
from 師範代Shinya(英語学習のヒントをYouTubeでも発信中)
英語学習を続けるためには習慣化が大事、とよく言われます。
ただ、「じゃあ習慣って何?」と聞かれると、意外に説明するのが難しいものです。
毎日頑張ることなのか。
同じ時間に勉強することなのか。
強い意志を持って続けることなのか。
僕自身、自分の英語学習を振り返ってみると、習慣の正体について一つ気づくことがあります。
それは、
「やるかどうかを考えなくなること。」
です。
僕がそれを強く感じたのが、会社員時代の通勤中でした。
英語学習が一番続かなかったのは、時間があった時期。
僕が28歳で英語をやり直した頃、最初の一年ぐらいはかなり不安定でした。
やる気がある日はたくさん勉強するけれど、やらない日はまったくやらない。
そんな状態を何度も繰り返していました。
当時、僕はアパレル業界で働いていました。
英語学習を始めたのは年明けだったのですが、服屋は1月中旬ぐらいから2月末までは比較的ヒマな時期です。
ふだんは開店から閉店までずっと店にいるのですが、ヒマな時期は早番や遅番のシフトを組めます。
そのため、普段に比べたら勉強する時間はけっこうありました。
ところが、不思議なことに英語学習は安定しませんでした。
今日は早番で仕事が早く終わったから、家に帰ったら英語をやろう。
そう思って帰宅するのですが、ご飯を食べたり、テレビを見たりしているうちに時間が過ぎます。
「今日はちょっと疲れているから、明日やればいいか。」
そんな日もありました。
時間があるからこそ、「いつやるか」を自分で決めなければならなかったのです。
これが意外に難しい。
仕事が忙しくなったら、逆に英語が続き始めた。
その後、仕事が通常モードになり、残業も増えていきました。
普通に考えれば、英語学習には不利な状況です。
ところが僕の場合は、ここから少しずつ勉強が安定していきました。
理由はシンプルで、勉強できる場所が限られてきたからです。
その一つが通勤中でした。
当時は車で通勤していて、広い国道1号線を走っていました。
ほぼまっすぐな道で、数百メートルごとの信号などに注意する必要はもちろんありますが、運転に支障がない範囲で英語の音声を聞いたり、声を出したりできました。
家で、
「さて、今日はいつ英語をやろうかな。」
と考える必要がありません。
車に乗ったら英語。
それが少しずつ当たり前になっていきました。
以前は自宅でまとまった勉強時間を確保するのが難しかったので、こうした通勤途中の時間などを使いながら、一日の学習時間を作っていました。
当時は「隙間時間を有効活用している」という感覚だったと思います。
でも今振り返ると、それ以上に大きかったのは、
「判断する回数が減ったこと。」
だったのだと思います。
習慣になる前は、毎回小さな決断をしている。
英語学習が続かない時には、
「今日はやる?」
「何時からやる?」
「どれぐらいやる?」
「何をやる?」
という小さな決断が毎日発生します。
一つ一つは大したことではありません。
でも、仕事から疲れて帰ってきた夜に、毎日この決断をするのはけっこう大変です。
そして人間は、自分に選択肢があると楽な方を選びたくなります。
「今日は疲れたから明日にしよう。」
という選択肢が毎日登場するのです。
僕も英語学習を始めた最初の一年は、何度もここで負けました。
でも僕は2年目からは、勉強メニューを音読と瞬間英作文の2つだけに絞りました。
使うテキストも固定して、他のテキストに浮気するのを辞めました。
これなら、毎日の決断で悩む必要がありません。
そして通勤など、日常生活の中にある時間と組み合わせていくことで、少しずつ英語に触れることが普通になっていきました。
その積み重ねが、最終的には英検1級までつながったのです。
習慣とは「毎日頑張れる人になること」ではない。
習慣化という言葉を聞くと、
「毎日自分を律して頑張れる人になる。」
というイメージを持つ人もいるかもしれません。
でも、僕自身の経験はむしろ逆です。
なるべく頑張らなくてもできる形に変えていく。
毎回やる気を出さなくても、自然に始められる状況を作る。
その方が圧倒的に続きやすかったです。
歯磨きをする時に、
「今日は歯を磨くべきだろうか?」
と真剣に悩む人はほとんどいないでしょう。
ご飯を食べたら磨く。
夜寝る前に磨く。
そこには、やる気も決意も必要ありません。
英語学習も、最終的にはそれに近い状態に持っていけると強いです。
朝コーヒーを飲んだら単語帳を開く。
通勤電車に乗ったら英語を聞く。
昼休みになったら5分だけ音読する。
夕方になったらオンライン英会話をする。
「英語をやらなきゃ。」
ではなく、
「この時間になったから英語をやる。」
という状態です。
習慣を作りたいなら「やる気」より「場所とタイミング」を決める。
もし今、英語学習がなかなか習慣にならないと感じているなら、
「もっと意志を強くしなければ。」
と考える前に、一度生活の流れを見てみてください。
毎日必ずやっていることは何でしょうか。
電車に乗る。
車に乗る。
コーヒーを飲む。
お昼休みになる。
お風呂に入る。
こうしたすでに存在している行動の横に、英語を置いてみるのです。
僕の場合は、それが通勤でした。
毎日会社へ行く以上、通勤そのものはなくなりません。
だったら、その時間に英語をくっつけてしまう。
そうすると、「今日は勉強しようかな」と考える回数が減っていきます。
僕が通勤中に気づいた習慣の正体は、
「毎日頑張れること。」
ではありませんでした。
「やるかどうかを、いちいち考えなくなること。」
でした。
英語を続けたいなら、意志の力を強くするより先に、英語を生活のどこに置くかを考えてみる。
僕はその方が、ずっと現実的で続きやすいと思います。
P.S.
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