From 師範代Shinya(新村真也)
(※僕がカナダにビジネス留学していた頃の体験談の続きです)
(→前回のつづき)
バンクーバーを飛び立った僕は、そのままトロントへ向かいました。
トロントとバンクーバーは、カナダの端っこ同士なので、飛行機でも4時間半かかります。
時差は3時間もあります。同じ国の中に時差があるって、日本ではピンと来ない感覚ですが、アメリカとかカナダとか面積の大きな国では、ふつうみたいです。
飛行機に乗りながら、僕はドキドキしていました。
飛行機に乗ることにドキドキしていたのではありません。
飛行機から降りた後のことにドキドキしていました。
ドキドキは、不安と期待が入り交じったものでした。
僕が感じている不安は、
・空港から乗るタクシーが「ぼったくり」だったりしないだろうか?
・ぼったくりじゃなかったとしても、無事ジェフの家までたどり着けるのか?
・無事たどり着けたとして、ちゃんと家に入れるのか?
・入るのにもたついていたら、警察を呼ばれるのではないか?
ということでした。
なぜなら、僕が向かうジェフの家には、誰もいないのです・・・
ジェフ本人が家になるなら心配ないのですが、本人は親戚の葬式で遠く離れた実家に帰ってしまっています。
僕がジェフの家に着くのは夜です。その家には誰もいません。
夜に留守の家の玄関のドアの前で、怪しいアジア人がドアのロックをガサゴソやっていたら、近所の人がそれを見て、警察に通報したりしないだろうか?
そもそも、もし家の中に入れなかったら、今夜は野宿か?
海外で野宿したら、ストリートギャングにあっという間に身ぐるみはがされて、裸で寒い路上へ放り出されて、凍死するんじゃないか?
そんな恐怖が頭をよぎりました。
不確実要素を楽しむ
ただ、僕は日本にいる時よりも、そういう「不確実要素」に対して慣れてきていました。
日本からバンクーバーに来るときには、期待と不安の割合が3:7くらいでした。正直、不安の方が大きかったです。
でも、今はその割合が逆転している感じです。
人生初の海外ひとり旅に、ワクワクしていました。
何が起きても、いい経験になる。大変な出来事も、後から振り返ると、笑い話になる。
そのことがだんだん分かり始めていました。不安な気持ちや、巻き込まれるトラブルもひっくるめて、すべて大切な思い出の一部になる・・・と。
だから、何が起きてもそれを味わって楽しもう!と決めていました。
空港到着!
トロントの空港に到着した時には、外はすっかり暗くなっていました。
僕は、おろるおそるタクシーに乗り込みました。
日本でもほとんどタクシーに乗ったことのない僕は、慣れない雰囲気に緊張していました。
運転手さんに、
「どちらまで?」
と聞かれるかと待っていましたが、運転手さんは何も言いません。
・・・・・・・・・・・・・
しばらく車内に沈黙が流れました。
僕は、耐えきれなくなって、自分からしゃべりました。
ジェフの家の住所を書いたメモを運転手さんに手渡しながら、
「この住所までお願いします。」
と言いました。
運転手さんは、その紙を受け取ると、無言でダッシュボードの上に置きました。
そして、いきなりクルマを発信させました。
海外の基準
う・・・なんか、愛想の悪い運転手さんだな・・・それとも、海外のタクシー運転手はみんなこんなもんか?
まあ、サービスを日本の基準で考えてはいかん!ここは日本じゃないんだ!
そう自分に言い聞かせながら、僕は静かに後部座席に座っていました。
もし、ここがハワイとかの観光地だったら、運転手さんももっと陽気に話しかけてくれたかもしれません。でも、ここはカナダ。そして、寒いトロントです。
運転手さんは、僕に一言も話しかけませんでした。
「日本人から見た欧米人=みんな陽気でフレンドリー」というステレオタイプのイメージは、現実では通用しません・・・
美しい夜景
空港からジェフの家に向かう道からは、美しい夜景が見えました。街の明かりが遠くにキラキラと光っています。
3ヶ月間住んでいたバンクーバーとはまた違う雰囲気の景色です。
この夜景を見ていると、自分が今、まったく新しい場所に来たことを改めて実感します。
空港からタクシーが出て30分くらい走った頃、タクシーが住宅街の前でスピードを落としました。
どうやら、ジェフの家は近いようです。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(英語の達人養成ジム 師範代)
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