【外国人の同僚の悩み】

From  師範代Shinya(新村真也)

 

前回の記事では、テキスト英語と実戦英語の違いを、僕のカナダでの体験談を交えてお伝えしました。

 

今回は、その逆バージョンの体験談をお伝えします。

 

カナダでの留学生活から時間を少し先へ送って、帰国後に僕が英会話スクールの講師になった頃のことです。

 

僕の同僚は、アメリカやオーストラリア、イギリスなどの英語圏のネイティブの人たちになりました。

 

彼らは日本に来て、ひとりで生活しなければなりません。

 

日本人の「英語しゃべれる率」はとても低いので、お店へ行っても、店員さんが英語で話してくれることはほとんどありません。

 

なので、彼らにとって、「日本語がしゃべれるようになる」ことは死活問題です。

 

正確に言えば、日本語をしゃべれなくても生活自体は何とかなります。

 

でも、行動範囲や便利さがものすごく制限されてしまうと感じるそうです。

 

流ちょうにしゃべれるようにはならなくても、せめて聞き取りくらいはある程度できるようになりたい!でも、どうやって日本語を勉強したいいか分からない・・・

 

というのが彼らの悩みでした。

 

日本語を教えるプロ

そこで、僕は知り合いの日本教師のNさんを彼らに紹介しました。

 

その日本語教師のNさんは、「外国人に日本語を教えるプロフェッショナル」です。

 

僕もNさんレッスンに飛び入り参加したことがありますが、とても丁寧でわかりやすい指導で、日本人の僕も目からウロコの発見がたくさんありました。

 

僕の同僚たちは、Nさんに日本語を教わりながら、次々と日本語の基本フレーズをマスターしていきました。

 

実戦的な日本語講座

僕が日本語のクラスを見ていて気づいたことがあります。

 

それは、「実戦ですぐ使えるフレーズから入る」ということです。

 

生徒たちは「在日外国人」です。すでに毎日、日本で生活しています。

 

なので、「これはペンです。」みたいな、日常で絶対使わないような文章からやっている時間はありません。

 

そこで、まず覚えるフレーズは、

 

「お店で困らないためのフレーズ」

 

とか、

 

「道に迷った時に聞くフレーズ」

 

などから習い始めます。

 

僕の同僚は、熱心な人からいい加減な人まで、いろんなタイプがましたが、熱心なタイプの人は仕事の休み時間にも日本語テキストを開いて勉強していました。

 

「今週はこんなフレーズを習ったよ。」

 

と言いながら、うれしそうに読み上げてくれました。

 

昼休みのできごと

僕は週に1度くらいのペースで、同僚と一緒にお昼休みに外食をするのが日課になっていました。

 

日本語の勉強熱心な同僚と一緒にお昼に行くときには、

 

「覚えた日本語フレーズをお店で実際に店員さん相手に使ってもらう」

 

という実戦アクティビティーをやりました。

 

注文やお会計の時に、僕が一切手を貸さずに全部自力でやってもらうようにするのです。

 

もちろん、どうしても通じなくてヤバくなったら僕が助ける約束をしていました。

 

とはいえ、やはり初めて使うフレーズは緊張するようで、同僚は「フーッ!」と大きく声を吸い込んでから、

 

「ス、スミマセ~ン!」

 

と自信なさげな声で店員さんを呼んでいました。

 

「テンプラ ソバ ヲ オネガイシマス!」

 

みたいな感じで、カタコトながらも店員さんに話しかけて、それがちゃんと通じると、すごくうれしそうでした。

 

(あぁ、俺も英語を習い始めたばっかりの頃は、外人バーで注文がうまくできただけでも嬉しかったもんだなぁ~)

 

なんて過去の体験を思い出しながら、僕は懐かしい気持ちになっていました。

 

日本語のネイティブのスピード

僕がその勉強熱心な同僚と一緒にお店でお昼ご飯を食べていたときのこと。

 

僕は、お水のお代わりを店員さんにお願いしました。

 

水が運ばれてきたあと、同僚がボソッと言いました。

 

(英語で↓)

 

彼:「俺はお店で使われる日本語フレーズはたくさん覚えてきたし、店員さんとのやりとりもだいぶスムーズにできるようになってきたと思う。

 

でも、シンヤが店員さんと話す時の会話は、速すぎてぜんぜん聞き取れない・・・」

 

僕:「え?そうなの?」

 

彼:「さっき、店員さんを呼ぶとき、何て言ってたの?」

 

僕:「すみません、って言ったよ。」

 

彼:「俺にはまったく聞き取れなかった!もう一回言ってもらっていい?」

 

僕:「いいよ。 『すみません』」

 

彼:「いや、さっきはもっと速かった!あれは俺が今まで聞いた中で、一番速い『すみません』だった!」

 

僕:「あ!たしかに!言われてみれば・・・無意識だったけど、もっと速かったかも。ちょっと待ってね。え~と・・・『すみません!』・・・いや、もっと速いな。『さーせん!』・・・いや、もっとか。『させん!』」

 

彼:「それだ!そのスピードだった!『させん!』って言ってるよね?それが『すみません』になるの?」

 

僕:「たしかに、ちゃんと発音してないかも。」

 

彼:「きっと、それが日本語のネイティブの話すナチュラルスピードなんよだね。」

 

僕:「おー!そんなこと意識したこともなかった!」

 

店員さんの話す日本語

彼:「あとね、店員さんの『いらっしゃいませ』もたまにものすごく速くてぜんぜん聞き取れないことがある。特に若い男性店員の話し方は速い。」

 

僕:「あー!たしかに!こんな感じじゃない?『しゃせー!』」

 

彼:「そうそう!それそれ!なんて言ってるの?本当に『いらっしゃいませ』って言ってる?」

 

僕:「いや、言ってないね。だいぶ省略してるね。」

 

彼:「そうだよね!あーよかった!俺の耳が悪いわけじゃなかったんだ!」

 

僕「そうだね(笑)『しゃせー!』も、『させん!』も、ちゃんと発音してない。」

 

彼「よく、僕ら英語のネイティブの話す英語は、単語やフレーズを省略して発音するから分かりにくいって言われるけど、俺からしたら、日本人の話す日本語もテキスト通りの発音とはぜんぜん違うよ。」

 

僕:「たしかに!言われてみれば!あっ!そうか!じゃあ、あの時も・・・」

 

彼:「あの時?」

 

カナダでの思い出

僕:「いやさ、俺がカナダにいた時に、スーパーの店員さんが『ワナバ?』って言ってきて、何度聞いても聞き取れなかったのよ。」

 

彼:「うん、うん。」

 

僕:「それがだいぶ経ってから『Do you want a bag?』の省略だって知ったんだけど、あの頃は、なんでそんなに省くんだ?もっとちゃんと発音してくれよ!って思ったけど、よく考えたら俺ら日本人も同じだね。」

 

彼:「そうそう!母国語だとそれが当たり前になっちゃうから、自分では気づけないくらい自然になってるんだよね。」

 

自分の英語学習にも役立つ

僕はこんな会話を同僚とした後に、改めて自分の英語学習を振り返って深く考えるきっかけになりました。

 

もし、あなたも今後、「日本語を勉強中の外国人」と知り合いになったら、

 

「彼らから見た、僕ら日本語のネイティブの話す日本語」

 

がどう聞こえるか?を話し合ってみると、新しい発見があっていいかもしれません。

 

きっと、あなた自身の英語学習にも役立つはずです。

 

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