From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
目標点数のTOEIC800点ゲットを待たずして、夢だった貿易事務の仕事をゲットしたHさんは、生き生きし始めました。
それまでは、「英語力を上げなきゃ!好きな仕事ができない!」と焦りと不安を感じていました。
でも、新しい仕事になってからは、「今の仕事で必要な英語表現を覚えたい!」という方向にシフトしていきました。
そして、入社してすぐにHさんは海外からのメールのやりとりをすべて担当するようになりました。
Hさんは、実務での気付きをたくさんシェアしてくれました。
「実際にこの仕事を始める前は、TOEICの長文問題に出てくるようなかしこまった英文を書けるようにならなきゃ!と思ってました。
でも、向こうから届く英文メールは意外にカジュアルだったりして、思ってたのと違う発見がたくさんあります。」
「やりとりをする相手はネイティブじゃないことの方が多いので、向こうも文法的に間違った英文を送ってきます。
お互い完璧じゃない英語でも、ちゃんとやりとりできるし、特に問題はないってことに気付きました。」
「メールの場合は、英語でも日本語みたく定型文を使うことが多いから、定型文のストックがたまればたまるほど、返信するのが早くなっていくんですよね。」
「入社したら、会社の扱っている製品の知識も猛勉強しなきゃならなくて・・・どっちかって言うと英語力を上げるより、仕事の知識の方が優先順位が高いことに気付きました。」
Hさんの言葉は、どれも実務で英語を使っているからこそ学べる、リアルな現場の体験談でした。
準備8割でGO!
Hさんの言葉を聞いていると、「夢を実現するのに、準備が整うまで待つ必要はない」ということを感じます。
特に英語力の場合は、必要とされるレベルの8割ぐらいになったら、転職活動を始めてみるのも良いかと思います。
企業の応募要件に「TOEIC○○点以上」と書いてあって、その点数に足りなくても、
「実際に応募してみたら意外に受かっちゃいました!」
なんて話もよく聞きます。
これは転職に限らず、同じ会社内での部署異動の希望も同じです。
ちょうど人がいなくて職場があたふたしているタイミングで応募すれば、「まあ、足りない分の英語力は入社後に上げてもらえばいっか!」という感じになることが多いのです。
ただ、ひとつだけポイントがあって、それは「最低7~8割ぐらいまでは英語力を上げておく」ということです。
いくら基準に足りなくてもOKと言っても、
「TOEIC730点以上を求めている海外勤務のポジション」
に対して、
「TOEIC400点台だけど、ヤル気まんまんの人」
が応募してきた場合、さすがに採用されるのは難しいと思います。
この場合、TOEIC600点台ぐらいまで上げておくと、あと100点は入社してからガンバってもらうか!という判断がしやすくなります。
もちろん、
・ライバルの応募者数がどのぐらいいるのか?
・人事を決める担当者がどういう性格か?
・会社のルールがどのぐらい厳格か?
などによって、確率に違いが出ます。大企業になるほどルールの基準をビシッと守ろうとするので、難しいかもしれません。
でも、中小企業ならけっこうイケてしまうこともあります。
①基準を満たす英語力を持った人が、人員に余裕がある時に応募してくるケース
②英語力はちょっと足りない人が、今まさに人手不足で現場があたふたしている時に応募してくるケース
どちらが人事担当者の目に魅力的に映るか?と言えば、やっぱり②だと思います。
僕もジーンズショップの店長をしていた時には、アルバイトの募集と面接、採用の決定までを全部自分1人でやっていたので、採用する側の気持ちが分かります。
職安やアルバイト情報誌の採用条件に書く「年齢、応募資格」などは、あくまで「変な人が応募してこないようにするための防御策」ぐらいの感覚で設定していました。
実際にその基準に満たない人が応募してきても、面接してみて「この人はポテンシャルを持っている!」というのが見えたら、迷わず採用していました。
人を採用するためには、かなりのお金と労力、時間がかかります。
ちょうど良いタイミングで応募してきた人が、わずかに基準に満たなくても、「入社してから基準を満たしてもらおう!」という感じで採用されること可能性は十分あると思います。
今回のHさんの転職成功体験談は、まさにタイミングをうまくつかんだ例でした。
そしてHさんは、転職に成功した後も英語トレーニングを続けながら、TOEIC点数アップを狙っていきました。
・・・つづく。
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