
from 師範代Shinya(英語学習のヒントをYouTubeでも発信中)
(→前回の続き)
この本はタイトル通り、基本的には「英文を読むための本」です。
なので、
「自分は英会話ができるようになりたいから、読解はあまり興味ないかな。」
と思った人もいるかもしれません。
実は僕自身、読解のトレーニングを本格的にやった時に、予想していなかった変化を感じたことがあります。
英語を読む力だけではなく、英語を話す力まで上がったんです。
英会話を伸ばしたいのに、長文を読んでいた時期
僕が英文読解をかなり意識して練習するようになったのは、英検準1級に挑戦しようとしていた頃です。
英検準1級、さらに1級になってくると、当然ながら長文問題もかなり難しくなります。
単語だけ分かっていても読めません。
英文が長くなればなるほど、
「この文のメインの主語はどれだ?」
「動詞はどれだ?」
「この長い部分は、いったいどこにかかっているんだ?」
みたいなことを考えながら読まないと、途中で分からなくなります。
僕も当時、そういう英文をかなり読んでいました。
もちろん目的は、英検の長文を読めるようになることです。
なので当時の僕も、
「これで英会話がうまくなるぞ。」
と思いながらやっていたわけではありません。
ところが、しばらく続けてから自分の英会話に変化を感じました。
以前より英語がスッと出てくるようになったんです。
難しい英文が読めると、短い英文の処理がラクになる
なぜ読解をやったことで英会話にも変化が出たのか。
これは僕自身の感覚ですが、複雑な英文を処理する練習をしたことで、会話で使われる比較的短い英文の構造が以前より早く見えるようになったんだと思います。
たとえば長い英文の中で、
主語はここ。
動詞はここ。
この部分は名詞を説明している。
そんなふうに構造を見る練習を繰り返していると、短い英文を見た時にはかなり余裕が出てきます。
英会話では、相手が話している途中で、
「ちょっと待ってください。今の文の主語を探します。」
とはできませんよね。
次々に英語が流れてきます。
自分が話す時も同じです。
文法をじっくり考えてから口に出していたら、会話がなかなか進みません。
僕の場合、長文読解をやった後は、この英文を処理する部分が以前より速くなった感覚がありました。
その結果、話すスピードや精度にも変化が出ました。
読解というと机に座って黙々と英文を読む、英会話とはかなり離れた勉強に見えます。
でも僕の中では、意外とつながっていたんですよね。
リスニングでも変化を感じた
変わったのはスピーキングだけではありませんでした。
リスニングでも、以前より英文をリアルタイムで理解しやすくなった感覚がありました。
リスニングというと、
「音が聞き取れるかどうか。」
ばかりに目が向きがちです。
もちろん音を聞き取る力は必要です。
でも、音自体は聞こえているのに意味が入ってこないこともあります。
これ、前回まで書いてきた、
「単語の意味は分かるのに英文が読めない。」
という状態とちょっと似ています。
目で見ても英文の構造が分からないものを、耳だけで聞いて瞬時に理解するのは、かなり難しいです。
逆に、文章の構造をすばやくつかめるようになると、聞こえてきた英語も前から順番に処理しやすくなります。
僕の場合は、長文読解を練習したことで、ここにも変化が出たように感じました。
「英会話を伸ばす=英会話だけ」ではない
英会話を伸ばしたいと思ったら、オンライン英会話を増やしたり、瞬間英作文をやったりする人は多いと思います。
僕も、そういうトレーニングは今でも大事だと思っています。
ただ、英会話を続けているのに、
「なんか最近、伸びてないな。」
と感じる時には、あえて別の方向から攻めてみるのもアリです。
その1つが読解です。
話せない原因が、単純に「話す練習が足りない」だけとは限りません。
そもそも英文の構造を処理するスピードが遅ければ、聞く時にも話す時にも時間がかかります。
そんな場合には、少し英会話から離れて英文をじっくり読む時間を作ってみると、意外なところが伸びることがあります。
僕自身がまさにそうでした。
この本の上級編が面白い
今回ご紹介している『英語を学ぶすべての人のための読解の技術』では、初級、中級で英文の構造を学んだ後、上級編で実際の長文を読んでいきます。
ここでは、それまで覚えた知識を使って、自分で英文を分析します。
しかも別冊の解説には、長文にもSVOなどのガイドが付いています。
僕が英検準1級に挑戦するために読解を始めた頃、こういう本をかなり探しました。
本屋さんでいろいろ立ち読みしたのですが、長めの英文にここまで細かくSVOが付いている本って、意外に見つからなかったんですよね。
なので今回この本を見て、
「自分があの頃にこれを持っていたら、かなり助かっただろうな。」
と思いました。
自分で、
「ここがSかな?こっちがVかな?」
と考えてから答え合わせができるので、読解を始めたばかりの人でも練習しやすいと思います。
英会話を頑張っているのに、最近ちょっと伸び悩んでいる。
そんな時には、会話練習をさらに増やすだけではなく、一度じっくり英文を読んでみるのもいいかもしれません。
僕の場合は、それが思っていた以上に英会話にも返ってきました。
結局、この本はどんな人におすすめ?
ここまで3回にわたって、『英語を学ぶすべての人のための読解の技術』をご紹介してきました。
僕が実際に読んでみて、特に相性がいいと思うのは、
「単語の意味は分かるのに、なぜか英文全体になると意味が取れない。」
という経験がある人です。
あとは、5文型を学校で習った記憶はあるけれど、実際の英文を見ると、
「どれがSで、どれがVなのか分からない。」
という人にも使いやすいと思います。
最初はかなりシンプルな英文から始まるので、中学英語をやり直している人でも入りやすいですし、後半まで進めばかなり長い英文にも挑戦できます。
一方で、すでに長文をほとんど苦労せず読めていて、SVOを見なくても構造が自然に取れる人なら、最初から全部やる必要はないと思います。
その場合は上級編だけやって、自分に抜けがないか確認する使い方でも良さそうです。
僕自身、この本を読みながら何度も、
「英検準1級を目指して長文読解を始めた頃に、こういう本があったら助かっただろうな。」
と思いました。
英文を読む時に、単語ばかり追いかけて途中で分からなくなる。
そんな経験がある人は、一度「単語」ではなく「英文の構造」の方に目を向けてみると、今までとは違う見え方になるかもしれません。
気になる方は、本屋さんで実際の英文を何ページか見てみるのがおすすめです。
「このぐらいなら読めそう。」
「SVOのガイドがあると分かりやすいな。」
と感じるかどうか、自分の目で確かめるのが一番分かりやすいと思います。
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