From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
HさんはTOEIC800点台を狙っている最中に、転職をしました。
なんと、夢にしている「海外と取引のある会社の貿易事務のポジション」に応募したのです。
そして1社目で面接に受かって、夢の仕事をゲットしてしまいました!!
Hさんのこの行動力は、本当にスゴいと思いました。
多くの場合、英語を使った仕事に転職しようと思ったら、「十分な英語力がつくまで待つ」人が大半です。
でもHさんは、準備が整うのを待たずに、先に夢のポジションに自分を置きました。
「私は追い込まれた方がやる気が出るタイプだから、先に英語を使わざるを得ない状況に自分を持って行こうと思って。英語は使いながら覚えるのが一番な気がします。」
と言っているのが印象的でした。
このHさんの決断は、その後の大きな変化につながりました。
夢を先延ばしにするデメリット
「十分な英語力を身につけたら、やりたいことをやるんだ!」
と思っていると、なかなかその夢は実現しづらくなってしまいます。
英語力は右肩上がりで伸びていくわけではありません。
特にTOEICのようなテストは、英語力が上がっても点数にすぐ反映されないことがあります。
多くの場合、アップダウンを繰り返しながら、少しずつ伸びていきます。
「十分な英語力が身に付くまで、夢を実現できない」
と思っていると、この緩やかな伸びにフラストレーションがたまっていきます。
そして、途中ですべてを放り出して夢をあきらめたくなってしまうことがあります。
さらに、数年かけて目標だったTOEIC点数を取れたものの、時間が経ちすぎて最初の頃の情熱が冷めてしまい、結局行動を起こさずに「今のままでいっか!」となってしまうことも多くあります。
その結果、「英語力は上がったけど、環境は何ひとつ変わらない」という状況になってしまうのです。
別にそれが悪いわけではありません。
でも、英語は多くの人にとっては、夢を実現するための「手段」だと思います。
「英語で何かをしている自分」を想像してウキウキしたからこそ、やり直し英語学習を始めたのではないでしょうか?
その「何か」を先にできる環境に身を置いてしまうというのも、良い選択肢だと思います。
タイミング
今回のHさんの転職の成功は、「タイミング」も大きく影響していました。
転職先の会社の中で一番英語ができる人が退職してしまい、代わりになる人が見つからず、とても困っている状況でした。
ちょうどそのタイミングで、Hさんが申し込んだのです。
もしこれで、Hさんが自分のTOEIC点数が800点台になるまで待っていたら、この会社のポジションは他の人に取られてしまっていたでしょう。
800点台になってから「よっこらせ!」と動いても、そのタイミングでちょうど良い職種のポジションが空いている会社が見つかるとは限りません。
英語ができる人がいなくなって今まさに困っているタイミングで現れた人は、会社側としても多少経験値が少なかろうが、要求する英語力に達していなかろうが、採用する確率は高くなります。
実は僕自身も、今回のHさんと同じ経験をしたことがあります。
僕のケース
僕はカナダでの3ヶ月留学の後、帰国してすぐにTOEICの受験を申し込みました。
TOEICは事前の申し込みの締め切りが早いので、申し込んだ時点で一番早くて2ヶ月後に実施のテストでした。
さらに、スコアが出るのは1ヶ月後です。
転職活動をするまでに3ヶ月間も待っていられません。
そこで僕は、代わりにオンラインテストのCASECを受けました。
CASECは24時間365日いつでも受けられて、試験終了後は数十秒ですぐにスコアが出ます。
また、CASECのスコアをTOEICに換算したら何点、英検に換算したら何級、という感じで、換算表が出てきます。
履歴書に同封できるように、人事担当者にも分かりやすいスコア表を何度でもプリントアウトすることができるのです。
僕が帰国後、最初に受けたCASECのスコアをTOEIC換算すると、870点でした。
僕はすぐに、このスコアを元に就職活動を始めました。
僕の第一希望は、「自分が以前通っていた大手英会話スクールの講師」でした。
でも、日本人講師の採用条件には「TOEIC900点以上」と明記されていました。
あと30点足りません!
でも、応募したら受かりました。
その後、TOEICを受けたら実際の点数もピッタリ870点でした。CASECのスコア換算は正しかったことになります。
僕は、基準に30点足りない状態で採用されました。
理由は、タイミングでした。
それまで長年働いていた先生が海外へ「大人留学」すうるため退職することになり、代わりの先生をあと1ヶ月で探さなければならない!という状況だったのです。
そのタイミングで、海外から帰ってきた僕がちょうど入れ替わるように応募してきた状況でした。
おかげで僕は、自分のTOEIC点数が900点を超えるまで待たずに、夢の英語講師の仕事をゲットしました。
ちなみに、実際に僕がTOEICスコアで900点を超えるまでには、入社から約2年かかりました。
2年も待っていたら、きっと僕は英語講師の仕事への情熱を失っていたに違いありません。
他の仕事に就いて、その環境にすっかり定着して、今さら転職なんて面倒臭い・・・と感じていたでしょう。
転職においてタイミングは、すごく大事だと思います。
・・・つづく。
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