思います。
とりあえず今回は、新しい級が加わった、大きな変更のみに注目して、その間隔を見てみましょう。
1963年(創設)
英検のスタートは、1964年の東京オリンピックと関係しています。
東京オリンピックで国際ムードが高まって、「みんなで英語を学ぼう!」という雰囲気が日本中に広まっていた時期に、それに応えるような形で、英検が作られたそうです。
最初にあったのは、「3級、2級、1級」の3階級のみでした。
おそらく、この時期の英検は今よりずっと級ごとのレベル差が大きかったと思われます。
今の英検は「中高生の英語試験」というイメージが強くなっていますが、当時は学生ターゲットというわけではなく、大人向けに作られたようです。
1966年=4級を新設
英検創設から3年後の1966年に、新しく4級が加わりました。
おそらく当時、「3級でもムズカしすぎる!」という声があったのかもしれませんね。
ちなみに僕は以前、「この時期に英検1級を取った」という英語の先生に体験談を聞いたことがあります。
「当時の英検1級は、今の2級ぐらいのレベル感だった。今の方が1級はずっと難しいと思うよ。」
と言っていました。
1級だけの難易度が上がったのか、それとも他の級も同じなのかまでは分かりません。
でも、今の方が英検の試験問題の難易度が上がっているということは、当時の日本人より今の日本人の方が、平均の英語力が上がっているという証拠かもしれませんね。
1987年=準1級&5級を新設
1966年の4級新設から21年後の1987年に、準1級と5級が新設されました。
僕の予想では、この時期に英検の受験者層が子どもにも広がってきたのではないかと思っています。
また、準1級が新設された理由として考えられることは2つ。
①21年の間に1級の問題を少しずつ難しくしていった結果、2級との差が開き過ぎたため、橋渡し的な役割の準1級を作った。
②それまでの1級のレベルを準1級に置き換えて、その上に1級を位置させた。その結果、1級の難易度が爆上がりした。
もし②だとすると、1987年以前に1級を取った当時の人たちは、得した気分だったかもしれません。
1994年=準2級を新設
そこからさらに7年後の1994年に、準2級ができました。
現在の英検の級のバリエーションは、この時期に完成したことになります。
1990年代は、ちょうど日本で英会話スクールがブームになった時期です。
外国人講師やバイリンガル講師による少人数制の英会話レッスンが爆発的な人気になったのも、この頃です。
特に、当時英会話スクール業界でトップだったNOVAが、TVのCMで「駅前留学」というキャッチコピーを打ち出して、英語学習者の数が増えました。
僕は、この時期に大人向けの英会話スクールでバリバリ第一線でバイリンガル講師として活躍していた先生と、話したことがあります。
「当時は、本当にすごい数の生徒さんがいたのよ。そんなに宣伝しなくても、次々と新入生が入ってきた。
みんな英語を学ぼう!という意欲が、日本全体にあふれていたね。
まだバブルのイケイケな雰囲気が残ってて、みんな海外旅行で英語を使って外国人と話したい!というモチベーションが高かった!
男性が女性にモテる条件として、英語が話せることが1つのステータスになってた時期よ。」
と言っていました。
また、この時期にはCDが普及したことで、音声を使った自宅学習がしやすくなった時でもありました。
「聞くだけでペラペラになる」というキャッチコピーで有名な「スピードラーニング」も、1993年に発売されたそうです。(今はもう、時代の変化に飲まれてなくなってしまいました)
この時期は、日本人にとって英語学習の環境が整って、英会話が格段にやりやすくなったと思います。
この時代の流れに乗って、英検準2級が登場したのです。
そこから現在の2023年までの29年間、新しい級は追加されずに続いてきました。
・・・つづく。
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