【英語が上達している人ほど「できないこと」が増える感じがする理由】

from 師範代Shinya英語学習のヒントをYouTubeでも発信中

英語を長年勉強していると、不思議な現象が起こることがあります。

始めたばかりの頃より、ある程度できるようになってからの方が、

「自分って、まだ全然できないな。」

と感じることが増えるんです。

僕自身、英語学習を始めたばかりの頃は、今より圧倒的に英語ができませんでした。

それでも当時は、今ほど「できない英語」をたくさん認識していなかった気がします。

英検1級を取って、TOEICでも975点を取って、英語を教える仕事を長く続けてきた今の方が、

「この言い方、自然に出てこないな。」

「この人の英語、速くてかなり聞きづらいな。」

「この話題を英語で説明しようとすると、意外と難しいな。」

みたいなことに、よく気づきます。

英語力そのものは昔より上がっているのに、できないことまで増えたように見える。

これは、英語学習ではわりと普通に起こることだと思います。

上達すると見える範囲が広がる

英語を始めたばかりの頃は、自分が何を分かっていないのかも、よく分かりません。

たとえば、ネイティブ同士の会話を聞いてほとんど理解できなかったとしても、

「速すぎて聞き取れない。」

くらいで終わります。

ところが、少しずつ聞き取れるようになると、見え方が変わってきます。

「単語自体は知っているのに、この発音になると聞こえない。」

「この表現は初めて聞いた。」

「文法は分かるけど、この場面で自分ならこの言い方は出てこない。」

みたいに、できない部分が細かく見えるようになります。

僕は、この状態を悪いことだとは思っていません。

むしろ以前は、大きな一枚の壁にしか見えていなかったものが、細かく分解して見えるようになった感じです。

英語が全然聞こえない。

ではなく、

ここは聞こえるけど、ここは聞こえない。

この表現は分かるけど、自分では使えない。

そんなふうに、自分の現在地を細かく見られるようになります。

ただ、本人の感覚としてはちょっと厄介です。

できない場所が見えるようになるので、前よりできなくなったような気さえしてきます。

英検1級を取ってさえも・・・

僕自身、英検1級を取った後も、

「英語ができるようになったな。」

という感覚だけで過ごしてきたわけではありません。

オンライン英会話で話していても、話題によっては言い方に迷うことがあります。

もちろん、起こったことをただストレートに伝えるだけなら、問題なく言えます。

でも、細かい考えや感情の微妙なニュアンスを、その場でうまく言おうとすると、急に難しくなります。

英語を20年くらいやっていても、こういうことはあります。

昔の僕だったら、そもそもこのレベルの話を英語でするところまで行かなかったと思います。

自己紹介をして、趣味を話して、昨日何をしたか話す。

そこまでなら「英会話ができた。」と感じて終われます。

でも話せる範囲が広がると、今度はもっと複雑なことを話したくなります。

すると、その先に新しい「できない」が出てきます。

できるようになると基準も上がっていく

もう一つあるのが、自分の基準が変わっていくことです。

英語学習を始めた頃なら、

「外国人に通じた。」

だけで、かなりうれしかったりします。

僕もそうでした。

ところが、通じることが普通になってくると、それだけでは満足しなくなります。

もっと自然に言いたい。

相手の言っている細かいニュアンスまで取りたい。

考え込まずに、すぐ返したい。

そんなものが気になってきます。

もちろん、これは悪いことではないのですが、少し注意も必要だと思っています。

自分の基準が上がっただけなのに、

「全然上達していない。」

と判断してしまうことがあるからです。

1年前にはできなかったことが普通にできるようになっているのに、視線はもう次のできないことへ向いている状態です。

英語学習では、この現象がかなり起きやすい気がします。

「できない」が具体的になったら前進しているかもしれない

僕は、自分の生徒さんから「できないんです」という言葉を聞いた時には、その内容を細かく見るようにお伝えしています。

単に、

「英語ができない。」

なのか。

それとも、

「この話題になると、使える語彙が足りない。」

「この速さの英語だと、音の変化についていけない。」

「意味は伝えられるけど、このニュアンスを自然に言えない。」

まで分かっているのか。

後者なら、昔よりかなり進んでいる可能性があります。

できないこと自体は残っていても、その正体が見えるようになっているからです。

正体が見えれば、対処法も考えられます。

僕も今でも、オンライン英会話が終わった後に、

「あれ、なんて言えば良かったんだろう。」

と調べることがあります。

たぶん、この先もなくならないと思います。

むしろ英語を続けている限り、新しい「分からない」は出てくる気がします。

以前だったら気づけなかった違いに気づいたり、これまで話せなかったテーマを話そうとしたりするので、そうなるのはわりと自然です。

もしあなたも最近、

「勉強しているのに、できないことばかり増えている気がする。」

と感じているなら、少しだけその中身を見てみてください。

昔と同じ「英語ができない」なのか。

それとも、前よりずっと細かいところが気になるようになったのか。

僕は、後者の「できない」が増えている時は、上達の証だと思っています。

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