From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
シャドーイングと音読を交互に繰り返すうちに、最初はつっかかっていた場所も、だんだんスムーズに言えるようになってきます。
「けっこうイケてるんじゃない?俺!」
「もう、この英文はマスターした気がするぞ!」
と思ってきたあたりが、リピーティングを取り入れるタイミングです。
おそらく、リピーティングをやるとその自信が砕かれることになります・・・
でも、「おかげでやるべきことが明確になった!」と気を取り直して進めるのがポイントです。
リピーティングのやり方
①CD再生を1文ごとに一時停止する。
②テキストを見ないで声に出してリピートする。
③間違った場所がないか、テキストを見ながらチェックする。
④間違った場所があったら、もう一度その一文を頭から音読する。
⑤同じ要領で、次の1文に移って続ける。
弱点が浮き彫りに!
このリピーティングをやると、
「今まで分かったつもりになってたけど、本当は分かってないこと」
が浮き彫りになります。
たとえば、
I think this is a good device for writing your blog posts.
(俺は思うよ / これは良い機器だって / ブログ記事を書くために)
という文章をリピーティングしたとします。
すると、
I think this is … good device for… (あれ??次はwrite だったかな?writingだったかな?)… blog posts.
という感じで、けっこう細かい部分が抜けたり間違えたりします。
それまでCDを使ってシャドーイングをしたり、テキストを見ながら音読をしている時にはあまり意識しなかった、「冠詞」や「前置詞」などの細かい単語や、「~ing」などの文法が、よく分からなくなるのです。
ここで、新しい気づきがあります。
この、あいまいな部分に気づくと、あなたの脳内に「アンテナ」が立ちます。
すると、次にテキストを見ながら音読したり、シャドーイングをするときには、その部分が「気になる」ようになります。
意識がそこに向いて、より文法を意識するようになるのです。
これが、リピーティングの効果です。
リピーティングが「卒業基準」
このリピーティングがスムーズに、一字一句間違えずにできるようになったら、その英文はあなたの脳内にストックされた、という目安になります。
本当の意味で「長期記憶」としてインストールされるのです。
よく、英語学習者の方から
「音読は、1文につき何回やったら先へ進んでいいんですか?」
と聞かれることがあります。
「最低回数」は30回と決まっていますが、「上限回数」は決まっていません。
その人の得意不得意のジャンルや、英文全体の文法レベルや語彙レベルによって変わります。
なので、今やっている英文を卒業するかどうか?のジャッジ基準として、
「テキストなしのリピーティングがスムーズにできる」
という状態を目指すのがオススメです。
まとめ
以上、数回にわたって音読系トレーニングの細かいやり方を解説してきました。
もう一度まとめると、音読系トレーニングは3種類あります。
①オーバーラッピング&シャドーイング
②音読(素読み)
③リピーティング
の3つです。
この3種類トレーニングのそれぞれの目的は、
①オーバーラッピング&シャドーイング=ネイティブのスピードとリズムを体得すること
②音読(素読み)=気持ちを込めて、自分の言葉としてしゃべれるようにすること
③リピーティング=これまで①&②で刷り込んだ英文が、ちゃんと「技術」に変わっているかどうか?をチェックすること
です。
この3つは、それぞれ単体で練習するよりも、「組み合わせる」ことで爆発的な効果を発揮します。
ひとつのまとまりのある長さの英文を、この3つのトレーニングを駆使しながら仕上げていくと、完全に自分の中に沈み込んでいくのを感じます。
ぜひお試しください。
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