
from 師範代Shinya(英語学習のヒントをYouTubeでも発信中)
(→前回のつづき)
前回の記事では、妻のサヤと一緒に映画「マイケル」を観たことをきっかけに、僕とマイケル・ジャクソンの思い出を振り返りました。
中学生の頃には、僕は学校の理科室のガラスの前でムーンウォークを練習していました。
19歳でストリートダンスを始めた時には、ムーンウォーク以外の部分のマイケルの全身の動きを何度も見て、分析しました。
そして28歳で英語学習を始めてからは、今度はマイケルの歌を「英語」として聞くようになりました。
同じマイケルなのに、自分の人生のステージによって、見る場所が少しずつ変わっているのが面白いです。
そして今回の映画を観ながら、昔から僕がずっと不思議に思っていたことを思い出しました。
マイケルのコンサート映像を見ると、観客が次々に気絶して運ばれていくんです。
僕は昔から、
「そんなに早く倒れちゃったら、最後まで見られなくて、もったいなくない?」
と思っていました。
でも今回、ある仮説が浮かびました。
もしかして英語ネイティブには、マイケルの歌が僕たち日本人とはまったく違って聞こえているんじゃないか?
歌詞のメッセージがダイレクトに心へ入ってきて、それで感情が揺さぶられすぎて倒れてしまうのでは?
そこで、実際に聞いてみることにしました。
アメリカ人ネイティブ2人に聞いてみた
せっかく聞くなら、できるだけ僕と年代が近くて、なおかつマイケルと同じアメリカ出身の人がいいと思いました。
そこでオンライン英会話で、40代のアメリカ人男性2人に質問してみました。
1人目はニューヨーク出身の先生です。
僕が、
「マイケルの曲を初めて聞いた時に、歌詞を全部聞き取れる?」
と聞くと、答えはかなりあっさりしていました。
「いや、聞き取れないよ。サビの一部がギリギリ分かるぐらいかな。」
さらに、内容まで理解できるのか聞いてみても、
「初めて聞いた曲なら、内容はほとんど分からない。」
とのことでした。
ただし、一度歌詞カードを見て英文を確認してからもう一度聞けば、今度はかなり聞き取れるそうです。
そこで僕は、もう一歩突っ込んで聞いてみました。
「歌詞が分かるようになった状態で聞くと、心に響いたりする?」
すると、
「うーん、別にそこまで何とも思わないかな。」
という答えでした。
むしろ彼がすごいと思うのは、マイケルのダンスだそうです。
あれ?
僕の仮説とだいぶ違うぞ。
2人目の反応
続いて、サンフランシスコ出身の40代男性にも同じ質問をしてみました。
すると、こんな答えが返ってきました。
↓↓↓
・初めて聞くマイケルの曲の歌詞は、ほとんど聞き取れない。
・内容も、その場ですぐ理解できるわけではない。
・歌詞を見てから聞き直せば、単語では聞き取れるようになる。
・ただし、単語が聞き取れているだけで、歌の内容までリアルタイムで頭にどんどん入ってくるわけではない。
・歌詞カードを読んでも、全体で何を言っているのかよく分からない。
とのことでした(笑)
その先生がマイケルの魅力として挙げたのは、むしろメロディーでした。
「すごくキャッチーで良い曲だと思う。」
そして、やはりダンスのキレもすごいと言っていました。
ここまで聞いて、僕の仮説はほぼ崩れました。
どうやら英語ネイティブだからといって、マイケルの歌詞を一発で聞き取り、そのメッセージに感動しているわけではなさそうです。
もちろん、僕が聞いた先生たちは別にマイケルの大ファンではないので、単に歌詞が響いていないだけかもしれませんが・・・
ネイティブでも聞き取れないと知って、ちょっと安心した
でも、この結果を聞いて、僕は正直ちょっと安心しました。
マイケルの歌って、本当に聞き取りづらいんです。
英語学習を始めた28歳の頃、歌詞カードを見ながら何度も聞いたのですが、
「本当にここで、この単語を言ってる?」
と思うことがよくありました。
早いし、音はつながるし、独特の歌い方もあります。
