From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
前回の記事では、「英語的な発想」を身につけるための従来の方法として、
①音読トレーニング
②直訳トレーニング
のうち、①を詳しくお伝えしました。
音読トレーニングを長年続けて、大量の英文を刷り込みながらストックしていくことで、
「この内容を英語で伝える場合、この文型でシンプルに言うことが多いよね」
という感覚がつかめてきます。
②直訳トレーニング
直訳トレーニングは、スラッシュリーディングとも呼ばれています。
英文を細かいかたまりに切って、1かたまりごとに日本語文に訳していくトレーニング方法です。
たとえば、
My boss / got angry / at me / at the office / yesterday.
というように、英文にスラッシュを入れて、
私の上司は / 怒りました / 私を / オフィスで / 昨日。
というように、日本語の文章としては変だけど英文に忠実な訳をしていきます。
この直訳した日本語文を読み上げることで、英語の発想を刷り込んでいくことができます。
直訳トレーニングは、特に長めの英文に力を発揮します。
僕は以前、松本茂先生監修シリーズの名著「速読速聴英単語Core 1900」 のVer.4を使って音読していましたが、Ver.4には「直訳バージョン」の日本語が載っていたので、フル活用していました。
↓↓↓
※今売られているVer.5は直訳パートがなくなってしまったのが残念ですが、英文の質の高さは折り紙付きです。
日本語で考えるな!の本当の意味
よく英語学習の世界では、
・日本語で考えるな!
・英語は英語で学ぶのが一番!
・分からない英単語があったら、英英辞典で引くべし!
といった教訓を聞くことがあります。
僕も自分が初心者の頃にこのメソッドを実践してみたものの、撃沈して精神的ダメージを負いました。
英語は英語だけで学べ!というのはスパルタに聞こえますが、これらの考え方の根底にあるのは、
英語の発想を身につけるためには、日本語的な発想(プレイヤー視点)を捨てなさい!
ということではないか?と思います。
プレイヤー視点から離れるために、「日本語を封印する」という手段が生まれたのだと思います。
英語は子供の頃から学ぶべし!も同じ発想
英語教育の世界では、「英語は子供の頃から学んだ方が良い」というのは定説になっています。
これは、大人になる前なら「ものの見方や発想」がまだ固まっていないからだと思います。
日本語の「プレイヤー視点の発想」で脳が固まる前に、英語の「誰がどうした視点の発想」を焼き付けてしまおう!とうのが、キッズ英会話の本当の狙いだと思います。
でも、大人になってからでも発想の転換はできます。
先ほどの①音読トレーニングと②直訳トレーニングを続けることで、英語的な発想を身につけることはできます。
ただ、どうしても刷り込み系のトレーニングは成果が出るまでに時間がかかります。
できるだけ短期間で大人が効果を感じられるような「発想の転換トレーニング」はないだろうか?
という視点で研究を重ねた遠藤先生が書かれたのが、この本「英会話イメージトレース体得法」なのです。
イラストを使ってイメージで発想転換
この本の最大の特徴は、「イラストをなぞる」トレーニング法です。
トレース(trace)というのは、動詞として使うと「道や足跡をたどる」という意味になります。
この本の中では、大きく3つのステップで「日本語的な発想」を「英語的な発想」に転換する脳のトレーニングをしていきます。
【ステップ①】
日本語文を読んで、その中の1つのセリフを「日本語のプレイヤー視点」でイラストで描いてみる。そうすることで、「まずは自分が日本語でどんな視点で考えているのか?」を視覚化する。
【ステップ②】
次に同じ内容を英語で言うために、「誰がどうした視点(発信者視点)」でイラストを描いてみる。
【ステップ③】
イラストの下に英単語を書いて、伝える順番ごとに指でなぞりながら、英文を声に出して読み上げる。
という流れです。
この3つのステップは、最初のうちは本の中で答えのイラストが示されていて、読み進めるだけでOKになっています。
そしてある程度の説明を聞いた後は、練習問題が用意されています。
出されたお題のセリフ(日本語)を読んで、自分でステップ①~③までをやってみるのです。
実際にイラストを描きながら、イメージの変換トレーニングをします。
そして最後に、答え合わせをする、という流れです。
この手法を使えば、自分が頭の中でどんな発想をして日本語の文章を組み立てているのか?が分かります。
そして、その日本語的な発想を英語的な発想に切り替える練習ができるのです。
しかも、イラストを描くことで右脳を使うことができます。
・・・つづく。
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