from 師範代Shinya
(→前回の続き)
※僕がこれから自分の英語学習用テキストとして導入すると決めた本のレビューです。
僕が考える、「良いフレーズ集の条件」が4つあります。
①フレーズの選定が良い
②日本語の解説が分かりやすい
③例文がシンプルで覚えやすい
④ネイティブの音声付き
この本「キレッキレ英語」には、この4つの要素がすべて入っていると感じます。
1つずつ解説します。
①フレーズの選定が良い
おそらくここは、誰もが気にする部分だと思います。
フレーズ集である以上、どんなフレーズが入っているかがその本の価値を決めると言っても過言ではありません。
僕が考えるフレーズの選定の良さの基準は、
・自分が普段使うイメージがわくか?
・1度覚えたら長く使えるフレーズか?
・最近よく使われる言葉も入っているか?
の3点です。
今回の本の場合、「よく使う日本語を英語で言えるようになろう」というコンセプトなので、自分が日本語でよく口にしているか?が重要です。
この点は人によって個人差があるはずです。
でも、この本にはトータル1,000種類もの日本語フレーズが収録されています。(いくつかの日本語表現は同じ英語フレーズで表せるので、実際に収録されている英語フレーズの数は、トータル500本です。)
しかもこの1,000本の日本語フレーズは、著者のカズ先生自身がこれまで長年かけてコレクションしてきた珠玉のフレーズばかりです。
カズ先生自身がふだん使う日本語に加えて、周りの人たちが使っている日本語に聞き耳を立て、「これはよく使われているな」という日本語フレーズを集めてきたそうです。
そして、その日本語フレーズに一番近い英語表現をまとめたのが、この本とうわけです。
日本人の発想から生まれたフレーズ選定は、とても自然で、本当によく使われているものばかりです。
僕のふだんの口ぐせ日本語フレーズも、バッチリ入っていました。
また、フレーズの選定には、昔からずっと使われている定番表現(しがらみ、忖度する、生きがい、など)から、現代のSNSで若者によく使われている言葉(チート、モフる、蛙化する、など)まで、幅広いです。
年齢や興味によって変わる口ぐせも、幅広くカバーしています。
この本はすべてのフレーズを暗記するのが目的ではなく、あくまで自分がよく使う日本語を英語で言えるようになればいいのです。
②日本語の解説が分かりやすい
この手のフレーズ集でよくあるのが、「日本語訳しか載っていないパターン」です。
たとえば、
Serves you right.
(いい気味だ、自業自得だ)
という決まり文句があります。
これを日本語と英語だけ見ても、なぜそんな意味になるのか?が分かりません。
また、まだ文法を勉強し始めたばかりの初心者であれば、
「Serves のおしりに付いている s は、名詞の複数形の s かな?それとも、動詞の三単現の s かな?」
と疑問に思うかもしれません。
文法をある程度学んでいる人でも、
「構文から見て、Serves の s は、動詞の三単現の s だろう。でも、そうなると主語がないぞ。主語は省略されているとしたら、いったい何だろう?」
という疑問が浮かんでくることが多いです。
そんな時には、自分でネットで検索しなければなりません。
けっこう手間です。
でもこの本には、カズ先生の日本語解説が載っています。
(※本の中の解説文を引用)
↓↓↓
(It / That) Serves you right.英語的な無生物主語の発想です。直訳は「それが君に当然の報いをする」で、「いい気味だ、そうなって当然、罰が当たった、それみたことか」というニュアンスに。主語の It / That が省略され、一息で Serves you right. という場合も多いです。
という感じの解説があります。
これを読めば、It が主語で省略されていることが分かります。
また、解説文の最初にある「無生物主語」とは何か?は、チャプター1で詳しく解説されているので、順番に読めば理解できます。
日本語解説は各フレーズだけではなく、前半のチャプター1で「7つの柱」として分かりやすい説明があります。
最初に7つの柱を読んでおくことで、それぞれのフレーズに流れる共通の「英語らしい発想」が身に付くのです。
僕は、この本の最大の魅力は、この日本語解説だと感じます。
著者のカズ先生は、大人になってから英語を身に付けた、純ジャパニーズです。
そのため、日本人が疑問に思う部分がよく分かっています。
「この例文を見た読者は、きっとここを疑問に思うに違いない」と先回りして、ポイントを解説してくれるのです。
また、単なるフレーズ丸暗記で終わらせないために、「英語らいし発想を身に付けるための日本語解説」が、ところどころに施されています。
ちなみに、カズ先生は今でこそ同時通訳者&大学の客員教授として英語をバリバリ使って活動していますが、それ以前はなんとバウンサー(用心棒)という、面白い職業に就いていました。
外国人向けのナイトクラブで酔っ払って暴れる屈強な外国人男性達を、なだめたり押さえ込んだり、必要であれば店の外に放り出すことで、治安を守っていたのです。
キックボクシングもやっていて、根っからの武闘派だったのです。
僕も英語学習を始める前には極真空手をやっていましたが、武道と英語は本当に共通点が多いです。
日頃のコツコツした鍛錬を、いかに工夫して楽しくやるか?
それが大事なのです。
僕は、カズ先生のキャリアにとても親近感を感じています。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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