From 師範代Shinya(新村真也)
それまでは英語を「読む」ことにはまったく興味のなかった僕でしたが、
TOEICの点数を短期間でアップさせつつ、海外のビジネスの場で「使える英語」の力を手に入れたい!
という気持ちが高まっていた僕は、ついに「読み」のトレーニングを始めました。
多読トレーニングの体験談
前回の記事では、「多読」について詳しくお話ししました。
僕はとりあえず、無理せずに「レベル1」からスタートしました。
僕が最初に選んだシリーズは、「ペンギリンリーダーズ」です。本屋さんで立ち読みしたら、薄くてイラストがたくさん使われていて、取っつきやすかったのが理由です。
レベル1とはいえ、開いてみると、ちゃんと全部英語で書かれています。日本の出版社ではないので、日本語は一切ありません。びっしりと英語で書かれています。
こんなの、楽しみながら読めるのか?
TOEICの長文問題もぜんぜん読めない俺が、その何倍もあるような、こんな長い英文を読み続けられるのか?
そんな不安を感じつつ、英文に目を走らせました。すると・・・
なんと!!読めるのです!!
驚くほど読めます!!
使われている英単語はすごくカンタン!!
文法も中学2年生くらいまでのレベルです。
何のストレスもなく、すらすら読んでいくことができました。
僕が今まで「音読トレーニング」に使ってきた教材の英文に比べると、驚くほどカンタンでした。
なんということだ!!
文法と単語のレベルを落とすだけで、これほどスムーズに読めるようになるとは!!
気持ちいい!!
「読める喜び」を感じた僕は、そこからは夢中で読み進めました。
その本の内容は、ファッションブランドの「グッチ」が生まれた歴史について書かれていました。
最初は馬に装着する用具作りから始めて、だんだんファッションの世界に進出していったことや、血族の間で争いが起きたことなどが書かれていました。
ジーンズショップで8年間働いてきた僕にとって、ファッションの話は一番とっつきやすいジャンルでした。
この一冊目が、僕の中の「英語の本を読む」ということに対する抵抗を、一気に取り払いました!
そして僕は、
「こんなに基本のカンタンな単語&文法の範囲内でも、ちゃんと中身のある内容を表現できるのか!」
ということに気づきました。
6割のチカラ
「多読トレーニング」では、内容を全部理解しようとしなくていいので、気持ちがラクです。
このカンタンなレベルの英文を「6割分かればよし!」という心構えで読むと、かなり速いペースで読み進められることに気づきました。
そして、僕が今まで日本語の本ですら読むのが遅かった理由が分かりました。僕は、内容を100%理解しようとしていたのです。
その「完璧主義」を捨てることが、まず第一の心理的なカベでした。
そして、実際にやってみて気づいたことがたくさんありました。
・実際に読み進めてみると、6割くらい意味が取れれば、全体で言いたいことはけっこう分かります。
ん?と思う表現や英単語が出てきても、とにかく先へ進む。そうすると、後になってから、さっきの文章が伝えたかったことが分かったりするのです!
そういう「小さな成功体験」を積み重ねていくうちに、僕はだんだん日本語の本を読むよりも英文を読む方が速くなっていくのを感じるようになりました。
このとき僕は、「6割わかれば十分だ!」という言葉が腑に落ちました。
英語の本を読んでいる、カッコいい自分
もうひとつ、僕がこの多読トレーニングで気に入った点がありました。それは、
「英語だけで書かれた本を読んじゃってるよ!俺!!スゴくない?」
という「自負心」が芽生えたことです。
そして、英語だけで書かれた本は「目立ちます」。
僕は多読を始めて以来、どこへ行くにもバッグの中に英語の本を忍ばせておくようになりました。
そして、ちょっとした待ち時間や空き時間に本を取り出しては、読むようになりました。
すると、なんだか自分がスゴく頭のいい特別な人間になった気分になって、気持ちがいいのです!
英語をやってない人から見ると・・・
英語ができない人からすれば、僕が読んでいる本の英文の「レベル」は分かりません。
彼らにとっては、僕がレベル1の超カンタンな本を読んでいようと、レベル6の超ハイレベル本を読んでいようと、同じに見えるのです。
だから、リアクションは同じです。
「英語だけで書かれた本を読んでるんですか?スゴいですね!!」
という声をもらうことがけっこうありました。そんなとき僕は、
「いえいえ、こんなのレベル1で中学英語ですよ!」
などと謙遜はせずに、
「ありがとうございます!これ、けっこう楽しいですよ!」
と答えるようにしました。(謙遜せずに、相手のほめ言葉を素直に受け止めて感謝するというのは、欧米文化です)
それがまた、自分のモチベーションのアップにつながりました。
みんなの反応
英会話スクールのロビーで英語の本を読んでいると、クラスメイトやスタッフの方から声をかけられるようになりました。
外出先で読んでいると、周りの人たちがチラチラこっちを見てくるようになりました。
あるとき、小学校2年生くらいの小さな子供が、僕が読んでいる本をチラ見してきて、ビックリした表情をしたと思ったら、そのまま走り去りました。
その後、ゾロゾロと友達グループを引き連れてまた戻ってきて、少し離れた位置で僕の本を見ながら、
「あー!!ホントだ!あれ英語だ!あれ読める人はスゴいらしいぜ!!」
みたいなコソコソ話?!が聞こえてきました(笑)
また、あるときは駅で読んでいたら外国人に話しかけられ、
「Excuse me, do you study English?」
なんて聞かれたこともあります。そのまま仲良くなって、いろいろと会話をしたこともありました。
とにかく、英語の本を公共の場で読んでいると、良い意味で目立ちます。
それが、新しい「出会い」を連れてきてくれることもありました。
「英会話」との違い
それまでは、僕は自分の「英会話能力」を磨いてきました。でも、それを「披露する場」は限られていました。
それはだいたい、「外人バー」か、「英会話スクール」の中だけです。
あとは、たまにカラオケで英語の歌を歌うくらいです。どちらにしても、場所は限られています。
もし、日本人しかいない場所でいきなり英語を話し始めたら・・・ただの変な奴です。
でも、英語の本を読むことは、いつでもどこでもできます。どこへでも持ち歩けるし、それをどこで開いても、違和感はありません。
これは、「多読トレーニング」の意外なメリットでした。
内容に興味が持てるものを選ぶ
そして僕は、どんどん多読本を買いあさり、すきま時間に読みまくりました。もちろん、基準はあくまで、「内容に興味が持てるかどうか?」でした。
その「自己ルール」は、音読トレーニングの素材と変わらず、貫き通しました。
・楽しくなれば、読む時間が増えます。
・読む時間が増えれば、スピードが上がります。
・スピードが上がれば、読むのがもっと楽しくなります。
そうやって、良いスパイラルを保ちながら、徐々にレベルを上げていき、3ヶ月でトータル20冊くらいは読むことができました。(超薄い本も入れて)
そして、僕の「読みのスピード」は、どんどん上がっていきました・・・
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(英語の達人養成ジム 師範代)
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