当時の僕は、
「自分のリスニング力が低いから聞こえないんだろうな。」
と思っていました。
でも、英検1級&TOEIC975点を取った今でも、聞こえ方はあまり変わりません。
そして、40代のアメリカ人ネイティブ2人に聞いても、
「初見なら分からない。」
という答えです。
だったら、僕が聞き取れなくても当たり前です。
これは洋楽を使って英語学習をしている人にも、けっこう大事なポイントだと思います。
ネイティブだからといって、歌詞を全部リアルタイムで聞き取っているわけではありません。
ましてや僕たち英語学習者が、一度聞いただけで全部聞き取れないからといって、
「まだまだリスニング力が足りない。」
と落ち込む必要はないんですよね。
英語学習者向けには、もっとゆっくりハッキリ発音する歌の方が、マネするには良いかもしれません。
もちろん、マイケルの歌の中にもスローなバラードはあるので、それを選ぶのも良いと思います。
ただ、個人的にはどうしても「マイケル=ダンス」という図式があるので、ノリノリでスピーディーな曲を聞きたくなりがちです。
その結果、歌詞が聞き取れないし、発音をマネできなくなります。
では、なぜコンサートで人が倒れていたのか?
ここで最初の疑問に戻ります。
英語ネイティブの観客が、歌詞のメッセージに感動しすぎて倒れていたわけではないとしたら、なぜあれほど多くの人が気絶していたのでしょうか。
僕なりの仮説としては、やはりマイケル本人の存在感、ダンスのすごさ、曲のカッコ良さ、そして会場全体の熱狂が大きかったのだと思います。
念のためAIにも聞いてみたところ、もっと現実的な理由を教えてくれました。
「極度の興奮による過呼吸や失神、長時間立ち続けることによる疲労や脱水、暑さ、スタンディング会場での人の圧迫、酸欠などが重なり、倒れる人が出やすい状況でした。」
なるほど。
真夏のような暑さの中、満員電車の中のような押し合い状態に何時間もいて、さらに全員が大きな声を出して動きまくっている状況を想像すると、確かに身体は限界を迎えそうです。
僕はずっと、
「マイケルがスゴすぎて感動して気絶する。」
というイメージで見ていましたが、実際には興奮に加えて、かなり物理的な要因もあったのかもしれません。
とはいえ、ステージにマイケルが登場しただけで泣き叫ぶ人が大量に出る映像を見ると、やはりあの時代のマイケルの存在感は異常なレベルだったんだろうなと思います。
人生のステージによって、同じ人でも見える場所が変わる
今回、映画「マイケル」を観たことで、僕は改めて昔の自分を思い出しました。
中学生の僕は、ムーンウォークを見ていました。
19歳の僕は、ダンスの細かい動きを見ていました。
28歳の僕は、マイケルの英語を聞いて、発音が早すぎてヘコみました。
そして今の僕は、
「英語ネイティブには、この歌がどう聞こえているんだろう?」
と考えています。
マイケル・ジャクソンは、僕にとって熱狂的に追いかけ続けてきたスターというわけではありません。
スキャンダルについて詳しく調べてきたわけでもありません。
ただ、マイケルのダンスと歌は昔からずっと好きです。
そして面白いのは、同じマイケルを見ていても、自分の人生のステージによって、目を引かれる場所が変わっていくことです。
英語も、これと少し似ている気がします。
昔はまったく意味が分からなかった歌詞が、数年後に聞くと少し分かる。
以前はただカッコいいと思っていた曲の中に、今度は英語の音の変化が見えてくる。
さらにそこから、
「ネイティブには、これはどう聞こえるんだろう?」
という新しい疑問が生まれる。
同じ曲を何度聞いても、その時の自分によって見えるものが変わる。
だから僕は、英語を長く続けるのが面白いのかもしれません。
P.S.今回の記事では、気になったことをアメリカ人の先生に直接聞いてみました。
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