From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※ここまでお伝えしてきたことのまとめの続きです。
パターン②の場合は、
・仕事中に英語の論文を読む必要がある
・仕事の知識を深めるために、英語の専門書を読みたい
などのインプット型です。
もしあなたが大学受験英語をガンバった経験があるなら、きっと「長文読解への耐性」ができているはずです。
たとえ時間がかかっても、長い文章を文法的に理解することができるでしょう。
「これは関係詞だから、この名詞にかかってきて・・・ということは、ここまでが主語か。」
「このingは、後ろから名詞を修飾する形容詞としての役割か。ということは、ここまでが目的語か。」
というように、文章の構造が見えるのが、受験英語をガンバった経験のある人達の特徴です。
受験英語は、こういった長文読解に関しては得意分野です。
日本の学校での英語教授法は、明治時代に始まったスタイルがベースになって、今でも引き継がれているそうです。
鎖国で世界から遅れを取っていた日本が「西洋の文化に追いつくぞ!」と海外の書物を大量に輸入して吸収し始めた頃のやり方が、今の受験英語に引き継がれているのです。
「こんなやり方じゃちっとも話せるようにならない!」
と批判されることの多い受験英語ですが、本来の目的である「海外の書物を読んで理解して、自分の中に取り入れる」という点では、その本領を発揮します。
だから受験英語の荒波をくぐってきた人達は、長文読解の世界では強いのです。
「英語を話すことに関しては初心者レベルでも、英文の読みに関しては超高度なレベル」
という人は、実はけっこういます。
そういう人は軽いあいさつでも言葉がまったく出てこなかったり、基本的な部分の文法ミスをすることがあります。
そのため、「自分は英語ができない」と思い込んでいる人が多いのですが、実はそうではありません。
ただ会話の回路が開いていないだけで、「英語力はすでに備わっている」のです。
最近は特に「英会話重視派」の流れになっていて学校英語が批判されています。
が、学校英語も悪いところばかりではありません。
学校英語の本来の目的である「海外の書物を読んで理解する」という作業をする時には、最大限の力を発揮します。
僕自身は高卒で、大学受験を経験したことがありません。
28才から英会話から始めて、ひたすら会話力を磨きましたが、31才の時に「英字新聞やネットの長文を読んで理解できるようになりたい!」と思うようになりました。
そんな僕の目から見ると、受験英語を経験している「長文が読める人」は本当にスゴいと思います。
もしあなたがそのタイプなら、ぜひ自信を持ってください。
たとえ今の英会話力が低いと感じていたとしても、大丈夫です。
読みたい本や論文をいきなり読み始めても、「受験英語の下地」と「背景知識」のかけ算のパワーで、きっと読み解けるはずです。
文法の下地がない人がいきなり読むのはダメ
逆に、僕のように文法などの下地知識がほとんどない状態でいきなり英語の本を読むのは無謀過ぎます。
中学3年生までに習う文法の基礎がしっかり固まってから長文を読み始めるのがオススメです。
それまではグッとガマンしましょう。
とはいえ、「一度撃沈する感覚」を味わってみて、そこからトレーニングを積んで、Before & After で比べてみる、というのも良いかと思います。
僕も「長文のテキストを開いて撃沈して、押し入れにしまって1年後にまたリベンジ」という流れを何度か繰り返していました。
ただ、あまりムリしたり自分責めをすると心が折れてしまうので、要注意です。
「付け焼き刃の対応策」と「トレーニング成果」がクロスする日
今までお伝えしてきた「フレーズ丸暗記」や「テンプレートのコピペ」などの付け焼き刃的な対応策で、ある程度の仕事の現場は乗り切ることができます。
ただ、英語力の底力を上げるトレーニング(音読や瞬間英作文トレーニング)は続けてみてください。
底力トレーニングは成果が現れるまでに時間がかかります。
でも、数年後に「付け焼き刃対応策」と「底力トレーニングの成果」がクロスする日がやってきます。
そうなった時に、今まで丸暗記で覚えていたフレーズが違った色彩を帯びてきます。
「あ!だからこの言い回しでこういう意味になるのか!」
「この文章は本当はこういう意味だったんだ!」
「てっきり主語はこれだと思ってたけど、実はここまでが主語なのか!」
といった新しい発見があるでしょう。
付け焼き刃対応策で使っているフレーズが違う視点で見れるようになった時の喜びは、ひとしおです。
そうなる頃には、あなたはきっと「定型文で素早く対応しつつ、底力を使ってフリートークを楽しむ」ことができるようになっているでしょう。
応援しています!
(完)
※あなたの「やる気と才能」を引き出す、Saya(師範代Shinyaの妻)のオンライン対面セッションはこちら
—————————————
コメントを残す