from 師範代Shinya
「日本語で思い浮かんだことが、英語で口から出てきません・・・」
「言いたいことはたくさんあるのに、英語にできないもどかしさを感じます・・・」
という悩みは多いです。
おそらく、英会話の経験が1度でもある人なら、このモヤモヤを感じたことがあるでしょう。
それに対する解決策としてよく言われるのは、
「日本語を思い浮かべずに、英語を英語のまま話しましょう」
「常に英語で考えるクセをつけましょう」
といった言葉です。
ただ、これは口で言うほどカンタンではありません。
僕は今でも、英会話をしている最中に日本語が頭の中に浮かぶことが多いです。
英検1級を取っても、TOEIC975点を取っても、日本語を頭の中から追い出すことはできていません。
僕の実感値では、毎日受けている英会話レッスンの25分のうち、半分ぐらいは英語だけで考えて、もう半分は日本語が頭の中に浮かびます。
その半分の違いはどこにあるのかというと、
①いつもの定型あいさつ(How are you? How was your weekend? など)
②過去に何度も話したことがある話題
③初対面の先生に自己紹介
この3パターンでは、完全に日本語を頭の中から追い出す(というより、意識せず話せる)ことができています。
逆に言うと、それ以外の話題、
①過去に一度も英語で話したことがない話題
②おなじみの先生を相手に、突っ込んだ深い会話をしている最中
の時には、日本語がどんどん頭の中に浮かんできます。
自分の英語レベルが上がると、それに合わせて会話のレベルも引き上がります。これは避けられません。
相手のネイティブの先生が、僕の力量を見て、話の内容レベルを引き上げてくるからです。
僕も、「これを伝えたい!」「あれを伝えたい!」といった内容がどんどん増えてきて、表面的な会話では満足できなくなります。
英会話上級者の対処法
頭の中に浮かんだ日本語が、英語で口から出てこない時の対処法として、英会話上級者(※英語上級者ではありません。「英会話」上級者です)が使う手法があります。
それは、「言い換え(パラフレーズ)」です。
頭の中に思い浮かんだ日本語フレーズが思い浮かばなかった時に、素早く別の表現を探して、同じ内容を伝えられるように言い換えて話すのです。
たとえば、
「私の好きなユーチューバーのチャンネルが、炎上した」
という日本語が頭の中に浮かんだとします。
「My favorite YouTuber’s channel…炎上した。」
(あれ?炎上って英語で何て言うんだろう?一度も調べたことないから、分からないや・・・)
となった時に、すばやく脳内で言い換えをします。
「炎上したってことは、たくさんのアンチが付いたってこと」
もし、この時点で「アンチ= hater」という言葉を知っている場合は、
He had a lot of haters.
と言って代用します。
もし hater という言葉が出て来ない場合は、もう1ランク言い換えして、
「アンチ=その人を嫌う人だよね。炎上したってことは、彼の最近の動画を、たくさんの人たちが嫌ったってこと」
と言い換えれば、カンタンな英語にできます。
A lot of people didn’t like his new video.
これで言いたいことは伝わります。
英語力と言い換え力は別物
この手法は、英会話上級者であれば必ずマスターしている技です。
先ほど(※英語上級者ではありません。「英会話」上級者です)と書いたのは、英語のボキャや文法の知識がたくさんある上級者であっても、言い換えのスキルがないと英会話でまったく英語が口から出て来ない現象が起こるからです。
もちろん、上級者が言い換え力を身に付けた場合には、初心者より有利になります。
言い換えの選択肢が増えるからです。
でも、先ほどの例文を見ていただいた通り、
A lot of people didn’t like his new video.
ぐらいだったら、初心者でも中学英語を一通り復習すれば、作れる文章だと思います。
ちなみに、上記の英文を見て、
「見れば分かるカンタンな英文なのに、自分で文章を組み立てられない・・・語順がめちゃくちゃになっちゃう・・・」
と感じる場合は、先に瞬間英作文トレーニングをすることをオススメします。
瞬間英作文トレーニングを積んだ人が「言い換えスキル」を極めると、自分の手持ちの英単語だけで英会話を続かせることができるようになります。
その結果、周りから「ペラペラですね!」と言われるようになるのです。
言い換えの限界
一方で、言い換え技にも限界があります。
それは、「日本語で本来言いたかったニュアンスを、捨てている」ということです。
もちろん、英語でコミュニケーションはできるし、特に意思疎通に大きな問題はありません。
でも、「本当はこれを言いたかったのに!」というニュアンスは捨てていることになるのです。
先ほどの「炎上する」ぐらいだったら、例として出した言い換えで、ニュアンスまで伝わることもあるでしょう。
でも、中にはどうしても言い換えではニュアンスが変わってしまう表現もあります。
「作業Aをするついでに、作業Bをした」
と言いたいときに、「ついでに」が出て来ないから、
「AとBを同時にやった = I did A and B together.」
と言い換えたとします。
でも、本来「ついでに」が伝えたいニュアンスは、「メインがAで、サブがB」です。
これを捨てて「AとBを同時にやった」と言うことは、本来のニュアンスを捨てていることになります。
これが積み重なってくると、だんだん不満がたまってきます。
不満の度合は性格にもよるかもしれませんが、僕はけっこう言葉にこだわるタイプなので、どしても本来のニュアンスまで伝えたくなってしまうのです。
そんな矢先に、新しいテキストが発売されました。
そして僕は、自分の英語学習に導入することに決めました。
その本は、「一番最初に思い浮かんだ日本語のフレーズを、ニュアンスまで含めて英語にできるようになろう!」というコンセプトです。
しかも、難しい言葉を極力使わず、中学英語の範囲内で、日本語の微妙なニュアンスまでを伝えられるようになるフレーズ本です。
次回は、この本の詳しいレビューをお伝えします。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
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