From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が英語学習を本格的に始める前に、初めて外国人と英語で話した時のエピソードの続きです。
僕の働いているジーンズショップのレジに、米軍兵士たちがズラッと並びました。平日の昼間なのに、まるで日曜の一番忙しい時間帯のような賑わいっぷりです。
僕はドキドキしながらレジ打ちを始めました。
僕:「Tシャツが1点、ジーンズが1点、以上でお会計○○円です。」(←もちろん日本語です)
黒人男性:「○△□×?」
ぬぬっ??何か言われましたが、理解できません・・・僕が黙っているのを見て、また言ってきました。
黒人男性:「○△□×?」
僕「・・・・」
(ぬぬっ!なぜここで質問してくるんだ?前回は静かに何事もなくお会計が済んだのにぃ~!!)
もちろん、僕は何度聞いても理解できずに、無言の時間が過ぎました。
ところが、その黒人男性は、あきらめませんでした。自分の後ろに並んでいる白人男性に何やら説明しました。
すると、次にその白人男性が僕に話しかけてきました。
日本語で来るのかと思いきや、英語です!!
白人男性:「○△□×?」
今度は少しゆっくり、しかも言い方を変えてきました。
おそらくもっとやさしい英単語を使ってきたのでしょう。
音が同じではなかったので、言い方を変えたことは僕にも分かりましたが、だからといって理解できるようにはなりません。
なんと言っても、当時の僕の英語力はほどんどゼロに等しい状態なのです!
あきらめモード
結局、その白人男性の言っていることも分からず、沈黙が続きました。
それを見ていた後ろの方に並んでいる女性2人が笑い出しました。
何を言っているのか分かりませんが、顔の表情や声のトーンから察する限り、女性達はその白人男性に、
「頑張っても通じなかったわね。あきらめなさい!」
みたいなことを言っているように見えました。
みんなが「あきらめモード」になっているのが分かりました。
「どうせ通じないから、さっさと会計済ませて行こうぜ!」
みたいなことを言い合っているように聞こえました。
ぬぬぅ・・・くやしい!!
手も足も出ない!!
せめてひと言、英語で何か言えたらなぁ・・・
せめて彼らの言っていることの半分でも理解できたらなぁ・・・
そんな想いが僕の胸にこみ上げてきました。
超フレンドリーなお客さん
レジに並んでいる10人以上の外国人のお客さんをひとりひとり相手にしていると、改めて気付いたことがありました。
これは、前回の時もそうだったのですが、お会計を終わらせるたびに、彼らは笑顔でまっすぐに僕の目を見ながら、「Thank you!」と言ってくれるのです。
今度は僕も、すかさず言い返しました。
僕:「Thank you!」
たったひと言だけなのに、ものすごい心臓がバクバクしました。
海外旅行すら一度も行ったことのない僕にとって、外国人の見た目だけでも十分にビビる要素でした。
それに加えて、「Thank you!」なんてセリフを口にしたのは、中学校の授業以来です。
たったひと言をしゃべるだけで、こんなに緊張するとは・・・
それにしても、なんてフレンドリーなんだ!!
こんなにいかつい外見なのに、すごい親しみやすい雰囲気を持った人たちだなぁ・・・
僕はすっかり気分が良くなってしまいした。
「Thank you!」のたった一言には、それだけのパワーがありました。
10人相手にすると、それを10回繰り返すことになります。
10人目を相手にした時には、僕もだいぶ慣れてきて、しっかり相手の目をみながら「Thank you!」と言えました。
すると、最後に並んでいたやせ形の白人男性が、とびきりの笑顔で、「○△□×!」と言いました。
まったく聞き取れませんでしたが、なにか別れのあいさつをしていることは分かりました。
そういえば、前回にも同じような経験をしました。きっと「別れの決まり台詞」に違いありません。
それが分かったところで、何て返せばいいのか、まったく分かりません。
今の僕には、笑顔を作って、もう一度「Thank you!」と言うことしかできませんでした。
こみ上げるくやしさ
その後、彼らが去って行くと、店内は何事もなかったかのように、静かな空間が戻ってきました。
さっきの出来事が、まるで夢だったような気分です。
落ち着きを取り戻した僕は、さっきの会話を思い出していました。
今回はちゃんと「Thank you!」を言えたぞ!
上出来だ!
でも・・・最後のセリフが分からなかったな・・・
せめて、あそこで何か返せたらな・・・
あぁ!くやしい!!
英語がしゃべれたら、彼らともっと交流できたかもしれないのに・・・
くやしいぞぉーーーー!!
僕は今度こそ、英語の勉強をしよう!と心に誓いました。
・・・つづく。
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