From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
前回の記事では、「家で仕込んできた英文を実戦の英会話の場で使えない理由」についてお伝えしました。
僕ら日本人は、どうしても会話の中では受身になりがちです。
そのため英会話をする時にも、
「相手にこう言われたら、こう返そう」
というふうに考えてしまいます。
でも、この方法では「相手が話題を振ってきてくれないと、用意した英文を出せない」という状況になってしまいます。
せっかく英文を用意しても、試合(英会話)の中で使わずに終わると、記憶から抜けていってしまいます。
一度でも会話の中で使うと、その英文は「エピソード記憶」として脳内に焼き付きます。
エピソード記憶というのは、実際の体験と結びつく記憶のことです。
自分の用意したフレーズがネイティブ相手に通じた時の喜びの感情、相手の表情、声などが脳裏に焼き付くのです。
するとテキストの文字を1人で音読している時よりも、さらに深い長期記憶として残ります。
だからこそ、用意した英文は必ず試合(英会話)の中で使いたいのです。
先制攻撃をしかける
英会話の中で自分の用意した英文を使うタイミングは、「最初」がベストです。
具体的には、あいさつの直後にいきなり仕込んだ英文を出します。
たとえば、前回の記事でもやった
How was your weekend?
(週末はどうだった?)
に対する答えの英文を家で練習してきたとします。
その場合、相手に
How was your weekend?
と聞かれるのを待っていてはいけません。いきなりこっちから仕掛けるのです。
タイミングとしては、
How are you?
と聞かれた直後です。
Good! と返したらすぐに、用意してきた英文を話し始めます。
え?そんな唐突な・・・
と思われるかもしれません。
でも、それで良いのです。
もうちょっと自然にしたいなら、
Good! You know…
という感じで、You know をはさんでから仕込んだネタを話し始めるのがオススメです。
You know は色んな使い方があって日本語に訳しづらいのですが、文頭に入れた場合は「今から私、話すからね」という合図になります。
そもそも How are you? はただのあいさつなので、特にマジメに答える必要はありません。
Good! 程度で流して、You know で前置きして、いきなり本題に入ればいいのです。
前置き不要
特に英語の場合は、日本語に比べて「前置きの少ない言語」です。
・貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます
・お忙しいところ誠に恐縮ですが
みたいな前置きの言葉は、英文の中で使われることはほとんどありません。
英語の場合は最初からいきなり本題に入って、最後のシメで、
We are sorry for the inconvenience.
(ご迷惑をおかけして申し訳ありません)
みたいな言葉を入れて終わります。
なので、How are you? の後にいきなり自分の週末の話題を話し始めても、日本語ほどの違和感はありません。
僕のケース
僕の体験談をお話しします。僕はこの「いきなり先制攻撃」スタイルを始めるようになってから、フリートークがとても快適になりました。
まず、英会話スクールのネイティブの先生は「どんな話題を振ったら盛り上がるかな?」といつも考えています。
逆に、生徒さんが自分で話題を出して話してくれたら、先生としてはとてもありがたく感じます。
だから僕が毎週ネタ仕込みをしていくと、先生はとても嬉しそうにしていました。
そして毎回僕が、How are you? の後に仕込みネタを出すことが分かってくると、僕が話し始めるのを待ってくれるようになりました。
「今日はShinyaはどんな話題を話してくるんだろう?」
と思いながら僕に向かって How are you? を言ってくるのが、先生の表情から分かりました。
・・・つづく。
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