from 師範代Shinya
(→前回の続き)
英文法地図の改訂バージョンに収録されている文法13項目のうち、これまでは、
①文型
②倒置
③動名詞(ing)
④不定詞(to do)
⑤時制
までをご紹介しました。
あなたが知っている文法ルールがどのぐらいあるか、チェックしてみてください。
次です。
⑥比較
英文法地図では、「比較」とひとくくりにされている中に、
・比較級
・最上級
・原級
の3つが入っています。
比較級は、おなじみの「~よりもっと~だ」を表す構文で、
This book is cheaper than that book.
(この本は、あの本よりも安い)
という感じの英文です。
形容詞や副詞に more や er を付けて、「もっと~だ」感を出します。
最上級は、「~が一番~だ」を表す構文で、
This book is the cheapest.
(この本が一番安い)
という文章を作ります。
原級は、比較級や最上級に比べると、あまりなじみのない言葉かもしれません。
原級は、通称 「as as 構文」です。
「~は~と同じくらい~だ。」
と言いたいときに便利な表現です。
This book is as cheap as that one.
(この本は、あの本と同じぐらい安い)
という文章を作ります。
比較級や最上級は、割といける人も多いのですが、原級は苦手な人が多いです。
日本語とはまったくシステムが違うため、理解しづらいからです。
とはいえ、原級も瞬間英作文トレーニングでいくつか例文を身体に刷り込むことで、自由に使いこなせるようになる日は来ます。
くじら構文まで収録
英文法地図の面白いところは、「くじら構文」まで入っていることです。
no more A than B で、「Bと同様にAではない」という意味になります。
これは、受験英語に登場する難関な構文の1つで、くじらをテーマにした例文が有名なので、この名前が付けられています。
A whale is no more a fish than a horse is.
(馬が魚でないのと同じで、クジラは魚ではない)
こんな例文、どこで使うんだ?と突っ込みたくなるので、おそらく逆に皆の記憶に残るのでしょう。
ちなみにこれは、難構文でお堅い学術書などにしか登場しないと言われているそうですが、実際にはネイティブのカジュアルな会話でも使われるそうです。
僕の心のバイブル「英語上達完全マップ」の中で、著者の森沢洋介先生が、実例を挙げていたのが印象的です。
海外のドラマの中の女子高生同士の会話で、
I’m no more a child than you are!
(あんたが子供じゃないなら、私も子供じゃないわ!)
と言うシーンがあったそうです。
高校で教える受験英語も、こういう例文にしたら、生徒たちも「これは使える!使いたい!」と実感を持って覚えられるはずです。
自分だけ大人ぶった態度を取るクラスメイトに、ふざけながらこの英語のセリフを何度か言っているうちに、自然に構文が身体に入ってくるでしょう。
先に身近でカジュアルな例文で構文をカンペキに覚えてしまえば、後は試験でフォーマルな例文が出てきても、意味が取りやすいはずです。
⑦前置詞
次は前置詞です。
前置詞は日本語の「て、を、に、は」に近い役割を持っています。
He is at the office.
(彼は事務所『に』います)
という感じです。
とはいえ、at の意味を日本語の「に」で覚えても、文脈によって訳はまったく違うものになることが多いです。
Look at this.
(これ『を』見て)
She is good at cooking.
(彼女は料理『が』上手だ)
Let’s meet at the station.
(駅『で』会いましょう)
というように、1つの日本語訳で当てはまらないので、長年英語を勉強している人でも、英会話で苦労するのが前置詞です。
特に、自分が話す時にはどれを選べばいいのか迷うので、苦手な人が多いです。
前置詞をマスターするコツは、「イラストとイメージで覚えること」です。
たとえば、at = 点 と覚えると、一発で使いこなせるようになります。
Googleマップ上に目的地が表示される時の「点で示す」感覚です。
①He is at the office.
(彼は事務所『に』います)
↑地図上で事務所に目的地を点で示している感覚です。
②Let’s meet at the station.
(駅『で』会いましょう)
↑①と同じ、地図上のイメージです。
③Look at this.
(これ『を』見て)
↑視線と意識を一点集中させているイメージです。
④She is good at cooking.
(彼女は料理『が』上手だ)
↑たくさん種類がある趣味やスキルの中で、料理の一点が突出して優れているイメージです。その一点だけを指さしている感覚。
いかがでしょうか?こうしてイメージで覚えると、記憶に残りやすくなります。
色んな例文に触れているうちに、自分で話す時にも命中率が高くなっていきます。
英文法地図では、主要な前置詞のイメージを、イラストで表現しているので、「あれ?何だっけ?」と思い出したい時にも、パッと確認できます。
ちなみに、会話で使われる前置詞をイメージと短い例文で覚えることができるテキストは、「DUOエレメンツミニ」です。
このテキストを使った動画セミナーも作っていますので、興味があったら体験版をお試しください。
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・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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